
空を飛べない鳥の代表・ペンギンを飛ばせたのが旭山動物園のペンギン館。今は、孫達でも知っています。
ペンギンは、ペンギン目(もく)、ペンギン科に属する鳥類を総称した名前であり、南半球に生息しているのがキングペンギン(写真)。
『旭山動物園物語~ペンギンが空をとぶ~』の封切が待ち遠しく、初日に観ました。
この映画は、旭山動物園の生い立ち物語ですから、園長、副園長、飼育係員は、動物たちと共有する「いのち」を軸にして対等に渡り合い、旭山の動物が実際に行動したエピソードと絡み合いながら、彼らが今日に至るまでに乗り越えてきた天国と地獄の体験を通して物語は進展していきます。
小菅正夫園長は、映画撮影に協力した動物園の飼育係と撮影スタッフとのエピソードをインタビュアーに語っています。
旭山の飼育員が体験した動物の行動を、
「うちでは、そんなこと見たことがない」
との説明が、映画の撮影スタッフになされていたのです(映画パンフレット)。
しかし、撮影隊は粘りに粘って「見たこともない」行動を見事に捉えています。
感動を呼ぶそれらのシーンは、映画を観ての楽しみにしておきます。
なによりも、この映画に登場するホッキョクグマ、アザラシ、ペンギン、オランウータンたちは、夫々が主役を張っています。生き生きと自然に振舞う動物たちを丹念に撮った映像の迫力に圧倒されっぱなしの112分。旭山で働く人の感情を動物たちの表情にダブらせた編集に涙腺が緩みます。動物園に暮らす野生動物と人間との熱い真摯な関わりが、この映画には詰め込まれています。
ところで、ペンギンを観ていると、北極や南極、雪や氷の世界を連想しますね。
でも、18種類に分類されているペンギンの内、旭川の冬を屋外で越せるのは6種類ほどしかいない(坂東元:旭山動物園へようこそ!)。
なぜか。
旭川市は、北海道中央部にある上川盆地の中心に位置しているので、気候は内陸性です。
夏は摂氏30度を越える日があり、冬は氷点下25度を下回る日があって、温度差が50度以上もあるし、真冬になると、寒波と大雪に見舞われる日もある気象条件の厳しい地方だからです。
他方、純粋な南極種とされるペンギンは2種、亜南極が5種、残りの種は、温帯、亜熱帯から熱帯に分布しています。ペンギンの中には、旭川地方の気象条件に適応することが困難な種類がいるのです。
ですが、日本の最北端にある旭山動物園でフンボルトペンギンを飼育していた時期があったのです。赤道に近い南米で生息しているこのペンギンは、冬期施設で飼育されていましたが、完全に治癒する見込みのないアスペルギロシス病を引き起こすカビ(アスペルギルス・フミガートゥス)が施設内に発生し、ペンギンの死があとを絶たず飼育を断念した経緯があります。
そんな背景を持つ旭山動物園には、ぺんぎん館、ほっきょくぐま館、あざらし館が行動展示館として連続的に建てられました。それらは、旭川市から一番遠い所に棲む動物の順に作られています。小菅園長が抱き続けている夢の施設、旭川に一番近い「石狩川水系淡水生態館」を定年前に完成させるためでもあったから・・・(小菅正夫著:旭山動物園革命―夢を実現した復活プロジエクト)。
ペンギン館建設にまつわる、こんな話があります。
「キングペンギンは潜らない」
とする定説がまかり通っていたのです(旭山動物園のつくり方)。
ペンギンは、海のハンターとか、潜水を専門に進化した鳥とも言われ、その生涯の3分の2ほどは海で過ごしているのですが、ペンギンに関する世間の知識は、陸上での暮らしぶりのそれしかないようです(ペンギンになった不思議な鳥)。
キングペンギンの主食は、南極海に豊富に生息しているヤリイカ(頭足類)、ハダカイワシの仲間(魚類)、動物性プランクトンであるオキアミの仲間(甲殻類)ですから、その定説は、ペンギンの餌を何にしているのでしょうか?
