2014年1月12日。
《人は誰でも毎日安らかに眠りたいと願うものである。しかし、そうもいかない夜もあるものだ。今回は、過酷な状況に追い込まれ1人苦闘する、可哀想な日本人の物語である。》
1日を終えて布団に入る、その瞬間。とってもいいものだ。心からリラックスできる瞬間である。
しかし人生長く生きていると、そうもいかない時もある。仕事のことで悩んでいたり、好きな人のことで頭がいっぱいになったり・・・。そんな経験、誰しもがあるだろう。
藤本正樹(ふじもん)34歳。大人になれないどうしようもないおっさん。そんな彼は昨夜、非常に寝苦しい夜を過ごしていた。
場所はブルンジの首都・ブシュンブラにある安宿。普段からとても寝付きの良い彼は、この日も横になったらすぐにす~っと眠りの世界に墜ちていった・・・
のだが、事件はここから始まった。詳しくはふじもんさん本人にお話しをしてもらおうと思う。
Q1:ふじもんさん、一体何があったんですか?
A1:もうですね、最悪ですよ。僕は1人でゆっくり寝たかったのに、僕のベッドに頼んでもいないのに添い寝しに来たやつがいるんですよ。それも何人、いや何匹も!
Q2:・・・どういうことですか?「匹」ということは・・・?
A2:そう、「匹」です。奴らは小さくて黒くて足がたくさんあって、見た目も気持ち悪い。しかも気持ち悪いだけじゃなく、人の血を吸ってきやがるんですよ!
Q3:そ、それはまさか・・・ダニですか・・・?
A3:その通り!ダニですよダニ!それも何匹もベッドを這っているんですよ、もう気が狂いそうになりますよ・・・!
その日、彼はいつものように横になり、あっという間に眠り墜ちて行った。
気持ちよくウトウトしかけた時、彼は身体に異変を感じた。「んん?なんか痒いぞ・・・?」
それも生半可な痒みではない。最初、彼は蚊かと思ったのだが、蚊帳はバッチリ使っていたし、穴も空いていない。蚊のはずはない。
それにこの異常なまでの痒み・・・間違いなく蚊のレベルではない。
彼は焦った。実は彼はこれと全く同じ状況を、スーダンでも体験していたからだ。
「ま、まさか・・・まだダニか・・・!」
Q4:痒みを感じてから、どのように行動したんですか?
A4:もう飛び起きましたよ。この異常なまでの痒さ、実は以前スーダンでも体験していたんです。その時も犯人はダニーダ大佐でした。奴の攻撃力は尋常じゃない。そして見た目も気持ち悪い。僕の中での「世界三大“死んで欲しい生き物くん”ランキング」は蚊・ゴキブリ・ハエだったのですが、この度間違いなくダニがトップ3にランクインしました。
飛び起きて、まず電気を付けるわけです。そしてベッドを見回すんですね。でも、すぐには何も見付かりません。奴も小さいですし、表にはなかなか出て来ませんからね。
※ここが事件発生現場であるブシュンブラの安宿。7号室は要注意だ。
Q5:そして・・・?
A5:ふと蚊帳を見上げると、いやがるんですよ、ここに!蚊帳を登ってやがるんです。黒い点が何か所かあるんですよ!
「あれ?これはまさか・・・?」と思って顔を近付けると、不気味に動いてやがるんですよこれが!こいつが忌まわしきダニーダ大佐なんです!しかもデカいんですよけっこう。5mmくらいはあるかな。肉眼でハッキリ確認できますからね。犬や猫を飼ったことがある人なら、ペットに付くダニを見たことがある人も多いでしょう。あれと全く同じ奴です。
彼は思わず声を上げた。「あ~もう、またオマエかよ~・・・!」
差し当たり見付かった2匹のダニーダ大佐を捕え、有無を言わさず踏んづけて死刑に処す。するとブチッと、中から血が出るのだ。これがまた気持ち悪い。しかもこの血、おそらく彼自身のものなのだ・・・。
彼は考えた。眠いことは眠い。しかも次の日は国境越えの移動日で、朝5時半にはバスターミナルに向かわなければならないのだ。少しでも寝ておきたい。
Q6:なるほど。それで結局どうされたんですか?
