未来への絆 【江戸っ子畳職人物語】

この物語は畳の仕事や日々の暮らしを通し
      家族の愛と信頼を
  余すところ無くブログ化したものでる。

金色に光る有職畳祭り。

2008年11月07日 20時50分00秒 | 有職畳 祭り

 

(詳細画像ついております)

金七宝の紋縁を付けた、御堂です。まぶしい位に光り輝いて見えました。この七宝縁には

二つのお顔が存在します。色々な、考え方もありますが、素敵な紋畳縁です。

 

畳の敷き方には色々な、方法や、格式などありますが、多くの違う向きでの接点が

多いほど、紋縁仕事は、難しくなります。七宝縁の二つの顔が出会う楽しさが、とても

印象的でした。

 

(詳細画像ついております)

 

四天拝敷も数枚、拝敷きも数枚、金色に輝いていました。

御堂全体が、明るくなるほどの衝撃に驚きましたが、又、厳粛な気持ちにもさせてもらえる

そんな魅力が紋縁にはあると思いますし、畳が、その紋縁を包み込むような

温かさも感じられる、素晴らしい御堂のお仕事をさせて頂きました。

心よりの感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございました。


思い出深き【御本堂】祭り。

2008年11月06日 20時01分04秒 | 有職畳 祭り

 

(詳細画像ついております)

私は、この御本堂にとっても思い入れがあります。四年前に、新規に入れ替えをさせて

頂きました。その際、製作したのは私、四代目でした。一人で全て製作しているので

自分の子供の様な感覚があります。大げさに聞こえるかも知れませんが、四年前

私は、泣きながら製作していたのを、今でも思い出します。初めて、畳を作りながら、泣きました。

理由は色々ですが、その分、深く、そして熱い思い入れがあります。

今回、下陣は裏返し。内陣は表替えの運びとなりました。久々に触れ合えた、自分の子供達は

色々な表情をしていました。以前の自分と向き合いながらの仕事になります。

下陣については、家での製作となりましたが、内陣は、現地にての製作となります。

 

内陣には9尺(約2メーター70センチ)の畳が二枚あります。この畳床は四年前、自ら

収めさせて頂いているので、分かってはいましたが、最強に重たい稲ワラ畳床です。

この畳を、製作場所まで運ぶのに階段3階分、持ち歩きます。

普通に考えれば、二人で持つのが常識ですが、製作者は自分しかいないので、一人で

周りに、ぶつけないように、何度も休憩しながら運びます。腰が抜けるほどの重さです。

実際に腰は何度も抜けるのですが、何とか無事、製作出来ました。

 

(詳細画像ついております)

現地での製作なので、紋縁の合わせも、状態を見ながら製作できるので、楽しく頑張らせて

頂きました。以前の自分より、より畳に向き合えたか?

この本堂のお仕事をさせて頂く時、色々な思い出と、そして感謝の気持ちを忘れずに

まだまだ未熟者ですが、又この自分の子供達に、触れ合えたとき、

今より一層、成長した自分で、向き合いたいと誓います。

ありがとうございました。

P.S

 

(詳細画像ついております)

御本堂には【四天拝敷】を二枚収めさせて頂きました。この拝敷にも、沢山の

温もりを込めて製作させて頂きました。いつまでも、光り輝いていてくれると信じています。

ありがとうございました。


拝敷に思いをぶつけ、語り合う二人。

2008年10月05日 21時55分47秒 | 有職畳 祭り

「向上心を常に持つ事が大事ですね。」

彼はそう言って、金井畳店を後にしました。その通りだと思います。

本日、朝早く彼は、私を電話で起こしました。そんな彼は向上心に満ち溢れ、本日を戦ったと

思います。頑張りました。

  

彼の作品です。四天5×7。多い紋数の中で頑張りました。

本日、私は、お寺様のご注文である「四天拝敷」を製作しました。

私が製作しました。クリックすると大きくみえます。

奇遇にも私の、年齢が同じな、同じ釜の後輩が、同じく「四天拝敷」を承り、製作において

指導頂きたく、私と共に、一日、製作にあたりました。

偉そうな事は言えませんが、製作工程など、共に進み、気持ちを込め、「四天拝敷」

の製作を行いました。

彼は、初めての製作において、私が一番伝えたかった事。感じてくれました。

正直嬉しかったです。彼が初めて製作するその作品において、本日終了時に

「くやしい」といった言葉が全てを物語っていると思います。言われるがままに製作していても

その作品に気持ちが入っているからこそ、気付いた点に対して、悔しいと思う気持ちは

彼のこれからの、成長に対する、のびしろの多さを物語っている一言です。

私は、偉そうな事は言えませんが、そのような、特殊な仕事に携わる時に、その仕事に対して

感謝の気持ちを忘れずに、その仕事に素直に向き合ってからこそ、その畳が光輝くと

信じています。お疲れ様でした。

蓮田市の若旦那(三代目)。完成楽しみにしています。


楽しき日々の始まり。(金井畳店大祭り Prologue )

