京都の町屋上京区の続きです。
萬亀楼
歴史的意匠建造物
上京区猪熊通出水上る蛭子町
享保7年(1722)に造り酒屋を創業、安永9年(1780)に茶店を営み料理を供するようになる料理店です。
御所ゆかりの生間流式庖丁(当代30代目生間正保)・有職料理を正式に継承していることでも知られています。
主屋は明治5年(1872)の建築で、北棟は表屋造りの形を思わせます。
南棟の1階部分は切子格子と腰部が押縁を持つ下見板張り,2階は長押が設けられた真壁中央に長円形の虫籠窓が設けられています。
ニーズに合わせて連棟等の工夫を行い,町家の意匠を引き継いだ外観が特徴的です。
部屋に生ける茶花は敷地内で育てているそうです。



笠間邸
歴史的意匠建造物
上京区椹木町通猪熊東入講堂町



川勝邸
歴史的意匠建造物
上京区六軒町通五辻上る末広町
ここも現役の井戸があり、京都市の災害時協力の井戸になっています。



鎌田邸
歴史的意匠建造物
上京区笹屋町通六軒町西入笹屋5丁目


梶田邸
歴史的意匠建造物
上京区笹屋町通千本西入笹屋4丁目


タマヒメ酢齋藤造酢店
歴史的意匠建造物
上京区一条通御前西入西町
北野天神の近くの昔からある古い酢屋で、代々続く伝統の製造方法を守り続けています。


湯浅邸
歴史的意匠建造物
上京区黒門通下立売上る南蟹屋町



京町屋外観の特徴
屋根一階庇の最前列は一文字瓦葺いています。
横の一直線と格子の縦の線の調合が町屋の外観美の一つです。
格子は戦国時代からで、内からは外がよく見え、外からはよく見えないようになっています。
家の商いや家主の好みでデザインが異なります。
上部が切り取られた「糸屋格子」、太い連子の「麩屋格子」、「炭屋格子」、重い酒樽や米俵を扱う「酒屋格子」、「米屋格子」、繊細な「仕舞屋格子」などがあります。格子を紅殻で塗ったものが紅殻格子。
ばったり床几は元々は商いの品を並べるもので、後に腰掛け用に床几として近隣との語らいの場でした。ばったりとは棚を上げ下げするときの音からきています。
虫籠窓は表に面した二階が低くなっている「厨子二階」に多く見られる意匠。
防火と道行く人を見下ろさない配慮と言われています。
犬矢来
竹の犬矢来は割竹を透き間なく組んだものから、少し透かしたものまでさなざまです。
直線的な町屋の表情を和らげてくれます。
駒寄
家と道との境界に巡らされた格子の垣。元は牛馬をつなぐためのものでした。
意匠もさまざま、栗や欅などの硬い木が使われることもあります。
鍾馗
厄除けの瓦人形は京町屋の屋根の象徴です。
各種建造物指定の説明
歴史的意匠建造物
歴史的な意匠を有し、地域の景観のシンボル的な役割を果たしている建築物等を京都市が指定するものです。
堀川通りの西は道が狭く、ほとんど一方通行ですが、京町屋が比較的残っているほうです。
萬亀楼も古いお店で、店構えもいいですね。
このあたりは町屋さがしも大変でした。
ありがとうございます。
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昨年末に初めて萬亀楼の辺りを歩きました。
堀川通りを少し入るとこういう佇まいの通りがあり、私は何も知らないなぁと思いました。
萬亀楼の暖簾と腰板が印象にのこっています。
ありがとうございます。