光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

村上隆のスーパーフラット・コレクション展から #2の修正

2016年04月04日 | アート 現代美術

前回記事の修正版です。

実は、3月25日(金)にもう一度、スーパーフラット・コレクション展に行きました。

(前回は2月14日)

・見てなかった展示があったこと

・前回はサブカメラで撮影  

と理由はありますが、やはりもう一度見たいというのが大きな理由です。

編集に手間取っている間に、展示も終了(4月3日)しましたが、鮮烈な印象を忘れないために、仕切り直しのスーパーフラット・コレクション展です。

まずは、「彫刻の庭」と題されたエントランスホールの作品から

 

 

 ガラスケースに入った3つはアンゼルム・キーファーの作品。



 

 

《メルカバ》 飛行機の残骸の迫力が凄い。乾いてひび割れた土の上に置かれて、戦の虚しさを象徴しているようです。

メルカバという言葉は、古代の騎馬戦車のことで、現代ではイスラエルが開発した戦車の名前に使われています。

 

 

 

 

 

 

 

《神殿破壊》です。  

 

 

海中の昆布のようなものは、写真です。

 

 

 

神殿破壊という強烈なタイトル、実際に中近東の内戦地域では神殿破壊が行われている。 

写真の内容などわからないところだらけですが、貴重な遺産を破壊する愚かな行為を糾す叫びか

 

 

 

《セフィロト(生命の樹)》 

燃やされた本…1933年にあったナチス・ドイツによる焚書がベースにあると思います。

中央に書かれたDAADはドイツ学術交流協会の略称。 日本からも奨学金を得て、

多くの人がドイツで交流しています。 欧米の歴史などを知らないと理解が難しいのですが

理解よりも、強い表現に感心します。

 

キーファーの作品は「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である」展(2014年7月に鑑賞)で、麦藁をキャンバスに貼りつけた作品 

を観て、いいとは思わなかったのですが、今回のインスタレーションはぐっときます

 

 

さて、白いパーテーションで仕切られた部屋の内部は、李・禹煥(リ・ウーファン)の作品《Dialogue Excavation》  下の写真がその部屋の内部

白い砂利の上を歩いていきますが、神聖な場所のような雰囲気があります。

 

 

 

盗難にあって壊された金庫です。 タイトルの数字はその金額(リラ?)だとか。 ただのガラクタではないか、といわれればその通りです。

しかし、隣のキーファーの大作も、ガラクタといえばガラクタ。

 

 マウリツィオ・カテランの作品は2階展示室前にもありました。

  

 何とミニサイズのエレベータです。  高さ30cmほどでしょうか。

ドアの開閉や、移動中の階の表示など本物と同じ動きをします。  巨大な作品の中で異彩を放っています。

エレベータの場所は下の写真の矢印箇所。  私も一回目に来たときは気付きませんでした。

 

 

エントランスホールに戻って、展示室にいくエスカレータ横の棚田のようなフロアにも、大きな作品が あります。

 

 

 

 

異様な迫力を感じたジャン・ホァンの《ヒーローNo.1》

 

 

 

  

マルティン・ホナートの《巨人》 確かに目立つのですが。

 

 

 

 

グレイソン・ペリー、今まで知らなかった作家ですが、女装したりすることは別にして、英国現代美術家の花形なんですね。

 

 

 

 

中央上部の頭像は《イフェの頭像》、昨年の大英博物館展で見て覚えていました。  そのほかにもいろんなレリーフなどが満載。

 

 

始皇帝の兵馬俑のレリーフもありますね。

 

 

過去からの、無名の職人のつくった作品への、オマージュとしてつくられたものかな。

 

 

同じく、グレイソン・ペリーの作品、《我らが父》《我らが母》

完成年は異なりますが、ペアですね。

 

 

 

自動小銃、狩猟した狸?、左手で提げているのは聖書?

 

 

 

何をもっているのか、一つ一つ気になります。  顔貌は日本の古い僧侶像に見えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 《我らが母》

痩せた赤ちゃん、ラジカセ、ミシン、シューズ、

 

 

 

 手前の籠には死んだ子供?

 

 

 

 

 

 

背中の籠にも死んだ子供?  父は狩猟道具、母は生活道具を山ほど持って、共に生きるための強いバイタリティを感じます。

何かジーンと来るものがあります。

 

 

この作品、日本の妖怪と通じるところがあり、親近感を感じる。 調べると、2011年のヨコハマトリエンナーレで

美術館前に1月~12月までの像が展示されていて、そのうちの9月の作品。

 

 

 

 

いろんな解釈を試みたのですが、ピッタリするものはなく、なぜか親しみが湧く作品としてみるのみ。

 

 

 

 

 

ホールの壁面にプロジェクション投影。 

 

 

 

 

常設展の彫像、ダリ《バラの頭の女性》の背後からホールを撮ってみました。
 

以上、エントランスホールに展示されていた主要な作品を紹介しました。

作品も凄いのですが、これらをコレクションした村上隆の審美眼、財力も凄い。

収蔵倉庫も巨大なものが必要だし、入口でまず驚かされました。 

次は展示室の作品です。 まだまだ凄い作品が山のようにあります。


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