2008年08月05日 21時09分09秒 | 有職畳 祭り

雷鳴響く中、本日より3ヶ月弱に渡っての真剣勝負の始まり・・・

材料は集まりました。これより毎日、畳とより深く向き合う日々が続きます。

今回お仕事をさせて頂く中で、初めて、お客様の材料に対するお気持ちを聞き

より一層の努力を持って、お客様の畳に温もりを込める事を、お誓い致します。

10年前はまだ、ひよっ子でした。今でも自分の力は無力だと感じています。

しかし、気持ちの上で、遙かに成長していると確信しています。

今の自分に出来る、精一杯の努力で、お客様の畳に向き合いたいです。

頑張ります。


有職畳【繧繝へり厚畳と茵。(茵、しとね)】祭り。

2008年08月04日 20時16分28秒 | 有職畳 祭り

有職畳・・・誠にもって奥が深い世界です。有職仕事をさせて頂く時に、いつも思います。

そのつど出合った材料に、自分の感性と情熱をぶつけます。畳職人としてこの上無い

喜びに満ち溢れ、自分の無力さに憤慨する・・・。ただ一つ言える事は、「製作していて楽しい」

と言う気持ちを心より思います。このようなお仕事を与えてくださったお客様。

綺陽装飾研究所(綺陽会)様 (詳しくはこちらよりご紹介致します。) 

職人は、お客様と出会い、お客様によって育てられるともいいます。

感謝の気持ちで一杯です。誠に有難うございました。

 

 

この度、製作させて頂きました

繧繝べりによる厚畳」 

この繧繝縁(うんげんへり)とは、雛人形でおなじみのカラフルな模様の縁で天皇・上皇・皇后などが用いるものとされました。のちには皇族一般が用いるようになりました。また神仏像などでも用いられています。畳縁の中で位が一番高く、その気品ある趣きに、とても神々しい美しさを感じます。そんな畳縁を使い、通常の畳の厚みより、遙かに厚く製作し、重量感と高貴な趣きを演出致しました。

「 茵(しとね)

平安時代より使われた殿上人の敷物で現在では寺院などで使われています。茵は、歴史の中で綿入りの畳から、現在の布団と稲藁で造られた畳に分かれる原型であったことが窺(うかが)えます。

御神座まではいきませんが、奥が深い、とっても勉強になるお仕事でした。

いつか又、憤慨出来る時間を、夢見て、日々精進を重ねます。

宜しくお願い致します。ありがとうございました。


入り口に立つ自分。

2008年07月30日 21時50分11秒 | 有職畳 祭り

お疲れ様でした。本日も頑張って、色々な事、頑張りました。

後日、ゆっくりお伝え出来ればと思います。

「有職畳」・・・奥が深い・・・。入り口に立った自分。

険しい道のりに何度もくじけた。ゴールは見えない。

自分との戦い。楽しい時間。やるせない日々。戦いました。

楽しかったの一言。感謝の気持ちは忘れない。とにかく楽しかった。

入り口に立った自分。どう進むかは、自分次第。険しい道も、これらの日々に置き換えれば

楽しさに変わる。そんな日々でした。挫折の繰り返し。触り続けた生地。ただ一言。

「楽しかった。」

このような仕事にめぐり合い、又、日々、戦えたのも、お客様のおかげです。

勉強になりました。ありがとうございました。入り口に立った自分。これよりさらなる一歩を

踏み出すのは、自分次第。ゴールは見えず、いつしかそののゴールに近づける様、日々

歩んで生きたいです。

製作者 四代目 金井 功


繧繝縁との別れ、そして新たなる旅立ち。

2008年06月12日 21時12分33秒 | 有職畳 祭り

 

「技術に完璧などは存在しない」三代目が仕事を終え、ポツリとつぶやく。

確かに、全ての畳の仕事にたいして完璧と思うことも無いし、又思ってはいけないとも思う。

繧繝畳縁を使った、厚畳の畳台製作も本日無事に終了した。

終わってみれば、あっという間の時間でしたが、完璧と思える事は無い。

仕上がりには自信はあるが、あくなき向上心は尽きない。

丁寧に時間をかけて製作していく。しかしセンスや感覚を伴う、有職畳において

自分は、まだまだと痛感している。いつかまた、近い内に、挑戦しよう。

その時まで、しっかりと歩んでいこうと決意した。

 

