いきけんこう!

生き健康、意気兼行、粋健康、意気軒昂
などを当て字にしたいボケ封じ観音様と
元気印シニアとの対話。

旭山動物園の動物たち 番外編:縄張りを主張するリンリン(凌凌)は、1歳と6ケ月

2009-01-17 23:29:14 | 散策
「ほっきょくぐま館」を出て「もうじゅう館」へ行く途中にレッサーパンダの吊り橋があります。

「ほっきょくぐま館」の放餌場(ほうしじょう)で朝寝の準備に没頭しているコユキの仕草が面白く、暫く見惚れていたのですが、3頭のパンダが忙しそうに吊り橋を往復する光景に魅せられます。

旭山動物園で飼育されているパンダは5頭ですが、昨年11月14日の見学では、吊り橋を往復する3頭に心を奪われ、名前や飼育されている頭数などの情報を仕入れることを忘れてしまったのです。
『ふむふむパネル』には、レッサーパンダについて解説してあるのですが、見付けられなかった・・・。

先日、旭山で撮った写真を整理していると、レッサーパンダ像を『パンダの5つの?』にして解説した看板がありました。

第1の? レッサーパンダは何の仲間?
第2の? どこにすんでいるの?
第3の? 何を食べているの?
第4の? どんなウンチをするの?
第5の? パンダはエサを手で持って食べるの?

「はい、そこまで。答えは、ネットサーフインや図鑑などで探索する旅の楽しみにしましょう」

ボケ封じ観音さまのご下命です。5つの問いの答えに挑戦してみてください。

ところで、パンダには、ネパールレッサーパンダとシセン(四川)レッサーパンダと呼ばれる2種類の亜種があり、ネコ目(もく)レッサーパンダ科に属しています。
そして、前者を飼育している動物園は熱川(あたがわ)バナナワニ園(静岡県伊豆町)だけで、他の動物園で飼育されているレッサーパンダは、後者です。
 
「それでは、駄目なんです。答えを探してもらうと、約束したばかりでしょう」
「ヒントも駄目。仕様がないなア~、話の調子が出ない」
「じゃあ、こうしましょう。旭山にいた5頭のレッサーパンダの名前、教えます」
「・・・」
「ヨウヨウ(陽陽)、アカネ、ノノ、ニャンニャン(娘娘)、1昨年6月21日に生まれたリンリン(凌凌)です。
リンリンの父はノノ、ニヤンニヤンが母です。祖父母に当たるヨウヨウとアカネは専用のパンダ舎に住み、リンリンは父母と一緒に家族パンダ舎で生活しています」
「パンダ舎がふたつ? 吊り橋を往復していた3頭はリンリン一家なのだ」
「ヨウヨウ爺ちゃんは、平成4(1992)年6月19日、鯖江市(さばえし)西山動物園(福井県鯖江市)生まれですから、今年17歳になります。人の命とは単純に比較できませんが、天寿をまっとうする高齢ですね。
1歳の時に旭山へ婿入りし、アカネとペアリングした結晶がニャンニャンです。彼女とノノとのペアリングでリンリンが生まれました。

レッサーパンダは、生後2年目になると子供を生めるようになるので、人の20歳に当たります。
つまり、レッサーパンダの2歳は人の成人であり、それ以降は1年ごとに人の4歳分の年をとると考える専門家もいます」

「多摩動物公園(東京都日野市)生まれのノノは、今年7月には7歳になります。
リンリンを授かって青春を謳歌する20代後半を迎えるノノの生命力は、これからも輝きを増します」

ボケ封じ観音さまに一矢を酬いる、元気印です。

「1歳6ヶ月になった平成16(2004)年2月13日、ノノは旭山へ向けて生地を出発しています。近親交配による繁殖では様々な遺伝障害が発症するので、ニャンニャンと新たなペアリングを作るためです。
これは、レッサーパンダに限らず、動物園で飼育されている動物たちの種を繁殖させ保存する際の常套策ですし、世界の動物園は互いに連携し合い動物の保護・繁殖に努めています。絶滅危惧種に指定されている動物の種を維持・保存するための弛まぬ努力が、動物園では続けられているのです」

 「レッサーパンダが日本で飼われたのは何時ごろから?」

 「残っている記録では昭和30(1978)年からです。それ以前にも飼われていた形跡が散見されているようですが、その時期は特定できないのです。
ところで、レッサーパンダの繁殖賞は、釧路市動物園が昭和51
(1976)に受賞しています。
この賞は、日本で最初の繁殖を行い、6ケ月以上生存させた日本動物園水族館協会に加入している園館を協会が表彰するものです。さらに、釧路市動物園には、北海道で初めてネパールレッサーパンダとアフリカゾウが来園しています。昭和50
(1975)年のことですから、レッサーパンダの飼育ノウハウを既に蓄積していたので、翌年の繁殖賞受賞となっています」

 「ネパールレッサーパンダを飼育しているのは、熱川バナナワニ園だけですね。他の動物園で飼育しない理由があるんですか?」

 「食べ物、習性に大きな違いはなくても、シセンレッサーパンダの方が一回り大きい。ネパールレッサーパンダは、暑さと病気に対する抵抗力が弱いので飼育が難しいと言われています。

こんなデータがありますよ。
世界で飼育されているネパールレッサーパンダは384頭ですが、日本のそれは26頭しかおりません。でも、その理由は、観音の私にも分かりません」

さて、旭山動物園ホームぺージ「しいくにゅーす」(2007年7月~9月)には、3年ぶりにレッサーパンダのあかちゃんが生まれたことが紹介されています。また、ゲンちゃん日記(2009年1月特別号)を読んで、その赤ちゃんがリンリンであることが判明しました。

「上野動物園にいたジャイアントパンダの名前もリンリンでしたよ、たしか・・・」
「結構毛だらけ、ネコ灰だらけですね。上野のリンリンは陵陵、旭山は凌凌です。
ジャイアントパンダが発見されるまでは、パンダと言えばレッサーパンダを指していたことはご存知でしょう、元気印さん。
それ以降は、頭に小さいを表すレッサーをつけて、呼び名をレッサーパンダに改め、ジャイアントパンダの大きいパンダと区分し、レッサーパンダ科とクマ科とに分類され、属する科がお互いに違うことも」

「去年4月30日に陵陵が死んだ時、中国から1億円のレンタル料でどうですかという申し出があったとの報道がありましたが、日本の動物園が所有権を持っている陵陵が死んだので、現在、日本にいるジャイアントパンダは、中国から借り入れている個体だけになってしまいました。
ジャイアントパンダのレンタル料は、番(つがい)一組で年間1億円位のようでも、動物園の運営には、重く圧し掛かってきます。
ちなみに、ジャイアントパンダが見られるのは、神戸市立王子動物園(兵庫県神戸市)とアドベンチャーワールド(和歌山県白浜町)だけになりましたね」

「363頭。これは、世界の施設で飼育されているレッサーパンダの頭数です。その内215頭は日本の50施設で飼育されていますから、いかに日本のレッサーパンダ人気が高いかが分かりますね、観音さま」

「そして、日本平動物園(静岡県静岡市)では、日本のレッサーパンダの飼育状況把握、血統登録、近親交配を防ぐためのペアリングを行うなどの調整をしています。また、レッサーパンダ繁殖数の日本一は、鯖江市西山動物園です」

ゲンちゃん日記特別号では、リンリンとの対決映像が観られます。

ゲンちゃんは、リンリンの前に跪き両手を床にバン、バン叩きます。
後ろ足で立っているリンリンは、その様子を窺います。さらに、ゲンちゃんがリンリンに近寄りバンバンやると、リンリンは後ずさりし、モートの壁際まで追い詰められます。
その間、リンリンは万歳をする格好でゲンちゃんを威嚇し、最後にはゲンちゃんに向かって飛び掛るのです。リンリンは、ゲンちゃんが何者であるかを知っているはずですが、怯むこともなくゲンちゃんに正々堂々と戦いを挑むのです。

カワウソやマングース、ミーアキャットが後ろ足で立っている姿は動物園でも観られ、図鑑に掲載されている写真にもあるので、当たり前の姿になっています。
他方、レッサーパンダが後ろ足で立つ姿がメディアで報道され、主役となった風太は、日本平動物園生れの千葉市動物公園(千葉県千葉市)育ちなのは、先刻ご存知でしょう。

図鑑に掲載されている立姿のカワウソやマングースの両手は、腹に乗せるように下がっており、リンリンのような万歳はしていません。おそらく、リンリンも平和時であれば同じ姿であると思いますが、臨戦時ではそうは問屋が卸しませんね。

リンリンはモートに降りる常習犯なので、そこに降りると嫌な思いをすることを学習させようと考えたゲンちゃんは、リンリンをモートに入れ威嚇攻撃をしたのですが彼には効かなかった、と日記にあります。

1年前のゲンちゃん日記です。
「レッサーパンダの新施設建設も大詰めを迎えたので、レッサーパンダを試験的に放餌場に出してみました。(中略)。深さ1.5メートルの掘(モート)があるのですが、しばらくは、ここから先はいいや、と気にしていない様子でした。ところが、今年生まれのやんちゃ坊主が堀の底を見始めました。すると、何の躊躇も無く飛び降りました。堀の底に溜まっていた水が飲みたかったようです(以下略)」

もうお分かりですね。
6月に生まれて半年後のリンリンは、ちゃんと学習していたのです。
リンリンの2歳は人の成人に相当する訳ですから、小学生低学年位の学習能力があっても然るべきです。
ゲンちゃん日記には、性別はまだ不明だけど、行動から多分オス、と書かれている時のリンリンが、モートの底の水で喉を潤してから、どのようにしてモートを脱出したかは分かりません。
しかし、初めて見る1.5メートルの堀に飛び込むには恐怖感が伴います。リンリンの渇望状態は恐怖感を凌いでいたから、リンリンは飛び込んだ。警戒心よりも好奇心の方が勝っていたとしても、目的を達成した満足体験がリンリンをモートに降りる常習犯にした要因になっていると、元気印は勝手に考えています。

家族が一緒に吊り橋を往復することが多いリンリン一家。
リンリン一家の放餌場に立てられた偽木(ぎぼく)を吊り橋の架かっている所まで登り、吊り橋を渡ります。橋を吊っている反対側の木には、渡って来たリンリン達が木の周りを回って橋に戻るための踊り場が設けてあります。
鉄枠に金網を張った作りになっている踊場通路の目の大きい金網を通して、例えば、ノノの前を通るリンリンの態度や2頭並んで周りを展望する様子が観察できるし、3頭が一列に並んで吊り橋を往復して偽木を降りて根元でマーキングする仕草(写真)を観察していると、時間が経つのを忘れてしまいます。

偽木の根元にマーキングをして自分の縄張りを主張しているのはリンリン(写真)であると、元気印は決めています。
写真に写っているのは、1.5メートルのモートに飛び込んだ熱血漢、やんちゃ坊主その者のリンリンです。
だから、これからも続けられるであろうところのリンリンとゲンちゃんとのジョッパリ戦からは目が離せません。また、ジョッパリ合戦がどのように展開するのか、元気印には、皆目見当がつきません。





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