竹島クラフトセンターの玄関を入ると紡績機が展示されています。
江戸時代の天保年間に長野県の臥雲辰致というお坊さんが発明した
紡績の原理を使って木工工芸の友人に設計制作をお願いした機械です。
今日も三河原産の綿を紡績して三河木綿の紡績から糸作りの仕上げまで
この機械で行っています。
綿が包み込まれた筒が回転することによって綿が捩れて糸が出来て
欲する太さに設定された糸が上へ引き上げられて巻き取られています。
私は糸車で紡ぐ糸作りもしていますが、
臥雲辰致は母が朝早くから紡ぎ続けているお母様の苦労を見て
「何とか母を楽にさせて上げられないものだろうか」
と常日頃考えていました。
そんなある日、
辰致さんが釜戸で使う火吹き竹に綿を詰めて遊んでいましたが
その筒が手から落ちてコロコロ転がると筒に詰められた綿が糸になって
伸びていたではありませんか!、
普通人はここまでで、この先は無いのですが
辰致は臥雲式紡績機の原理に気が付いたのです。
”そうだ!、これで母の仕事を楽にさせて上げられる”
辰致の想いが金欲ではなかったことが嬉しいではありませんか
そんな想いから私は、手紡ぎを教えながらガラ紡機の仕組みと原理を
繋いで行こうと思い立ち、静岡の木工作家の春山氏には
新しい繊維作りの研究機として微調整機能をお願いした。
この機械の運転と繊維研究を初めて10年になろとしているが
最近ようやく思い通りの糸が出来る様になった。