いきけんこう!

生き健康、意気兼行、粋健康、意気軒昂
などを当て字にしたいボケ封じ観音様と
元気印シニアとの対話。

千葉市動物公園 号外:悔しい!!里帰りしたモモコがお目出度なんて!?

2009-05-03 09:59:08 | 散策
上野動物園産まれのモモコとモモタロウが里帰りして5カ月も経たないのに、モモコにお目出度ですよ。モモコが里帰りすると言うから、俺・ケンタ(写真:5月1日撮影)はローラとのペアで、はるばる千葉へ来たのによ・・・。

さて、今年の干支は丑年です。
他方、世界的には、ゴリラの保全キャンペーンを行う「国連ゴリラ年」です。
世界の野生動物保全関係者が、絶滅の危機に瀕しているゴリラについて、国際的に様々な保全キャンペーンを行います。
日本では上野動物園(東京都台東区)と東山動物園(名古屋市)が、国連ゴリラ年にちなんだキャンペーンを行っています。

ところで、平成19(2007)年12月31日現在、日本におけるニシローランドゴリラの飼育頭数は29頭(オス15、メス14)です。
上野動物園7頭、東山動物園、千葉市動物公園で各4頭、京都市動物園3頭、各2頭が神戸市立王子動物園、日本モンキーセンター、浜松市動物園、日立市かみね動物園、福岡市動物園の5ヶ所、仙台八木山動物公園の1頭を、これら10ヶ所の動物園で飼育しています。
しかし、平成21(2009)年4月になると飼育頭数は26頭に減少しています。ニシローランドゴリラは、この3年間で3頭も死んでいます。

ちなみに、日本で最初にニシローランドゴリラの繁殖に成功した動物園は、京都市動物園です。
昭和35(1960)年10月18日に来園したジミーとベベのペアは、日本で飼育された最初の個体です。それから10年後の10月、日本で最初の繁殖となるマックを産みます。そして、マックとヒロミのペアから京太郎と元気(メス)が産まれ、親子3世代に亘る繁殖に成功している、日本で2番目に古い伝統ある動物園です。

他方、東山動物園にいる52歳のオキ(オス)は、昭和31(1956)年12月22日にコロンバス動物園(アメリカ)で産まれたコロ(メス)と共に世界最長寿を競っています。平成15(2003)年2月27日に東山動物園で産まれたアイ(メス)は6歳ですが、日本では最年少の個体です。

さて、基本的にゴリラの群れは、からだの大きいオス、つまり「シルヴァーバック」が統率しており、このシルヴァーバックは群れの近くに他の群れの個体が近づくことを許さない。ゴリラと人間が直接スキンシップをはかれるような施設造りを目指したアーペンヒュール動物園の創始者は、ゴリラに独立した大きな島をひとつ与えたが、ゴリラの個体数が増え、群れを分割した。しかし、ゴリラの群れを二つに分割しても、なおかつそこに争いが起きないように工夫せねばならなくなったアーペンヒュール動物園では、応用心理学を動物の世界に活かして解決した(動物たちの箱船)。

そのようなゴリラの飼育と繁殖にまつわる背景から、千葉市動物公園には、ゴロ、モンタ、モモタロウ、モモコの4頭が飼育されています。
昨年12月2日、モモコは息子のモモタロウと一緒に上野へ移動し、その代りにケンタとローラが千葉へ来たのです。そのモモコがハオコとのペアリングに成功してお目出度ですから、ケンタが上野に残って、ハオコが千葉へ来ていたら・・・。

モモコの妊娠は6年振りの快挙なのです。関係者の喜びもそれだけ大きいと報道されています。
それはそれとして、腕を組み、脚を曲げて石段に横たわっているケンタの心境を忖度すると、台風の勢いに乗った荒波に翻弄されている漁船のようです。そのせいでしょうか、今日のケンタは小さく見えます。

千葉へ来る前のケンタは、九州、神戸、京都と渡り歩き、平成16(2004)年5月24日東京へ、昨年12月8日に千葉へ移ってきました。
平成18(2006)年12月5日には、ナナが「愛媛県立とべ動物園」(愛媛県砥部町)から期間限定のレンタル花嫁として上野に来園し、その相手はケンタが有望視されていたのです。
ケンタは昭和52(1977)年産まれで、今年32歳になります。ナナは昭和57(1982)年4月4日産まれですから、ケンタの5歳下です。ケンタとナナの仔供が産まれた場合、第1仔はどべ動物園、第2仔は上野動物園が引き取る約束でしたが、「捕らぬ狸の胸算用」状態が続きます。
しかも、ナナが来園する当時から、近々オーストラリアから来るオスとのペアリングが予測されていましたから、既に、ケンタには恋敵がいたのです。