まさか、ペンギンが餌を求めて内陸から海に集団移動する行動を、陸上で餌を捕っている行動としてはいないでしょうが、あなたは、この定説を信じられますか?
19世紀の話ではありませんよ。ペンギン館が完成したのは、平成12(2000)年のことです。
冬季開園を視野に入れたぺんぎん館の主役は、キングペンギン、ジエンツーペンギンに決まり、フンボルトペンギンを夏場の主役に抜擢して、平成12年にぺんぎん館はオープンします。イワトビペンギンも主役に負けずに泳いでいるはずです。
青空を背にして泳ぐペンギン、プールの水面が氷結した下で泳ぐペンギンを水中トンネルから見上げ、「もぐもぐタイム」で魚を捕らえるペンギンの行動を目の当たりにするとイメージが変わります。海での暮らしぶりを想像する手助けにもなります。
映画では、ペンギン館を構成している水槽の俯瞰が観られます。
半年に1回掃除を行うペンギン館のプールの中には、掃除が終わって綺麗になったトンネルが屋外から撮影されています。ペンギンを見上げていた水中トンネルは、予想に反してこじんまりしていたので、印象に残りました。
第三者の立場からは、行動展示を目的としたペンギン館の良さを結果論として指摘できますが、飛べないペンギンを空に飛ばすための関係者の苦節の跡には、「プロジェクトX」に匹敵するものがあります。
先ごろ、BShiの北海道特集では、ニセコスキー場(ニセコ町)、丹頂の里(阿寒町)、旭山動物園(旭川市)を外国人の視点から捉えて紹介しました。
旭山動物園を紹介する「ペンギンの散歩」ライブでは、アナウンサーが
「今日、散歩に出るのは何頭ですか」
と、小菅正夫園長にマイクを向けます。
「柵から出たいペンギンが出てくるので、毎回違う」
園長の答えには、旭山動物園の基本姿勢が込められています。
ペンギンが餌を求めて内陸から海に集団移動する習性を活かし、泳ぐ時間が短い冬季間は、運動不足で太りすぎになるのを予防するために始めたのが、ペンギンの散歩。
初めのころは、入園者が帰ってからキングペンギンを外に出していたのですが、歩くことが大好きな性分から、それ以降も散歩をしたがるので、入園者が少人数の時に出したのです。その時のキングペンギンは、入園者を全く気にせず堂々と歩くし、入園者はマナーを守って喜んでいた。
そうこうする内に、開園時間になるとキングペンギンが、散歩に出られる扉の前に集まるようになり、扉を開けると入園者が通る道を歩き始めた。これが、ペンギン散歩の始まりになっています(小菅正夫著:同上)。だから、散歩したいペンギンだけが柵から出てくる訳です。
ペンギンのパレード、ショーではなく、「ペンギンの散歩」に拘った理由なのです。
スコットランド国立動物園では、「ペンギンのパレード」として散歩をさせています(ペンギンになった不思議な鳥)。
さて、右足で頭の羽繕いをするキングペンギン(写真中央)。
こんなに近いところから、自分の目線でペンギンの足裏を観察するチャンスは滅多にありません。このキングペンギンは、周りの視線は完全に無視して、かなりの時間、ひたすら頭の羽繕いを続けていたのです。信頼してくれて有難う、キングペンギンですね。
野生のペンギンが羽繕いをする時と場所は、素人の元気印には分かりませんが、動物園で飼育されているペンギンのそれは、食後にも行われています。
フンボルトペンギンが1回に食べる量は決まっており、決して過食はしない、との話を他の動物園の飼育係員から教わりました。この時、定量とされる小アジを食べ終わった9羽のフンボルトペンギンたちは、一斉に水から陸に上がり、嘴を使った羽繕いを始めたのです。
しかし、池の中に設けられた人工島には上がらず、水面に浮いたまま羽繕いをするフンボルトペンギンが1羽いたのです。頭の羽繕いは足ではなくフリッパー(退化した鳥の翼)の付け根に頭をこすり付けていたのです。この方が、キングペンギンより楽に頭の羽繕いが出来ますし、ペンギン本来のやり方のようですから、旭山のキングペンギンは、入園者へサービスをしていたのかも知れません。
