いきけんこう!

生き健康、意気兼行、粋健康、意気軒昂
などを当て字にしたいボケ封じ観音様と
元気印シニアとの対話。

なまら面白い体験 その1 二条市場で買い得・花咲ガニ

2008-12-07 23:14:03 | いろいろ
家内の身内に不幸があり11月22日、エアードウ便で北海道へびました。
千歳空港から葬儀が執り行われる砂川市へ直行します。
道内でも豪雪地域とされる砂川市周辺は、想像していたより積雪が少なく、防寒靴は不要なくらいです。
告別式、忌中引き、初七日、四十九日法要を済ませ、千葉へ帰る25日まで、岩見沢市の義姉の家に滞在することに。
これが、なまら面白い体験をするキッカケになったのですから、布衣之交(ふいのこう)は絶やせません。

道産子画家の記念館があると義姉に紹介され、義兄に案内をしてもらう。
車で7~9分で到着したそこは、休館日でした。
水曜日と祝祭日の翌日が休館日になっており、11月24日は振替休日に当たっていたのです。
義兄の話では、歴史的文化遺産として保存されている建物で、昭和7
(1932)年、道内で3番目に建てられた鉄筋コンクリート造りの旧岩見沢警察所を、絵画ホール・松島正幸記念館にしているとのこと。

休館日では、どうしょうもない。
JR生鮮市場へ寄ってから帰宅することにする。
なまら面白い体験の始まりになります。

狙いの品は、カニ、鮭トバ、カンカイ(こまい・氷下魚)。
市場内を一回りします。
開きコマイのパックしかないカンカイは、1パック198円でも諦めです。
日干しにしたカンカイをハンマーで叩いて軟らかくし、マヨネーズで味付けして酒の肴にする楽しみが消えました。
透明のビニール袋に5~6本入っている鮭トバ、細長い棒状に鮭を切った皮付きの身・トバが一袋680円。市販価格より格安の値段に引かれて買物籠へ。

さて、北海道名物の毛ガニはあったのか?
どこにも見当たりません。あるのは、ロシア産の毛ガニだけ。
しかも、400g680円の安値で。
買う踏ん切りがつかないのは、ロシア産と680円の価格です。
暫し、400g680円の値札と睨めっこ。

 「やけのやんぱち 日焼けのなすび
  色は黒くて食いつきたいが
  わたしゃ入れ歯で歯が立たない」

大人7人で5~6尾、子供が1人。少なくとも、7尾なければ喧嘩になる。
義兄は他で自分の買い物をしているし、もう、やけのやんぱち。
2尾詰1,360円を2パック買物籠に押し込みレジへ向かう。

結果オーライ、鮭トバは軟らかくて美味なのです。
身が締まっている毛ガニのミソ味は、国産毛ガニと比べても遜色がなく、黙々と食べる始末です。
やけのやんぱち ロシアの毛ガニではなかった。4尾を7人で食べて、皆満足顔なのです。
なまら面白い最初の体験でした。

北海道に行くと道産子は、先ず、ジンギスカン。
生ビールを飲みながら札幌ビール園で食べるジンギスカンは、堪えられません。
翌日、札幌まで足を延ばすことに・・・。

テレビ塔の電光時計は、16時48分を示していますが、大通公園は真っ暗闇の中で沈黙。
大通り公園のライトアップを期待していた家内は、ライトアップで夜の帳に浮かび上がる時計台の光景を観て気分転換です。

時計台の近くにある二条市場周辺は、札幌市の都市計画として「創生1.1.1.区」(そうせいさんく)が進められており工事中でした。
午後5時過ぎの二条市場でしたが、南2条通りに面した店の殆どはシャッターが下りています。
市場を独占した客、私達3人は営業している奥の店から創生川へ向かって品定めです。
気に入ったホタテの貝柱を見付けた義姉は、店員の話に耳を傾けています。

毛ガニ、タラバガニ、ズワイガニ、花咲きガ二は北海道の名物ですから、どの店頭にも所狭しと並んでいます。
ロシア産毛ガニと同じ甲羅(大きさ)の枝幸産毛ガニが4,700円では、3人とも意気消沈です。
毛ガニの漁獲高が日本一の枝幸町(えさしちょう)の毛ガニの強敵は、ロシアガニでした。

ふたつ目のなまら面白い体験は、花咲ガニがもたらしてくれます。
2kg弱のオス花咲ガニ(写真)の値札には、8,600円。
店先を素通りしようとすると、値引き価格を提示されたのですが、予算に合わないので断ります。
先に進んでいた義姉と家内は、折半して10,000円のホタテの貝柱を別の店で買うことに決めたようでした。
定価18,000円を、10,000円に値引きしたのが、購入の動機です。