ナナ争奪戦は、平成19(2007)年6月27日に戦端を開きます。
タロンガ動物園(オーストラリア)からブリーデイング・ローン(繁殖を目的とした動物の賃貸契約)でハオコがやって来たのです。しかも、上野にいたメス・ナナとトトと一緒に運動場へ出るようになりましたから、ケンタが小耳に挟んでいた噂は現実話になります。

この頃になると、地球上で絶滅の危機に瀕している多くの野生動物を飼育下で繁殖させ、動物園での展示動物を確保するとともに、野生へも返していこうとするズーストック計画が国際的に進められていました。
そこで、東京都立動物園では、国内外の希少な野生動物50種をズーストック種と決め、これらの種の飼育・繁殖技術の確立に力を入れており、上野動物園はニシローランドゴリラ他16種を担っています。

この計画に基づき、動物園間のブリーデイング・ローンの一環として、上野動物園「ゴリラのすむ森」には7頭(オス3、メス4)のニシローランドゴリラが飼育され、繁殖を目指しています。その成果が、モモコのお目出度なのです。
モモコが10月に無事出産すれば、上野動物園で2度目になります。最初の相手は、ハウレッツ動物公園(イギリス)から平成9(1997)年12月に来園した10歳のヒジュでした。彼とのペアリングでモモタロウを出産し、今回のお目出度はアーペンヒュール動物園(オランダ)産まれのハオコですから、日本男児を自任しているケンタはふて寝をして、失恋の悔しさを紛らしているのです。

スペイン産まれのナナは、3歳の時に来日し、5歳でとべ動物園へ来て、17年間ゲン太と暮らしていました。平成16年11月にゲン太が死亡してから上野へ来るまで1頭暮らしを続けていたナナは、ブリーデイング・ローンで上野に来園してハオコに積極的でしたが、相手にされなかったようです。一方、太目の体型がナナと似ているモモコ、ヒジュがシルヴァーバックとして統率している群れに入り込んだ物怖じしないモモコの性格に、ハコオは惹かれたのでしょう。

余談になります。
京都動物園に里帰りして円山動物園(札幌市)からブリーデイング・ローンで京都へ来園しているゴン(コペンハーゲン産まれ)とのペアリングを試みている元気は、ヒジュと交尾があったのですが妊娠に至らず、モモコの積極果敢なヒジュへのアタックに破れた経歴の持ち主です。

千葉市動物公園でのケンタには、倦怠感があるようです。
5月1日、ワオキツネザル親子の写真を撮りに千葉市動物公園へ行ったのですが、ケンタのことが気がかりで、寄り道をした際の写真です。
ケンタは、石造りの休憩所の中に座り草を食べてから階段を下り始め、草の生えている地面の手前に来ると座り込んでしまいます。一度だけ眼がキラリと光ったのですが、それからは写真の状態のまま動きません。

動物科学館2階で飼育しているオグロマーモセット親仔の写真を撮り終えてケンタの様子を窺った時には、ケンタは仰向けになって地面に寝転んでいます。放餌場では、ローラが草を探し食べているのに・・・。ローラとケンタは、昭和52(1977)年産まれの同じ歳ですし、上野でも一緒に過ごした仲ですから、阿吽(あうん)の呼吸があるのでしょう。

隣の放餌場では、モンタが忙しそうにして草をむしって食べています。ここで最年長のゴロは、所狭しと屋内展示場の中を動き回っているのに・・・。ゴロは、昭和40(1965)年産まれの44歳、日本人の年齢に換算すると80歳以上のようです。寿命35歳で天寿が50歳といわれるニシローランドゴリラにとっては、ゴロは長寿ですね。73歳のケンタも長寿ゴリラの仲間といえば、ゴロと同じですよ ※。

今年26歳になるモモコは、日本人の歳に換算すると56歳、15歳のハオコは32歳だから・・・。

「やはり、モモコやハオコの歳が気になりましたか、元気印さん。ゴリラの年齢計算はボケ封じには、苦い薬ですからね」

365日、不老長寿の時間を過ごしているボケ封じ観音さまには、地面に仰向けになって寝転んでしまったケンタの思いの丈を聴いて貰いたくなりました。

※ 日本動物園水族館協会Webにある「動物年齢の秘密」では、知りたい動物名と年齢を入力すると、日本人の年齢に換算した該当動物の年齢が計算・表記されます。


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