左後に立っているキングペンギンは、フリッパーの上縁を頭にこすりつけながら
「お前は、何をしているんだ」
と言わんばかりですね。
というのも、鳥類の羽毛は、羽繕いと水浴びで絶えず手入れされています。
野生のペンギンは、尾の付け根にある尾脂腺(びしせん)から分泌される脂を嘴に移して全身の羽毛に防水処理を施して、体表に冷たい海水がしみこんで体温が奪われないようにしています。これを怠ると凍死してしまうからです。
頭の羽毛の防水処理は嘴では出来ないので、フリッパーの前縁に嘴で脂を塗り、その部分で頭部をこすりつけて行います(青柳昌宏著:ペンギンたちの不思議な生活)。
サービス精神旺盛なキングペンギンに苦言を呈しているように見えるのは、そのためでした。
ペンギンは海鳥だから、プールに張る水は海水ですよね、
ペンギンは水中で呼吸をしないから水道水です。これは、意外な発見でした。
ペンギンを飼育するプールには、よくろ過された冷たい水が大量に必要であり、塩水である必要はない。その広さはペンギンが充分運動できるように深くゆったりしたものとする。これは、屋内外を問わずに共通する、と提言されています(ペンギンになった不思議な鳥)。
旭山動物園のぺんぎん館は、理にかなった行動展示施設であることを、再認識させられます。
ペンギンは、海中で餌を捕っていますし、それと共に海水が体内に入ります。
体内に取り込まれた塩分は、血液の濃度を高めて生理作用を乱す。これは、人の場合も同様ですね。血液中の塩分を処理する人の腎臓機能を有する塩類腺(えんるいせん)がペンギンにあります。そこで、体内に溜まって濃くなった塩類溶液を絶えずろ過します。塩類腺からの排出は、頭を振って塩分の多い水滴を鼻腔からまきちらして行います(同上)。
ペンギンは謎の多い海鳥ですね。
サービス精神旺盛な旭山のキングペンギンに乗せられてしまい、ペンギンとの付き合いがしばらく続きそうです。
ペンギンは、ペンギン目(もく)、ペンギン科に属する鳥類を総称した名前であり、南半球に生息しているのがキングペンギン(写真)。
『旭山動物園物語~ペンギンが空をとぶ~』の封切が待ち遠しく、初日に観ました。
この映画は、旭山動物園の生い立ち物語ですから、園長、副園長、飼育係員は、動物たちと共有する「いのち」を軸にして対等に渡り合い、旭山の動物が実際に行動したエピソードと絡み合いながら、彼らが今日に至るまでに乗り越えてきた天国と地獄の体験を通して物語は進展していきます。
小菅正夫園長は、映画撮影に協力した動物園の飼育係と撮影スタッフとのエピソードをインタビュアーに語っています。
旭山の飼育員が体験した動物の行動を、
「うちでは、そんなこと見たことがない」
との説明が、映画の撮影スタッフになされていたのです(映画パンフレット)。
しかし、撮影隊は粘りに粘って「見たこともない」行動を見事に捉えています。
感動を呼ぶそれらのシーンは、映画を観ての楽しみにしておきます。
なによりも、この映画に登場するホッキョクグマ、アザラシ、ペンギン、オランウータンたちは、夫々が主役を張っています。生き生きと自然に振舞う動物たちを丹念に撮った映像の迫力に圧倒されっぱなしの112分。旭山で働く人の感情を動物たちの表情にダブらせた編集に涙腺が緩みます。動物園に暮らす野生動物と人間との熱い真摯な関わりが、この映画には詰め込まれています。
ところで、ペンギンを観ていると、北極や南極、雪や氷の世界を連想しますね。
でも、18種類に分類されているペンギンの内、旭川の冬を屋外で越せるのは6種類ほどしかいない(坂東元:旭山動物園へようこそ!)。
なぜか。
旭川市は、北海道中央部にある上川盆地の中心に位置しているので、気候は内陸性です。
夏は摂氏30度を越える日があり、冬は氷点下25度を下回る日があって、温度差が50度以上もあるし、真冬になると、寒波と大雪に見舞われる日もある気象条件の厳しい地方だからです。
