いきけんこう!

生き健康、意気兼行、粋健康、意気軒昂
などを当て字にしたいボケ封じ観音様と
元気印シニアとの対話。

千葉市動物公園・番外編 その3:プレーリードッグ繁殖大作戦と飼育動物の種の保護

2009-04-12 00:37:41 | 散策
平成18(2006)年春に千葉市動物公園で飼育されていたプレーリードッグは、以前からいたペアと来園したばかりの若いペアの4頭でした。そこで、オスとメスの繁殖能力を確かめるために、ふた組のオスとメスを交換したのです。
以前からいたオスと来園した若いメスのカップリングが1昨年成功し、昨年1月と5月にカップリングの成果を得て9頭の仔となりました。その内3頭は他園に移転しましたので、現在飼育されている8頭は、6頭の仔と両親の2頭です(東京新聞:平成20年9月23日)。

さて、千葉市動物公園は、ワタボウシパンシエの血統登録管理を行っています。
日本で飼育されているワタボウシパンシエは、飼育している園・館が繁殖した個体に対して独自の通し番号をつけたローカルIDで管理し、生後1年を経過した頃に、該当する個体に15桁の番号をつけたマイクロチップを埋め込み個体番号として管理します。最後に、個体番号とは別の国内登録番号を付与します。

日本でワタボウシパンシエを飼育している園・館は23あり、産まれの早い順に番号をつけて管理しています。
それには、親の番号、出生した園・館、現在の園・館などの情報を掲載した血統登録台帳を作成して、それを毎年更新することになっています。
この更新を担当している千葉市動物公園は、ワタボウシパンシエの近親交配を避けて、種としての遺伝的多様性を維持するための個体調整も兼務しています(どうぶつこうえんニュース・No.71)。

日本の動物園で飼育されている動物の血統登録台帳を管理する園・館を決めて、近親交配から来る遺伝障害を防止して繁殖させて、夫々の種が絶滅することを回避しています。このような考えを基本にした動物の血統台帳は、繁殖計画のための基礎資料として位置付けされて世界の動物園に普及しています。

動物は配偶者の候補として兄弟姉妹を避ける(特に、一緒に育ったために、お互いの関係が明らかな兄弟姉妹は強く回避される)のだが、同時に全く血縁関係の無い個体も避けようとする。要するに、動物は近親交配と異系交配による悪影響を避ける能力を持っている(動物たちの箱船)。

千葉市動物公園が担っているワタボウシパンシエの血統管理は、動物が本来持っている近親交配と異系交配による悪影響を避ける能力を活かしたペアリングを行うのが目的です。

先に書いた東京新聞の記事にはプレーリードッグ(写真)の持っている能力に触れていませんし、飼育を担当された方とはコンタクトしていませんが、おそらく、プレーリードッグのペアリングに成果を得られたのは、彼らが持っていた能力が発揮された結果であろうと推察しています。




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