P.S

この度は当社HPよりご注文、誠にありがとうございました。とても勉強にもなり又

自信にもつながりました。心より感謝申し上げます。これからもしっかりと精進して参ります。

宜しくお願い致します。

 

 


美しい繧繝縁(うんげんべり)、親子での競演。

2008年06月11日 20時46分29秒 | 有職畳 祭り

本日は、かねてより下準備を行っていた、繧繝縁(うんげんへり)を用いた厚畳の

置き畳を製作致しました。三代目、四代目での競演。

何週間前から、ずっと語らい、そしてイメージを膨らませて参りました。

材料の手配や下準備などに時間がかかり、少し遅くなってしまいましたが、その間

色々、イメージを膨らませる事が、出来ましたので、仕事は順を追って、丁寧に製作

させて頂いております。以前にもこのブログにてご紹介させて頂きましたが

この繧繝縁(うんげんへり)とは、雛人形でおなじみのカラフルな模様の縁で

天皇・上皇・皇后などが用いるものとされました。

のちには皇族一般が用いるようになりました。また神仏像などでも用いられています。

畳縁の中で位が一番高く、その気品ある趣きに、とても神々しい美しさを感じます。

そんな畳縁を使い、通常の畳の厚みより、遙かに厚く製作し、重量感と高貴な趣きを

演出致しました。

  

後日完成予定です。親子での競演。以外にお互い口数が少なく、お互いが

凄く、集中しています。同じものを一人で作れば、同じものが出来やすいですが、

父と競作し、心を通わせることによって、二人で一つの作品が出来上がるのだと

思っています。明日も通じ合えるか?MAX集中力したいですね。

  


パニック IN おかしら

2008年06月02日 19時12分44秒 | 有職畳 祭り

なお天気でした。週末はどんな天気か、気になる今日この頃ですが

本日もブログなひと時。

少しづつですが、前進している様にみえる、有職技術による、有職畳の製作工程において

改めて、奥の深さに痛感している所です。準を追って製作していますが、頭で考える事と

実際のイメージが、重なり合うまでに、もう少し時間が掛かりそうです。

緻密、かつ正確に、そしてしっかりとした段取りのもとに、製作は、一気に製作します。

畳職人として、めったに製作出来ない畳を、製作出来る、喜びと感謝の気持ちを感じながら

明日も頑張って行きたいです。

  


泉岳寺 様 (EPILOGUE)

2008年03月16日 14時17分17秒 | 有職畳 祭り

泉岳寺

泉岳寺(せんがくじ)は、東京都港区高輪二丁目にある曹洞宗寺院

江戸三箇寺の1つ。

慶長17年(1612年)に徳川家康が外桜田に門庵宗関を招いて創建。寛永18年(1641年寛永の大火で焼失したが、将軍家光の命で、毛利浅野朽木丹羽水谷今川の6大名により、現在の高輪の地で再建された。

浅野内匠頭赤穂浪士が葬られていることで有名であり、現在も多くの参拝客が訪れる。また、毎年12月13日12月14日には義士祭が催される。

現在の住職駒澤大学名誉教授小坂機融。様

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 参照

(泉岳寺御本堂)

(泉岳寺境内入り口)

       

       (大石内蔵助良雄様像)         (赤穂義士四十七士墓地)

忠臣蔵でご名声の泉岳寺様。

(株)金井畳店が一ヶ月に渡り、お仕事をさせて頂きました。

出会いは数年前から、時下に泉岳寺様からお話を頂、色々な場所の畳仕事を

させて頂いて来ました。今回は御本堂の有職技術による表替え仕事にて

施工させて頂きました。

 御本堂ビフォー。

 御本堂アフター。

 

使用材料は「畳表」 産地(熊本県)の方に特注で、織って頂きました。

無理なお願いにもかかわらず、丁寧に織り上げて頂き、その温もりや

表情を、損なわないよう、産地の生産者の愛情が、より美しくお客様に

ご提供出来る様、しっかり製作させて頂きました。本当に有難うございました。

「畳ヘリ」は京都の材用商からの仕入れでした。

 

製作者は四代目 金井 功です。全ての作業工程を行いました。

私は、この御本堂のような、有職技術を用いた、作業を行う場合

限りなく一人で製作するようにしています。

寸法の見方。紋へりの満ち欠け。部屋の湿度や空気。紋へりの感触流れ。

全体をとうして、一つのドラマと考えます。全ての意思は統一したほうが

良いと考えるからです。まだまだ未熟ものですが、畳と向き合う事に

畳に温もりを込めることに、今の自分を全て表現するよう努力しました。

泉岳寺様には、このような機会を与えて頂き、心より感謝申し上げます。

本当に有難うございました。

これからの畳の移り行く季節に対して、細やかに対応して行きたいと思います。

 

