おもちゃの病院に目覚まし時計を持ち込んだ人がいました。
本来、目覚まし時計はおもちゃではないので預かりません。
でも今回は預かってしまったようです。
落としたら動かなくなったとのことです。
皆で分解しようとしたのですが、ムーブメント部分のケースが中々開きません。
ケースは爪で押さえているので、爪の部分をこじったのですが開きません。
この部分を分解しないと修理できないので、
ケースが壊れるのを覚悟して思いきり力を入れてなんとか開くことが出来ました。
でもケースが割れてしまったのです。
(いつもはこんなに開きにくいことはないのですが・・・・・・。)
ムーブメントケースの中は、
IC・水晶発振子等の付いた基板、エナメル線を巻いたコイル、
沢山の歯車等が組み込まれています。
このムーブメントに電気を繋いでもまったく動きません。
コイルからのエナメル線が基板に半田付けされているところをテスターで測定すると、
1秒毎にDC電圧がプラス・マイナスに針が振れていました。
これで電子回路は正常に作動しているのが判りました。
コイルからのエナメル線をたどると、なんとエナメル線が切れていました。
エナメル線が部品の陰に隠れていたので切れていることに気が付きませんでした。
半田付けする場所が奥まっているし、細い線なので結構手こずりました。
何とか半田付けを済ますと、順調に作動し始めました。
最近この時計以外にも時計が止ってしまい全く動かないものや、
秒針が行ったり来たりというような症状の時計を数件手懸けました。
大体は電池交換で直るのですが、
11年ほど前に記念で戴いた時計などは、
内部基板の半田付けをしなおし、歯車の組みなおしをしてやっと直りました。
この時計等は、多分歯車類が相当磨耗していると思うので、
後どの位使えるのかは判りません。
落下などの衝撃を与えないようにして、寿命を全うさせたいです。