コリコリして軟らかいホタテの貝柱は買得したと大喜びで札幌ビール園へ向かおうとした時、長男が呟くのです。

「さっきの花咲ガニ、上物だが・・・」

素通りした店へ、3人は逆戻り。
花咲ガニをダンボールへ入れようとしている店主へ、長男は、

「郵送料、箱代込みで、2尾、10,000円になりませんか」

店主の手が止まります。

「奥へどうぞ。送り先を書いてください」

根室市の通販店で販売している茹で花咲ガニは、1尾800gで4,700円はしています。
2kg弱の花咲ガニ2尾、箱代や千葉への送料を含めて10,000円ですから、長男の買い物はなまら旨いものです。
2日後、二条市場の店が発送した花咲ガニが自宅へ届き、その日の夕食は花咲ガニが主役です。

それにつけても、資源の枯渇を防ぐため漁期が決められている花咲ガニ。
日本の漁場は根室近海で、根室管内における漁期の水揚高は150トンと規制されています。
全道の漁獲量を5年毎の統計で比較すると、最高は昭和45(1970)年の
1,437トン、昭和55(1980)年の71トンが最低です(北海道庁水産部統計)。
花咲ガニを獲っているのは根室管内と釧路管内の漁協で、道庁の統計はこの管内の漁獲量をまとめたものです。
根室管内では、花咲ガニの水揚げが最低になった翌年、昭和56(1981)年から59(1984)年まで禁漁、昭和60(1985)年には漁獲量の上限を150トンに規制、平成2(1990)年から漁期を設け、花咲ガニの資源確保に尽力しています。
禁漁が明けた昭和60年、全道の漁獲量は121トンでした。

ところで、ロシア産毛ガニの価格を書きましたが、生(なま)花咲ガニで漁師が手にする収入は、1kg当たり500円とのこと。
平成20年の漁獲量が113トン、売上高(収入)は5,500万円です。
そして、生を茹でると歩留80%になるようですから、市場へ出る加工花咲ガニは90トン(地元関係者の情報)。
漁師から1kg500円で仕入れた生花咲ガニは、800gだと400円です。加工歩留80%を加味しても480円。
不勉強で加工手間賃は確かではありませんが、市販価格は、ほぼ10倍になっています。

生産者が苦しい生活を強いられ、販売者が利益を確保している厳しい現実が、花咲ガニ漁にもあったのです。
我が家のカニ談義に花を咲かせてくれた花咲ガニは、我が身を犠牲にしても、なまら厳しい漁師の厳しい生活現況を消費者へ知らせているようです。

  「やけのやんぱち 茹で花咲ガニ
   色が赤くて食いつきたいが
   わたしゃ入れ歯で歯が立たない」

ボケ封じ観音さまは、花咲ガニが苦手のようです。

「あなたが二条市場で仕入れた花咲ガニは、5歳くらいのオスです。
根室市役所・水産研究所が実施していた事業に、タラバガニ類の養殖技術研究があります。
それによれば、花咲ガニの卵は、ゾエアで孵化し、グロコトエに変態してから最初の脱皮で稚ガニになります。稚ガニは0.02g程度の体重ですが、脱皮を重ねる毎に成長します。脱皮の回数は齢で表し、5歳のオス花咲ガニが22~23齢。
つまり、5歳になるまでに22~23回脱皮して、体重は、1,030~1,870gに増えます」

「驚き、桃の木、山椒の木。観音さまの世界には、インターネットが繋がっているの」

「ご想像にお任せ。兎に角、花咲ガニが2kgの大きさに成長するまでには、約6年の歳月が必要なのです。元気印の初孫が小学校に入学するまでの期間に相当するのですよ。それが過ぎてから脱皮したオスは同齢のメスと交尾し、メスは産卵した、と報告されています」

「花咲ガニのメスが獲れなくなったのは25年以上も前からの話。繁殖能力を持たない花咲ガニを獲ってしまうことが原因だと、観音さまは言いたいのでしょう」

「ですから、花咲ガニの資源枯渇を防止する対策を、関係者は必死に模索し続けているのです。子孫を残す使命を果たした2kgの花咲ガニを購入したのですからそれは容認しましょう。しかし、400gの毛ガニは如何なものでしょうか。甲羅の大きさが、飯椀(直径13cm)程度しかない子ガニを食べたんですよ」

なにはともあれ、食べ応えがあった花咲ガニとロシア産毛ガニなのです。
国産ガニに食用の許可を下しても、輸入毛ガニを食べることを咎める観音さま。
 
ボケ封じ観音さまの警告が心に突き刺さって眠れない夜が続く、札幌土産になりました。







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