2013年6月18日。
海外の(もちろん全ての国ではないが)のお札は、とても汚いことが多い。落書きだってひどいし、破れていたりテープで留めてあることだってある。なぜこんなにも汚いのか、そんなひょんな会話からスタートしたのだが、アルゼンチン在住50年以上の日系人の方と、面白いインタビューをすることができた。名前や写真を公開することはできないが、アルゼンチンで宿を営むこの方と、とても面白い話をすることができた。
僕:海外のお札って汚いんですよね。日本じゃこんなことは有り得ないです。アルゼンチンのお札もかなり汚いですけど、なんでこんなに汚れてしまうのでしょうか。政府が交換をしないからですかね?
Aさん:それもあるけど、この国の人はお札を大事にしないのよ。
僕:大事にしないんですか?何ででしょう?
A さん:そもそもね、お札に価値があるなんて思ってないのよ。明日になったら紙切れかもしれない。そんな封にしか考えてないんだと思うよ。つまり、明日が見えない生活をしてるのよ。
僕:そうなんですか?アルゼンチンって、そんな状況なんですか?
Aさん:そんな状況よ。だからみんな貯金もしないし、みんな使ってしまうのよ。日本はそんなことないでしょ?明日が見えるし、大切に使う。暗いニュースが多いみたいだけど、アルゼンチンから見たら、日本は本当に素晴らしい国よ。50年もアルゼンチンに住んでるけど、最近日本に行きたいなって思ってしまうし。
僕:ここには多くの日本の若者が来ますけど、彼らの意識はどうなんでしょうか?
Aさん:みんな一様に「海外に出てみて、日本の素晴らしさが分かった」って言うわね。これはとても大切なことよ。中にいると、どうしても悪い点ばかりが見えてしまうからね。私は1979年に日本に行って話をする機会があったんだけど、みんな海外になんて興味を持ってなかったわ。今はどうなのかしら。
僕:今は全然違いますよ。日本人自身が、日本を見つめ直そうって空気になっている気が僕はしますね。
Aさん:それは素晴らしいことね。携帯電話をテーブルの上に置いておいても誰も盗らない国なんて、きっと日本だけよ(笑)。
僕:日本には、レティーロの裏のようなスラムもありませんしね。
Aさん:中産階級が日本ほど多いっていうのは、すごいことよ。大金持ちじゃなくても、みんな明日に希望を持てる。人生の見通しが立てられる。レティーロのスラムには、なんと9万人もの人が住んでいるのよ。しかも政府に操られて。
僕:9万人もいるんですか?そして政府に操られているっていうのは…?
Aさん:例えば、今日デモがあったでしょ?ああいうのに、スラムの人達が駆り出されるのよ。ちょっとのお金を握らされて。サッカーの試合もそうね。彼らは盛り上げ役もあって見に行くけど、政府は彼らを利用しているから、暴動を起こして死者が出たって、大して騒がれない。政府は少しの補助金を渡して彼らを動かしてるから、彼らの生活が良くなるはずがない。いつまでもスラムの生活なのよ。
僕:そうなんですか…。学校には行ってるんですか?
Aさん:パブリックの学校にね。少しでもお金のある人たちは、スラムの人達を嫌って、みんなプライベートの学校に行かせているわ。だからパブリックの学校にはスラムの人達ばかりになってしまっているの。日本は、そこまでのことはないでしょ?
僕:アルゼンチンってそういう状況なんですね。全然知らなかったです…。
Aさん:日本は本当に素晴らしい国よ。第二次世界大戦で負けてからも、ここまでの復興を成し遂げた。みんなもっと日本に自信を持っていいのよ!