 

 

数々の温もりを込めた畳達。又いつかお会いしましょう。

EPILOGUEは新たなPROLOGUEの始まりに・・・~FIN~

P.S 後日詳しく 金井畳店HP 有職畳のページにUP予定。

注) 全ての写真は泉岳寺様の了解を得ての掲載にあたります。


丸い紋畳縁祭り。

2008年03月14日 21時58分57秒 | 有職畳 祭り

凄いですね

しかしこの雨にあやかったお話。

私がこの一ヶ月、仕事にあたらせて頂いているのは、お寺のお仕事。

このお寺のお仕事には、一般のご家庭であまり使われない(床の間を除く)

畳ヘリを使っています。

 

このような畳ヘリを「紋へり」といいます。素材は各種色々ですが

今回使用した畳ヘリは「綿素材」のものでした。

この畳ヘリは上記写真を見ても分かるように、丸い紋の模様です。

これを、畳の端(すみっこ・角)に一紋一紋綺麗に出さなくてはいけません。

ヘリの大きさに畳が合っている訳でもなく、逆で畳の寸法に紋へりを

合わす作業がしつようとなります。

そんな中、私は最後の四天拝敷を製作するべく、ヘリのだんどりから行った。

本来、拝敷等には、若干の寸法の余裕がみられ、紋ヘリの寸法に

ある程度あわす事が可能とみていますが、今回の一枚は違う。

寸法の違いが許されない処に敷く拝敷なので、ヘリの段取りからの

勝負となりました。

  

又、御住職がお座りになる椅子の中に納める畳を作成。

厚み60ミリでオールボード畳床を使用。

一紋回しでの畳台になった。堅さを少しでも和らげる為

畳床にクショッン材を縫い付けています。

長きにわたりブログにて、初めて見たお客様や色々な人たちに

分かり図らいブログになってしまい、恐縮です。

めったに無いお仕事なので、興奮して書いたブログも多々ありました。

このお仕事をとうして、畳の又違った一面をご紹介出来ていたなら

これにこしたことはありません。このお仕事も後二日。

EPILOGUE はすぐそこに。


紋縁に一言申す。

2008年03月06日 23時14分47秒 | 有職畳 祭り

今宵もブログなひと時。

私がこれから製作にあたるのが「四天付拝敷」(してんはいしき)

という、有職技術を用いた、お坊さんがお経を唱えるときに座る敷物であります。

詳しい説明は今度「金井畳店HP」  「有職畳のページ」 へUP予定です。

 3紋回し。四天は4*2紋

 2紋回し。四天は5*3紋

写真の下の拝敷が、一般的な、いわゆる七・五・三紋ですが

写真でも分かる様に上下写真とも座布団の幅に合わせている為

紋回しが異なります。

紋ヘリよ。「違うなら、合わせて見せよう、この腕で。」

紋へりよ。「縮むなら、合うまでまとう、しょうがない。」

紋へりよ。「合わぬなら、やり直そう、最初から。」

ちょっと意味不明ですいません。明日には完成予定


EPILOGUE(エピローグ)近し。

2008年03月05日 23時13分15秒 | 有職畳 祭り

 第三クール終了。

今宵もブログひと時。このお仕事も後少しになって来た。

若干寂しさも感じるが、残りの全ての畳に全力を込めて温もりを込めたい。

 (読みづらいが指示書を製作。)

本堂の畳も後ワンクール残っているが、拝敷き等の製作もあり

腕の見せ所である。

 

早速、簡単なものから製作にあたった。二重(ゴザ互い違い二枚)の

半畳サイズの拝敷製作完了。

頑張ります。


57紋の調。

2008年03月04日 23時03分26秒 | 有職畳 祭り

本日も畳に向き合い楽しい時間も過ぎた。

 この機械は「サンダー君」

私が修行を終え、三代目にプレゼントされたものです。(新品ではなくお古です)

この機械は畳業界に衝撃を与えたと言っても過言では無い機械です。

私が子供の頃から活躍する大先輩です。

モーターなどをいじりカスタマイズしているのが特徴です。

私はこの機械を溺愛しています。そんな「サンダー君」の活躍が光る一日でした。

 

57紋に挑む「サンダー君」

レールが足らないのはレールを途中で送る離れ業。

 

一紋一紋合わせながら57紋の調。

 この畳×3枚。 美しい調でした。