おもちゃの病院に古いメトロノームが持ち込まれました。
ゼンマイが巻けず、振り子の針が動かないということでした。
メトロノームはおもちゃではないのですが、
最近直した経験があったので一応預かることにしました。
実は先日訪れた親の家に動かなくなったメトロノームが置いてありました。
弾かなくなった電子ピアノは処分したのですが、メトロノームが残っていたのです。
もう使わないから、要らないと言うので貰ってきました。
内部がどうなっているのか知りたいので、分解するとゼンマイが油で固まっていました。
油を差しても動きません。
ゼンマイが固まっているので、
ゼンマイに油をたっぷり浸み込ませてから押したりずらしたりして金属板の間に油が入るようにしました。
他の部分にもたっぷりと注油していきました。
暫らくすると振り子がうごくようになりました。
今回持ち込まれたメトロノーム、先日直したのとほとんど同じ構造でした。
ただ、油の固まり方が強く細かいところまで完全には綺麗には出来ませんでした。
最初動き出したときは弱々しい振り子の動きでしたが、
新しい油で古い油を溶かしながら根気よく磨いていくと力強い振り方になりました。
奥のほうが完全に綺麗に出来ないせいか、4~5分位で止まってしまいます。
時間が経てば油の力で徐々に溶けて動き出すのかもしれませんが、
はっきりとした事は判りません。
持ち主の方が引き取りに来たので、完全な修理が出来てないことを説明して返却しました。
やはり自分の満足のいく結果ではないので残念でした。
もし古い動かなくなったメトロノームをお持ちの方がいたら、
ゼンマイに油を差して固まっているゼンマイをほぐし、そのほかの部分、部分に注油してみてください。
もしかすると、動き出すかもしれません。
この時使った油は普通の機械油です。
グリスの方が良いのかも知れませんが、取り合えず手持ちの物を使いました。
写真は先日直したほうのメトロノームです。
(小さい画像はクリックすると大きくなります)
ケースから取り外して見ました。
右上がゼンマイ、右下の円盤がベルを拍数によって鳴らす装置、左下が振り子の重り。
それらの真ん中位の位置の棒に付いた小さなボッチが
ゼンマイの力で回転してコチコチと振り子を降らせるもの。
上の写真と同じところを角度を変えて撮りました。
(他の写真はクリックすると大きくなります)
真ん中の歯車(左側に9個の歯がついたもの)ゼンマイを巻くとき一回転ごとに歯が進み
9回転以上回らないよう、ゼンマイが解けるときも9回転以上解けなくなっています。
電子回路に使う IC 等は中身が見えないブラックボックスですが、
こんな機械を見ると本当に判りやすいです。
色々な工夫が詰まっているものだと感心します。
質問なのですが、注油している油はどういったものですか?