未来への絆 【江戸っ子畳職人物語】

この物語は畳の仕事や日々の暮らしを通し
      家族の愛と信頼を
  余すところ無くブログ化したものでる。

新宿伊勢丹デパート祭!!

2015年08月12日 08時32分37秒 | 【畳】畳職人として

 

おはようございます。
 
 
 
7月22日~8月11日まで新宿にある伊勢丹デパート本館4Fにおいて催事をさせて頂く御縁を頂きまして、この夏家族で奮闘しました。
 
 
 
モノマチで活動していたことが、まさかデパートの催事まで繋がるとは驚きの連続でした。初めての事なので右も左ももわからず家族で喧々諤々と、正直悩みましたが、目の前に畳をアピールするチャンスがあるのであれば、みんなで頑張ろうと言う事で、自分たちにできる事、精一杯努めさせて頂きました。
 
 
 
この催事にあたって、一番うれしかった事は、沢山の人に畳の香りや手触りなどを触れて頂いた事です。デパートという空間の中でい草の香りをかいで、「凄くいい香り」「綺麗ないぐさね」など多くの言葉を頂きました。畳が本当に少なくなってきた現在、畳を好きと感じて頂ける人が大勢いたことは、とっても勇気を頂いたし、凄く感動しました。もっと頑張ろうと素直に思えたのも多くのお客様とお話して触れ合うことが沢山出来たからです。凄く貴重な体験をさせて頂きました。
 
 
 
また、嬉しいことなのですが毎日店頭に立つ妻が、畳の事をお客様とお話しさせて頂く中で、わからないことは学び、そして畳を一生懸命発信してくれたことは、凄く嬉しかったです。畳に対しての知識も格段に広がり、また家内はアパレルブランドの販売員でもあった昔の経験が、昔を懐かしむように毎日活き活きして楽しそうでした。今回ご縁を頂いて、またデパートの売り場に立てたは事は本人は非常にうれしかったんだと思います。
 
 
 
妻の情熱に引っ張られるように、父や母も協力してくれました。
 
 
 
三代目の会長は、週末いぐさのコースター作りのワークショップを行い、多くのお客様と一緒にコースターを作ってくれました。大変に好評で、伊勢丹デパート側からも特に喜んで頂いたと聞きました。なれない、やったこともないような場所で、会社を代表して協力してくれて、本当にありがたかったです。母も自分たちが夜遅くまで飛び交う中、子供たちの面倒をよくみてもらい、本当に感謝ししています。
 
 
 
私はというと、日々の仕事に精をだしながら、製品作りにはげんだり、デパート側のご配慮で、催事スペースにて畳の手縫い実演をさせて頂きました。普段目にすることのない畳作りを、限られたスペースの中で、拙い手技ですが午前午後と半畳板入れ畳の表替え作業を一枚づつ行いました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
畳を切る作業は売り場にご迷惑がかかる事を配慮し、自宅で板入れ畳の土台をあらかじめ制作して、当日デパートで新しい畳表(たたみのお顔部分にあたるござ)畳縁(畳の淵にある帯)を畳床に縫い付け、畳に仕上げる作業を行いました。
 
 
 
多くの方が足を止めて下さり、「懐かしい」「いい香り」「すごーい!!」など多くの言葉を頂きました。なかでも印象的だったのが
 
 
 
畳屋さんは相当握力があるな!!」と言われたお客様がいらして、どうやらあの厚みのある畳を指先の力だけで縫われていると勘違いされたようです。実際に畳を縫う作業は強い力を要しますが、手には「手当」と呼ばれる、手を保護する「手当がね」と呼ばれる金属で手を保護し縫い付けています。
 
 
 
畳を針で縫うという作業が、驚きとともに新鮮に写られたようです。機械化が進む中で、あくまで畳制作の基本は手作業と学び、この基本は揺るぎません。昔でしたら当たり前に写っていたことが、今は驚きに捉えられる事、良い意味で凄く刺激を頂きました。
 
 
 
多くの出会いと、沢山の人に畳を少しでも感じて頂けたことが、本当にうれしくまたもっと頑張ろうと思えた忘れられない貴重な経験となりました。お世話になりました伊勢丹の皆様、一緒に頑張った、江戸指物の茂上様、貴重な経験を本当にありがとうございました。