A6:呪われたベッドを部屋の端に寄せて、地面に寝袋を敷いて寝ることにしました。地面はコンクリートでしたが、幸い床はとても綺麗に掃除されていたので、まぁ寝袋を敷いてもいいかなと。ベッドにはよっさんが日本から持ってきてくれた「ダニ退治スプレー」を全力で噴射し、とりあえず横になりました。
Q7:コンクリートはきついですね・・・。結局眠れたんですか?
A7:眠れないんですよ、これが!下が固くてというのもあるのですが、それ以上にもう痒くて痒くて仕方ないんです。皆さん、全身をダニーダ大佐に攻撃されたことってありますか?もうですね、ハンパじゃないですよ!ちなみに今もこの原稿を書きながら、痒くて痒くて仕方ないんです。
スーダンでも同じくらいやられました。完全に痒みが引くのに何日かかったことか・・・。もうホントに辛かったですね。この経験だけはもうマジで勘弁!と思っていたのに、やってきてしまいましたよ、アフリカの悪夢。再来です・・・。
眠れないので「ダニーダ大佐掃討作戦」も実施しました。気持ち悪いけどシーツをめくって、大佐を発見したら即死刑。>これが気持ち悪いんだな!ふと見るとシーツの上をひょこひょこ這ってたりするし。合計10匹以上刑に処してやりました。
Q8:刺されたところは蚊に刺されたようになるんですか?
A8:蚊の強烈版ですね。もっと腫れて、痒みも強いです。ちなみにダニの種類によっては、人間の身体の中に卵を産むそうなんですね。詳しくは分かりませんが、それが一定時間ごとに活動することもあるらしく、痒みを通り越して痛むのだとか。実際にその症状にやられて、ヨーロッパで入院したという日本人の話も聞きました。
僕もあちこちかなり腫れてるので、卵が入ってんじゃないか・・・と考えると恐ろしくなります・・・。
Q9:そんなことも有り得るんですか・・・恐ろしいですね・・・。ではそんな闘病中のふじもんさんから、日本の人たちにメッセージをお願いします。
A9:日本の若者よ。若い時は何でも経験するものだ。ぜひ!一度ダニーダ大佐の襲撃を全身に受けてくれたまえ!今僕がこうして喚いていることの意味が理解できるであろう。そして一緒に「ダニって怖いね~」と言いながら酒を飲もう!
もし「そんな経験もしてみたいな~」という勇気ある大馬鹿者がいたら、ぜひ僕に連絡を下さい(笑)。ダニーダ大佐が生息している素晴らしいベッドをご紹介致してあげよう!
※この部屋のこのベッドで、凄惨な事件は起きてしまった…。
痒い、ああ痒い・・・。
ダニの毒は全身に回るらしく、明らかに刺されていないところにも腫れが出てくる。リンパ腺のある腕や足の付け根、そして皮膚が柔らかい部分などは、特に痒くなる。ぶっちゃけ、チ○コの横とかも腫れが出てきて痒いのだ・・・。
辛い、おお辛い・・・。
健康って素晴らしい。元気でいることって本当に素晴らしい。あんな小さな気持ち悪い虫ごときにこんなに苦しめられるなんて、ホントに腹立つぜ!マジでムカつくぜ!一匹ずつしばき倒してやりてぇぜ!
今日僕は国境を越えてタンザニアに入国した。宿泊はもちろん懲りずに安宿。おお神よ、お願いだから今日はダニーダ大佐の襲撃だけは勘弁してくれたまえ・・・!
2014年1月12日。タンザニア西部のタンガニーカ湖のほとりの田舎町、キゴマの安宿にて。
※僕がスーダンで苦しめられた安宿の屋上から見たカッサラという街。この宿のドミトリーのベッドにも要注意です!
世界一周 ブログランキングへ
ブログランキングに参加しています。「いいね!」と思っていただけたら、バナーにクリックをお願い致します!
