いきけんこう!

生き健康、意気兼行、粋健康、意気軒昂
などを当て字にしたいボケ封じ観音様と
元気印シニアとの対話。

続・旧古河庭園のバラ お互いに忘れようデザート・ピース

2008-11-11 00:44:59 | 散策
旧古河庭園を訪れた時、一番先に声をかけてくれたバラがあります。

 デザート・ピース
 Desert Peace 1992
 フランス:メイアン HT
 開花につれて花の中心がクリーム色に変化する

『デザート・ピースのピースは、ご存知でしたか』

ボケ封じ観音さまは、早々とバラ問答を仕掛けてきます。
『・・・』
『でしょうね。それが普通です。フランシス・メイアンが作った新しいバラの品種「ピース」です。
彼の父アントワーヌ・メイアンは、パパ・メイアンの愛称を持ち、大正12(1923)年、リヨン郊外(フランス・リヨン市)にバラ園芸場を設立しています。
フランシスは、昭和22(1947)年、ユニバーサル・ローズ・セレクション社を設立し、バラの販路を世界に広げた育種家ですが、昭和46(1971)年、46歳の若さで早世したのは残念です。
元気印より1世代前の人ですね。その彼が作出したピースは、HT系バラの名花と称されています。ここに植栽されていますよ』

『今回は、さわやか散策の下見だったので、今月29日の本番でバラ探索をします』

『フランシスの息子アラン・メイアンは、黒紅色をした巨大輪の「パパ・メイアン」を作り出しています。昭和38(1963)年でしたね。
孫が新しく作出したバラの名前に祖父の名を冠して、家族の絆を後世に残しています。
孫は、家族を大事にするバラの申し子だったのです

『黄色いバラは少ないですよ、観音さま』

『マスケラード、バニラ・パフュームやイタリアの女優名をつけたジーナ・ロロブリジータなどがあります。
四季咲きをする黄色の大輪「ソレイユ・コドール」が、フランスで作られたのは明治38(1900)年。
それ以降、ヨーロッパでは、バラの色異変幅が拡大したのです。
他方、日本の黄色バラ栽培は17世紀(徳川家康~綱吉時代)に、既に行われていました。
日本の園芸技術はヨーロッパの水準を凌いでいたのです

『平和のバラpeaceにdesertとは、意味深ですね』

『desertには、砂漠、砂漠の(ような)、不毛の、(家族など)を見捨てる、(信念、勇気などが・・・から)なくなる、などの意味があります。
不毛の平和、平和を見捨てるのではなく、本当の平和を希求して命名した、と私は忖度しています』

『世界の平和が恒久に続くように願って・・・』

『ピースはその通りです。パリが陥落する直前、昭和15(1940)年11月、フランスからアメリカへ向かう最後の飛行便に搭乗していたフランシス・メイアンは、前年に作出した黄色いバラの穂木を積み込んでいたのです。
それが、バラ試作栽培所のスター・ローズで栽培・増殖され発売しようとした時に、終戦を迎えたのです。
急遽、花名をPEACEに変更して売り出したことを思い起こしました。
サンフランシスコ講和会議の際、対日平和条約・日米安全講和条約調印式の会場に飾られていた花は、ピースだったことも。昭和26(1951)年9月8日のことです』

『元気印が小学校5年生の時です。フランシス・メイアンは、新しく作ったバラに平和の願いを込めたPEACEに花名を変更して売り出したんだ』

『ドイツ軍が連合軍に無条件降伏したのは、昭和20(1945)年5月7日です。
しかし、デザート・ピースが作出されたのは、平成4(1992)年です。
前の年1月、アメリカを中心とした多国籍軍がイラクの空爆を開始し、クエート市内に多国籍軍が入っています。
7月になると、南アフリカではアパルトヘイト体制が終結し、ゴルバチョフ大統領はキューバ駐留のソ連軍撤兵を8月に表明し、大統領を辞任した年末にソ連邦は消滅したのです。
そんな、激動する国際情勢を反映したデザート・ピースには、世界に恒久平和が訪れるように願うフランシスの気持ちが込められています』

『観音さまは、ユーモアに富む名前だと主張したいのでしょう』

『制服の色が違うだけで、今日も、世界の何処かで戦闘が行われています

濃い黄色の花弁の縁を赤く染めているデザート・ピース。
開花が進み咲ききると次第に薄くなる花弁の色は、鮮やかな黄色をしています。
不毛のままで世界平和が終わらないことを願っているのでしょうか。

『お互いに忘れよう、薄れゆく愛、愛の減退などと比喩される私の花言葉は、真っ赤な嘘である、と理解してもらう努力を惜しんではいけないのです。
いわれなき偏見と戦い続け、君のすべてが可憐と認められるまでは、負けられません。
フランシス・メイアンの志を後世に伝えるのは、私の責務なのです』

ボケ封じ観音さまは、フランシス・メイアンの志を無言で守り抜いているデザート・ピースの情熱を、熱く燃えあがる心で訴えてきます。
観音さまのアピールを推察してデザート・ピースに対面すると、毎日の生活に「活」が入ります。




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