この他にも色々話したのだが、とにかく深い話をすることができた。一貫してお話しされていたのは、日本の良さ。僕は正直、「日本は悪いことをしてきた」と教えられた世代だ。僕自身も日本を離れることで、とてもこの国のことをよく考える。
若者へ。
ちょっと日本を飛び足してみよう。休学?問題なし。留年?全然大丈夫。もし興味があれば、関心があれば、ちょっとの行動力があれば、日本を離れて世界を流れてみよう。きっと面白いぞ!(笑)
2013年6月18日。バスを待つ、アルゼンチンの片田舎の町にて。
海外の(もちろん全ての国ではないが)のお札は、とても汚いことが多い。落書きだってひどいし、破れていたりテープで留めてあることだってある。なぜこんなにも汚いのか、そんなひょんな会話からスタートしたのだが、アルゼンチン在住50年以上の日系人の方と、面白いインタビューをすることができた。名前や写真を公開することはできないが、アルゼンチンで宿を営むこの方と、とても面白い話をすることができた。
僕:海外のお札って汚いんですよね。日本じゃこんなことは有り得ないです。アルゼンチンのお札もかなり汚いですけど、なんでこんなに汚れてしまうのでしょうか。政府が交換をしないからですかね?
Aさん:それもあるけど、この国の人はお札を大事にしないのよ。
僕:大事にしないんですか?何ででしょう?
A さん:そもそもね、お札に価値があるなんて思ってないのよ。明日になったら紙切れかもしれない。そんな封にしか考えてないんだと思うよ。つまり、明日が見えない生活をしてるのよ。
僕:そうなんですか?アルゼンチンって、そんな状況なんですか?
Aさん:そんな状況よ。だからみんな貯金もしないし、みんな使ってしまうのよ。日本はそんなことないでしょ?明日が見えるし、大切に使う。暗いニュースが多いみたいだけど、アルゼンチンから見たら、日本は本当に素晴らしい国よ。50年もアルゼンチンに住んでるけど、最近日本に行きたいなって思ってしまうし。
僕:ここには多くの日本の若者が来ますけど、彼らの意識はどうなんでしょうか?
Aさん:みんな一様に「海外に出てみて、日本の素晴らしさが分かった」って言うわね。これはとても大切なことよ。中にいると、どうしても悪い点ばかりが見えてしまうからね。私は1979年に日本に行って話をする機会があったんだけど、みんな海外になんて興味を持ってなかったわ。今はどうなのかしら。
僕:今は全然違いますよ。日本人自身が、日本を見つめ直そうって空気になっている気が僕はしますね。
Aさん:それは素晴らしいことね。携帯電話をテーブルの上に置いておいても誰も盗らない国なんて、きっと日本だけよ(笑)。
僕:日本には、レティーロの裏のようなスラムもありませんしね。
Aさん:中産階級が日本ほど多いっていうのは、すごいことよ。大金持ちじゃなくても、みんな明日に希望を持てる。人生の見通しが立てられる。レティーロのスラムには、なんと9万人もの人が住んでいるのよ。しかも政府に操られて。
僕:9万人もいるんですか?そして政府に操られているっていうのは…?
Aさん:例えば、今日デモがあったでしょ?ああいうのに、スラムの人達が駆り出されるのよ。ちょっとのお金を握らされて。サッカーの試合もそうね。彼らは盛り上げ役もあって見に行くけど、政府は彼らを利用しているから、暴動を起こして死者が出たって、大して騒がれない。政府は少しの補助金を渡して彼らを動かしてるから、彼らの生活が良くなるはずがない。いつまでもスラムの生活なのよ。
僕:そうなんですか…。学校には行ってるんですか?
Aさん:パブリックの学校にね。少しでもお金のある人たちは、スラムの人達を嫌って、みんなプライベートの学校に行かせているわ。だからパブリックの学校にはスラムの人達ばかりになってしまっているの。日本は、そこまでのことはないでしょ?
僕:アルゼンチンってそういう状況なんですね。全然知らなかったです…。
Aさん:日本は本当に素晴らしい国よ。第二次世界大戦で負けてからも、ここまでの復興を成し遂げた。みんなもっと日本に自信を持っていいのよ!
この他にも色々話したのだが、とにかく深い話をすることができた。一貫してお話しされていたのは、日本の良さ。僕は正直、「日本は悪いことをしてきた」と教えられた世代だ。僕自身も日本を離れることで、とてもこの国のことをよく考える。
若者へ。
ちょっと日本を飛び足してみよう。休学?問題なし。留年?全然大丈夫。もし興味があれば、関心があれば、ちょっとの行動力があれば、日本を離れて世界を流れてみよう。きっと面白いぞ!(笑)
2013年6月18日。バスを待つ、アルゼンチンの片田舎の町にて。