《人は誰でも毎日安らかに眠りたいと願うものである。しかし、そうもいかない夜もあるものだ。今回は、過酷な状況に追い込まれ1人苦闘する、可哀想な日本人の物語である。》
1日を終えて布団に入る、その瞬間。とってもいいものだ。心からリラックスできる瞬間である。
しかし人生長く生きていると、そうもいかない時もある。仕事のことで悩んでいたり、好きな人のことで頭がいっぱいになったり・・・。そんな経験、誰しもがあるだろう。
藤本正樹(ふじもん)34歳。大人になれないどうしようもないおっさん。そんな彼は昨夜、非常に寝苦しい夜を過ごしていた。
場所はブルンジの首都・ブシュンブラにある安宿。普段からとても寝付きの良い彼は、この日も横になったらすぐにす~っと眠りの世界に墜ちていった・・・
のだが、事件はここから始まった。詳しくはふじもんさん本人にお話しをしてもらおうと思う。
Q1:ふじもんさん、一体何があったんですか?
A1:もうですね、最悪ですよ。僕は1人でゆっくり寝たかったのに、僕のベッドに頼んでもいないのに添い寝しに来たやつがいるんですよ。それも何人、いや何匹も!
Q2:・・・どういうことですか?「匹」ということは・・・?
A2:そう、「匹」です。奴らは小さくて黒くて足がたくさんあって、見た目も気持ち悪い。しかも気持ち悪いだけじゃなく、人の血を吸ってきやがるんですよ!
Q3:そ、それはまさか・・・ダニですか・・・?
A3:その通り!ダニですよダニ!それも何匹もベッドを這っているんですよ、もう気が狂いそうになりますよ・・・!
その日、彼はいつものように横になり、あっという間に眠り墜ちて行った。
気持ちよくウトウトしかけた時、彼は身体に異変を感じた。「んん?なんか痒いぞ・・・?」
それも生半可な痒みではない。最初、彼は蚊かと思ったのだが、蚊帳はバッチリ使っていたし、穴も空いていない。蚊のはずはない。
それにこの異常なまでの痒み・・・間違いなく蚊のレベルではない。
彼は焦った。実は彼はこれと全く同じ状況を、スーダンでも体験していたからだ。
「ま、まさか・・・まだダニか・・・!」
Q4:痒みを感じてから、どのように行動したんですか?
A4:もう飛び起きましたよ。この異常なまでの痒さ、実は以前スーダンでも体験していたんです。その時も犯人はダニーダ大佐でした。奴の攻撃力は尋常じゃない。そして見た目も気持ち悪い。僕の中での「世界三大“死んで欲しい生き物くん”ランキング」は蚊・ゴキブリ・ハエだったのですが、この度間違いなくダニがトップ3にランクインしました。
飛び起きて、まず電気を付けるわけです。そしてベッドを見回すんですね。でも、すぐには何も見付かりません。奴も小さいですし、表にはなかなか出て来ませんからね。
※ここが事件発生現場であるブシュンブラの安宿。7号室は要注意だ。
Q5:そして・・・?
A5:ふと蚊帳を見上げると、いやがるんですよ、ここに!蚊帳を登ってやがるんです。黒い点が何か所かあるんですよ!
「あれ?これはまさか・・・?」と思って顔を近付けると、不気味に動いてやがるんですよこれが!こいつが忌まわしきダニーダ大佐なんです!しかもデカいんですよけっこう。5mmくらいはあるかな。肉眼でハッキリ確認できますからね。犬や猫を飼ったことがある人なら、ペットに付くダニを見たことがある人も多いでしょう。あれと全く同じ奴です。
彼は思わず声を上げた。「あ~もう、またオマエかよ~・・・!」
差し当たり見付かった2匹のダニーダ大佐を捕え、有無を言わさず踏んづけて死刑に処す。するとブチッと、中から血が出るのだ。これがまた気持ち悪い。しかもこの血、おそらく彼自身のものなのだ・・・。
彼は考えた。眠いことは眠い。しかも次の日は国境越えの移動日で、朝5時半にはバスターミナルに向かわなければならないのだ。少しでも寝ておきたい。
Q6:なるほど。それで結局どうされたんですか?
