シエーンブルーン宮殿、国立オペラ座、王宮を見学してからウイーン市庁舎前のクリスマス市巡りをした2日目は、ウイーンの森とバーデン散策のオプショナルツアーに参加しました。
夕食までの時間を利用して大観覧車見学に行く可否を添乗員さんに相談します。
地元のガイドには観覧車に乗れるのは19時までと書いてあり、ホテル前から路面電車(トラム)に乗っても、乗換えた地下鉄路線から途中で他の路線に乗換えねばならないので目的地に行くのは難しい、と説明され、しかも、16時過ぎに暗くなった土地勘のないウイーン街中を単独で行動する不安も重なり諦めます。大観覧車をデザインしたバッチをホテルの売店で買い、気持ちの整理をしたんです。
ところが、大観覧車のバッチを帽子につけていると、30数年前に逃した大観覧車見学、この先何時来るか不透明なウイーンではないか。一度は諦めた大観覧車に乗りたい誘惑が鎌首をもたげてきます。19時を少し過ぎた頃、ウイーン市内交通図でアクセスをチエックしてホテルを飛び出します。
カバリエホテル前にあるトラムの停留所で右側に行くNO.52に乗りウイーン西駅で降りる。地下鉄U3線のシュテフアンスプラッツ駅でU1線に乗換えウイーン北駅で降りる。そこから徒歩5分。
これだけのアクセス情報とガイドブックの交通図を頼りにホテルを出たのは良かったのですが、乗車券を扱っているタバコ店が見付かりません。電車内で買おうとして小銭を探します。手持ちのコインは2ユーロだけ。5ユーロ紙幣で購入したいのですが、紙幣は使えない自販機。
その前で困惑している元気印を注視していた初老の乗客にジエスチャーで伝えると、元気印の所まで立ち寄ってきます。手にした小銭を見せると2.2ユーロと表示している自販機の料金を指さすのです。2ユーロしか持っていないと察した小父さんは、自分の小銭入れから2ユーロと20セントコインを取り出し乗車券を購入して、私の手に置きます。5ユーロ紙幣を渡そうとするのですが“ノープロブレム”と言い残して座席へ戻ります。そこから、乗車券に刻印するように合図し刻印機の場所を指さします。その通り刻印すると首を縦に振り微笑んでくれたのです。
親切なその老人は次の駅で降りましたが、このツアーの印象を胸に深く刻んでくれたウイーン小父さんの優しさでした。
地下鉄の行き先を表示した案内版が各駅のホーム上に吊り下げてあり、地下鉄の進行方向を矢印で表しているので、地下鉄の乗換えは行く先を抑えておくと乗り間違いは防げます。これは後知恵で、目的地と逆のホームへ行ってしまい、アクセス・メモを頼りに確認するなど、悪戦苦闘の結果なのです。早とちりの元気印ならではの大観覧車見学の体験でした。
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往路で使用のトラム内で購入した乗車券(上)
スーパーなどで購入すると2ユーロ。車内販売券には10%の手数料が加算されている。
復路で使用の地下鉄駅で購入した乗車券(中)
王宮ツアーの時配布された乗車券(下)
スーパーなどで販売しているようです。
いずれの乗車券も上か右側に刻印を押してある。
刻印のない乗車券は無賃乗車扱いされるので、親切な初老の小父さんは刻印するように指示してくれたのです。
トラムと地下鉄の乗車券は共通使用可なので、利用者には便利でした。また、目的地までの所要時間が判ればそれに見合った乗車券を購入する。所要時間が15分、30分は幾らのように、乗車券を層別して購入する仕組みです。1日使用乗車券もありますから、目的に応じた乗車券を購入すれば無駄な料金を払うこともないので、利用者にとっては有難い。
乗車距離で料金を決めている日本、乗車時間を基準にしているオーストリア。どちらが徳なのかは判断できません。お国柄としか言いようがない料金体系でした。乗車券に刻印を押すだけで改札を通れるし、刻印を押さなくても改札口に駅員がいないのでトラムに乗れる。また、改札のない下車駅、駅員がいないなんて想像も出来ませんでした。トラムの全駅が日本で言うところの無人駅なのです。オーストリア人の品位を忖度する物差しのひとつでしょう。ウイーン小父さんの親切が身に染みます。
利用者の立場に立った乗車券の例に、ロンドン市内のバスと地下鉄、地下鉄の路線を変更しても利用できる共通乗車券があります。猪瀬東京都知事は、地下鉄の統合を実現すべく国土交通省と積極的に交渉を行っていますが、利用者の便宜を優先する視点から統合の拡大範囲を広げて貰いたいですね。
東京の地下鉄九段下駅には、東京メトロ半蔵門線と都営新宿線のプラットホームを遮る「バカの壁」があったのですが、その撤去に尽力した猪瀬都知事への期待が増すばかりです。
