前回記事の修正版です。
実は、3月25日(金)にもう一度、スーパーフラット・コレクション展に行きました。
(前回は2月14日)
・見てなかった展示があったこと
・前回はサブカメラで撮影
と理由はありますが、やはりもう一度見たいというのが大きな理由です。
編集に手間取っている間に、展示も終了(4月3日)しましたが、鮮烈な印象を忘れないために、仕切り直しのスーパーフラット・コレクション展です。
まずは、「彫刻の庭」と題されたエントランスホールの作品から
ガラスケースに入った3つはアンゼルム・キーファーの作品。
《メルカバ》 飛行機の残骸の迫力が凄い。乾いてひび割れた土の上に置かれて、戦の虚しさを象徴しているようです。
メルカバという言葉は、古代の騎馬戦車のことで、現代ではイスラエルが開発した戦車の名前に使われています。
《神殿破壊》です。
海中の昆布のようなものは、写真です。
神殿破壊という強烈なタイトル、実際に中近東の内戦地域では神殿破壊が行われている。
写真の内容などわからないところだらけですが、貴重な遺産を破壊する愚かな行為を糾す叫びか。
《セフィロト(生命の樹)》
燃やされた本…1933年にあったナチス・ドイツによる焚書がベースにあると思います。
中央に書かれたDAADはドイツ学術交流協会の略称。 日本からも奨学金を得て、
多くの人がドイツで交流しています。 欧米の歴史などを知らないと理解が難しいのですが
理解よりも、強い表現に感心します。
キーファーの作品は「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である」展(2014年7月に鑑賞)で、麦藁をキャンバスに貼りつけた作品
を観て、いいとは思わなかったのですが、今回のインスタレーションはぐっときます
さて、白いパーテーションで仕切られた部屋の内部は、李・禹煥(リ・ウーファン)の作品《Dialogue Excavation》 下の写真がその部屋の内部
白い砂利の上を歩いていきますが、神聖な場所のような雰囲気があります。
盗難にあって壊された金庫です。 タイトルの数字はその金額(リラ?)だとか。 ただのガラクタではないか、といわれればその通りです。
しかし、隣のキーファーの大作も、ガラクタといえばガラクタ。
マウリツィオ・カテランの作品は2階展示室前にもありました。
何とミニサイズのエレベータです。 高さ30cmほどでしょうか。
ドアの開閉や、移動中の階の表示など本物と同じ動きをします。 巨大な作品の中で異彩を放っています。
エレベータの場所は下の写真の矢印箇所。 私も一回目に来たときは気付きませんでした。
エントランスホールに戻って、展示室にいくエスカレータ横の棚田のようなフロアにも、大きな作品が あります。
異様な迫力を感じたジャン・ホァンの《ヒーローNo.1》
マルティン・ホナートの《巨人》 確かに目立つのですが。
グレイソン・ペリー、今まで知らなかった作家ですが、女装したりすることは別にして、英国現代美術家の花形なんですね。
中央上部の頭像は《イフェの頭像》、昨年の大英博物館展で見て覚えていました。 そのほかにもいろんなレリーフなどが満載。
始皇帝の兵馬俑のレリーフもありますね。
過去からの、無名の職人のつくった作品への、オマージュとしてつくられたものかな。
同じく、グレイソン・ペリーの作品、《我らが父》《我らが母》
完成年は異なりますが、ペアですね。
自動小銃、狩猟した狸?、左手で提げているのは聖書?
何をもっているのか、一つ一つ気になります。 顔貌は日本の古い僧侶像に見えます。
《我らが母》
痩せた赤ちゃん、ラジカセ、ミシン、シューズ、
手前の籠には死んだ子供?
背中の籠にも死んだ子供? 父は狩猟道具、母は生活道具を山ほど持って、共に生きるための強いバイタリティを感じます。
何かジーンと来るものがあります。
この作品、日本の妖怪と通じるところがあり、親近感を感じる。 調べると、2011年のヨコハマトリエンナーレで
美術館前に1月~12月までの像が展示されていて、そのうちの9月の作品。
いろんな解釈を試みたのですが、ピッタリするものはなく、なぜか親しみが湧く作品としてみるのみ。
ホールの壁面にプロジェクション投影。
常設展の彫像、ダリ《バラの頭の女性》の背後からホールを撮ってみました。
以上、エントランスホールに展示されていた主要な作品を紹介しました。
作品も凄いのですが、これらをコレクションした村上隆の審美眼、財力も凄い。
収蔵倉庫も巨大なものが必要だし、入口でまず驚かされました。
次は展示室の作品です。 まだまだ凄い作品が山のようにあります。
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