他方、純粋な南極種とされるペンギンは2種、亜南極が5種、残りの種は、温帯、亜熱帯から熱帯に分布しています。ペンギンの中には、旭川地方の気象条件に適応することが困難な種類がいるのです。
ですが、日本の最北端にある旭山動物園でフンボルトペンギンを飼育していた時期があったのです。赤道に近い南米で生息しているこのペンギンは、冬期施設で飼育されていましたが、完全に治癒する見込みのないアスペルギロシス病を引き起こすカビ(アスペルギルス・フミガートゥス)が施設内に発生し、ペンギンの死があとを絶たず飼育を断念した経緯があります。
そんな背景を持つ旭山動物園には、ぺんぎん館、ほっきょくぐま館、あざらし館が行動展示館として連続的に建てられました。それらは、旭川市から一番遠い所に棲む動物の順に作られています。小菅園長が抱き続けている夢の施設、旭川に一番近い「石狩川水系淡水生態館」を定年前に完成させるためでもあったから・・・(小菅正夫著:旭山動物園革命―夢を実現した復活プロジエクト)。
ペンギン館建設にまつわる、こんな話があります。
「キングペンギンは潜らない」
とする定説がまかり通っていたのです(旭山動物園のつくり方)。
ペンギンは、海のハンターとか、潜水を専門に進化した鳥とも言われ、その生涯の3分の2ほどは海で過ごしているのですが、ペンギンに関する世間の知識は、陸上での暮らしぶりのそれしかないようです(ペンギンになった不思議な鳥)。
キングペンギンの主食は、南極海に豊富に生息しているヤリイカ(頭足類)、ハダカイワシの仲間(魚類)、動物性プランクトンであるオキアミの仲間(甲殻類)ですから、その定説は、ペンギンの餌を何にしているのでしょうか?
まさか、ペンギンが餌を求めて内陸から海に集団移動する行動を、陸上で餌を捕っている行動としてはいないでしょうが、あなたは、この定説を信じられますか?
19世紀の話ではありませんよ。ペンギン館が完成したのは、平成12(2000)年のことです。
冬季開園を視野に入れたぺんぎん館の主役は、キングペンギン、ジエンツーペンギンに決まり、フンボルトペンギンを夏場の主役に抜擢して、平成12年にぺんぎん館はオープンします。イワトビペンギンも主役に負けずに泳いでいるはずです。
青空を背にして泳ぐペンギン、プールの水面が氷結した下で泳ぐペンギンを水中トンネルから見上げ、「もぐもぐタイム」で魚を捕らえるペンギンの行動を目の当たりにするとイメージが変わります。海での暮らしぶりを想像する手助けにもなります。
映画では、ペンギン館を構成している水槽の俯瞰が観られます。
半年に1回掃除を行うペンギン館のプールの中には、掃除が終わって綺麗になったトンネルが屋外から撮影されています。ペンギンを見上げていた水中トンネルは、予想に反してこじんまりしていたので、印象に残りました。
第三者の立場からは、行動展示を目的としたペンギン館の良さを結果論として指摘できますが、飛べないペンギンを空に飛ばすための関係者の苦節の跡には、「プロジェクトX」に匹敵するものがあります。
先ごろ、BShiの北海道特集では、ニセコスキー場(ニセコ町)、丹頂の里(阿寒町)、旭山動物園(旭川市)を外国人の視点から捉えて紹介しました。
旭山動物園を紹介する「ペンギンの散歩」ライブでは、アナウンサーが
「今日、散歩に出るのは何頭ですか」
と、小菅正夫園長にマイクを向けます。
「柵から出たいペンギンが出てくるので、毎回違う」
園長の答えには、旭山動物園の基本姿勢が込められています。
ペンギンが餌を求めて内陸から海に集団移動する習性を活かし、泳ぐ時間が短い冬季間は、運動不足で太りすぎになるのを予防するために始めたのが、ペンギンの散歩。
初めのころは、入園者が帰ってからキングペンギンを外に出していたのですが、歩くことが大好きな性分から、それ以降も散歩をしたがるので、入園者が少人数の時に出したのです。その時のキングペンギンは、入園者を全く気にせず堂々と歩くし、入園者はマナーを守って喜んでいた。