夕食までの時間を利用して大観覧車見学に行く可否を添乗員さんに相談します。
地元のガイドには観覧車に乗れるのは19時までと書いてあり、ホテル前から路面電車(トラム)に乗っても、乗換えた地下鉄路線から途中で他の路線に乗換えねばならないので目的地に行くのは難しい、と説明され、しかも、16時過ぎに暗くなった土地勘のないウイーン街中を単独で行動する不安も重なり諦めます。大観覧車をデザインしたバッチをホテルの売店で買い、気持ちの整理をしたんです。
ところが、大観覧車のバッチを帽子につけていると、30数年前に逃した大観覧車見学、この先何時来るか不透明なウイーンではないか。一度は諦めた大観覧車に乗りたい誘惑が鎌首をもたげてきます。19時を少し過ぎた頃、ウイーン市内交通図でアクセスをチエックしてホテルを飛び出します。
カバリエホテル前にあるトラムの停留所で右側に行くNO.52に乗りウイーン西駅で降りる。地下鉄U3線のシュテフアンスプラッツ駅でU1線に乗換えウイーン北駅で降りる。そこから徒歩5分。
これだけのアクセス情報とガイドブックの交通図を頼りにホテルを出たのは良かったのですが、乗車券を扱っているタバコ店が見付かりません。電車内で買おうとして小銭を探します。手持ちのコインは2ユーロだけ。5ユーロ紙幣で購入したいのですが、紙幣は使えない自販機。
その前で困惑している元気印を注視していた初老の乗客にジエスチャーで伝えると、元気印の所まで立ち寄ってきます。手にした小銭を見せると2.2ユーロと表示している自販機の料金を指さすのです。2ユーロしか持っていないと察した小父さんは、自分の小銭入れから2ユーロと20セントコインを取り出し乗車券を購入して、私の手に置きます。5ユーロ紙幣を渡そうとするのですが“ノープロブレム”と言い残して座席へ戻ります。そこから、乗車券に刻印するように合図し刻印機の場所を指さします。その通り刻印すると首を縦に振り微笑んでくれたのです。
親切なその老人は次の駅で降りましたが、このツアーの印象を胸に深く刻んでくれたウイーン小父さんの優しさでした。
地下鉄の行き先を表示した案内版が各駅のホーム上に吊り下げてあり、地下鉄の進行方向を矢印で表しているので、地下鉄の乗換えは行く先を抑えておくと乗り間違いは防げます。これは後知恵で、目的地と逆のホームへ行ってしまい、アクセス・メモを頼りに確認するなど、悪戦苦闘の結果なのです。早とちりの元気印ならではの大観覧車見学の体験でした。
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往路で使用のトラム内で購入した乗車券(上)
スーパーなどで購入すると2ユーロ。車内販売券には10%の手数料が加算されている。
復路で使用の地下鉄駅で購入した乗車券(中)
王宮ツアーの時配布された乗車券(下)
スーパーなどで販売しているようです。
いずれの乗車券も上か右側に刻印を押してある。
刻印のない乗車券は無賃乗車扱いされるので、親切な初老の小父さんは刻印するように指示してくれたのです。
トラムと地下鉄の乗車券は共通使用可なので、利用者には便利でした。また、目的地までの所要時間が判ればそれに見合った乗車券を購入する。所要時間が15分、30分は幾らのように、乗車券を層別して購入する仕組みです。1日使用乗車券もありますから、目的に応じた乗車券を購入すれば無駄な料金を払うこともないので、利用者にとっては有難い。
乗車距離で料金を決めている日本、乗車時間を基準にしているオーストリア。どちらが徳なのかは判断できません。お国柄としか言いようがない料金体系でした。乗車券に刻印を押すだけで改札を通れるし、刻印を押さなくても改札口に駅員がいないのでトラムに乗れる。また、改札のない下車駅、駅員がいないなんて想像も出来ませんでした。トラムの全駅が日本で言うところの無人駅なのです。オーストリア人の品位を忖度する物差しのひとつでしょう。ウイーン小父さんの親切が身に染みます。
利用者の立場に立った乗車券の例に、ロンドン市内のバスと地下鉄、地下鉄の路線を変更しても利用できる共通乗車券があります。猪瀬東京都知事は、地下鉄の統合を実現すべく国土交通省と積極的に交渉を行っていますが、利用者の便宜を優先する視点から統合の拡大範囲を広げて貰いたいですね。
東京の地下鉄九段下駅には、東京メトロ半蔵門線と都営新宿線のプラットホームを遮る「バカの壁」があったのですが、その撤去に尽力した猪瀬都知事への期待が増すばかりです。
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