A6:呪われたベッドを部屋の端に寄せて、地面に寝袋を敷いて寝ることにしました。地面はコンクリートでしたが、幸い床はとても綺麗に掃除されていたので、まぁ寝袋を敷いてもいいかなと。ベッドにはよっさんが日本から持ってきてくれた「ダニ退治スプレー」を全力で噴射し、とりあえず横になりました。
Q7:コンクリートはきついですね・・・。結局眠れたんですか?
A7:眠れないんですよ、これが!下が固くてというのもあるのですが、それ以上にもう痒くて痒くて仕方ないんです。皆さん、全身をダニーダ大佐に攻撃されたことってありますか?もうですね、ハンパじゃないですよ!ちなみに今もこの原稿を書きながら、痒くて痒くて仕方ないんです。
スーダンでも同じくらいやられました。完全に痒みが引くのに何日かかったことか・・・。もうホントに辛かったですね。この経験だけはもうマジで勘弁!と思っていたのに、やってきてしまいましたよ、アフリカの悪夢。再来です・・・。
眠れないので「ダニーダ大佐掃討作戦」も実施しました。気持ち悪いけどシーツをめくって、大佐を発見したら即死刑。>これが気持ち悪いんだな!ふと見るとシーツの上をひょこひょこ這ってたりするし。合計10匹以上刑に処してやりました。
Q8:刺されたところは蚊に刺されたようになるんですか?
A8:蚊の強烈版ですね。もっと腫れて、痒みも強いです。ちなみにダニの種類によっては、人間の身体の中に卵を産むそうなんですね。詳しくは分かりませんが、それが一定時間ごとに活動することもあるらしく、痒みを通り越して痛むのだとか。実際にその症状にやられて、ヨーロッパで入院したという日本人の話も聞きました。
僕もあちこちかなり腫れてるので、卵が入ってんじゃないか・・・と考えると恐ろしくなります・・・。
Q9:そんなことも有り得るんですか・・・恐ろしいですね・・・。ではそんな闘病中のふじもんさんから、日本の人たちにメッセージをお願いします。
A9:日本の若者よ。若い時は何でも経験するものだ。ぜひ!一度ダニーダ大佐の襲撃を全身に受けてくれたまえ!今僕がこうして喚いていることの意味が理解できるであろう。そして一緒に「ダニって怖いね~」と言いながら酒を飲もう!
もし「そんな経験もしてみたいな~」という勇気ある大馬鹿者がいたら、ぜひ僕に連絡を下さい(笑)。ダニーダ大佐が生息している素晴らしいベッドをご紹介致してあげよう!
※この部屋のこのベッドで、凄惨な事件は起きてしまった…。
痒い、ああ痒い・・・。
ダニの毒は全身に回るらしく、明らかに刺されていないところにも腫れが出てくる。リンパ腺のある腕や足の付け根、そして皮膚が柔らかい部分などは、特に痒くなる。ぶっちゃけ、チ○コの横とかも腫れが出てきて痒いのだ・・・。
辛い、おお辛い・・・。
健康って素晴らしい。元気でいることって本当に素晴らしい。あんな小さな気持ち悪い虫ごときにこんなに苦しめられるなんて、ホントに腹立つぜ!マジでムカつくぜ!一匹ずつしばき倒してやりてぇぜ!
今日僕は国境を越えてタンザニアに入国した。宿泊はもちろん懲りずに安宿。おお神よ、お願いだから今日はダニーダ大佐の襲撃だけは勘弁してくれたまえ・・・!
2014年1月12日。タンザニア西部のタンガニーカ湖のほとりの田舎町、キゴマの安宿にて。
※僕がスーダンで苦しめられた安宿の屋上から見たカッサラという街。この宿のドミトリーのベッドにも要注意です!
世界一周 ブログランキングへ
ブログランキングに参加しています。「いいね!」と思っていただけたら、バナーにクリックをお願い致します!