そうこうする内に、開園時間になるとキングペンギンが、散歩に出られる扉の前に集まるようになり、扉を開けると入園者が通る道を歩き始めた。これが、ペンギン散歩の始まりになっています(小菅正夫著:同上)。だから、散歩したいペンギンだけが柵から出てくる訳です。
ペンギンのパレード、ショーではなく、「ペンギンの散歩」に拘った理由なのです。
スコットランド国立動物園では、「ペンギンのパレード」として散歩をさせています(ペンギンになった不思議な鳥)。
さて、右足で頭の羽繕いをするキングペンギン(写真中央)。
こんなに近いところから、自分の目線でペンギンの足裏を観察するチャンスは滅多にありません。このキングペンギンは、周りの視線は完全に無視して、かなりの時間、ひたすら頭の羽繕いを続けていたのです。信頼してくれて有難う、キングペンギンですね。
野生のペンギンが羽繕いをする時と場所は、素人の元気印には分かりませんが、動物園で飼育されているペンギンのそれは、食後にも行われています。
フンボルトペンギンが1回に食べる量は決まっており、決して過食はしない、との話を他の動物園の飼育係員から教わりました。この時、定量とされる小アジを食べ終わった9羽のフンボルトペンギンたちは、一斉に水から陸に上がり、嘴を使った羽繕いを始めたのです。
しかし、池の中に設けられた人工島には上がらず、水面に浮いたまま羽繕いをするフンボルトペンギンが1羽いたのです。頭の羽繕いは足ではなくフリッパー(退化した鳥の翼)の付け根に頭をこすり付けていたのです。この方が、キングペンギンより楽に頭の羽繕いが出来ますし、ペンギン本来のやり方のようですから、旭山のキングペンギンは、入園者へサービスをしていたのかも知れません。
左後に立っているキングペンギンは、フリッパーの上縁を頭にこすりつけながら
「お前は、何をしているんだ」
と言わんばかりですね。
というのも、鳥類の羽毛は、羽繕いと水浴びで絶えず手入れされています。
野生のペンギンは、尾の付け根にある尾脂腺(びしせん)から分泌される脂を嘴に移して全身の羽毛に防水処理を施して、体表に冷たい海水がしみこんで体温が奪われないようにしています。これを怠ると凍死してしまうからです。
頭の羽毛の防水処理は嘴では出来ないので、フリッパーの前縁に嘴で脂を塗り、その部分で頭部をこすりつけて行います(青柳昌宏著:ペンギンたちの不思議な生活)。
サービス精神旺盛なキングペンギンに苦言を呈しているように見えるのは、そのためでした。
ペンギンは海鳥だから、プールに張る水は海水ですよね、
ペンギンは水中で呼吸をしないから水道水です。これは、意外な発見でした。
ペンギンを飼育するプールには、よくろ過された冷たい水が大量に必要であり、塩水である必要はない。その広さはペンギンが充分運動できるように深くゆったりしたものとする。これは、屋内外を問わずに共通する、と提言されています(ペンギンになった不思議な鳥)。
旭山動物園のぺんぎん館は、理にかなった行動展示施設であることを、再認識させられます。
ペンギンは、海中で餌を捕っていますし、それと共に海水が体内に入ります。
体内に取り込まれた塩分は、血液の濃度を高めて生理作用を乱す。これは、人の場合も同様ですね。血液中の塩分を処理する人の腎臓機能を有する塩類腺(えんるいせん)がペンギンにあります。そこで、体内に溜まって濃くなった塩類溶液を絶えずろ過します。塩類腺からの排出は、頭を振って塩分の多い水滴を鼻腔からまきちらして行います(同上)。
ペンギンは謎の多い海鳥ですね。
サービス精神旺盛な旭山のキングペンギンに乗せられてしまい、ペンギンとの付き合いがしばらく続きそうです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます