本日はルルルです
宇津田晴さん『レディ・マリアーヌの秘密』
叔父に憧れて騎士として剣術を学び凛々しく成長したマリアーヌ。兄弟子に恋をしますが
彼が好きになったのは儚く可憐な姉でした。失恋を機に剣を捨て可愛い乙女になることを
決意したマリー。王女の話相手として向かった王宮で乙女生活をスタートさせるのですが…
宇津田さんの新作は初めての西洋風ファンタジー
王国の地方領主の次女として生まれたマリアーヌは
元騎士である叔父に憧れて剣を学びます。
黄金の髪なびかせる凛々しい男装の騎士は
乙女の夢見る王子様そのものでしたが
マリーは兄弟子に密かな思いを抱いていましたが
彼が恋をしたのは可憐で儚い彼女の姉でした
健気にも彼と姉の恋を応援し失恋したマリーは
叔父の紹介で幼い王女の話相手として
華やかな王都の栄えある王宮に上がる事を決意します。
迎えてくれた王女は素直で愛らしい少女でしたが
王が病に倒れて以降の王宮は
第一王子は新興宗教の傾倒して妖しげな教義に耽り
王女が頼りにしていると言う第二王子も
女性との逢瀬にしか興味を示さないと言う事態
可憐なと乙女生活を目指しすマリーでしたが
彼女の昔を知る王女の騎士団長や男前な性格が災いして
ドレス姿でも彼女の言動は騎士そのもの
しかも舞踏会で不審人物と疑った人物こそ
女性との噂が絶えない第二王子で
知らずとは言え王子に襲いかかったマリーは
黙っている代りにと下僕認定されてしまいます
果たしてマリーは夢見たレディーになれるのか
あらすじの男装の麗人の描写で
栗原さんの『レッド・アドミラル』の主人公である
颯爽とした海軍将校である思い浮かべましたが
本作の主人公は
清家さんの『身代わり伯爵』の主人公に近かったです
といっても騎士修業はバッチリで
第二王子にお前が普通の乙女なら
王宮内の騎士は更にか弱い乙女だと言われるほど
男前で腕も経つのですよ
そんな口の悪い王子様ですが
実態は父王と兄王の分まで公務を行っていて
現状を支えるのが精いっぱいだったのです。
そんな王子の下僕というか下働きになったマリーは
持ち前の行動力と正義感で
王宮をくすぶらせている現況に迫るのが
本作のメインストーリーでしたが
元凶だった新興宗教の教祖が狙っていた
王家の秘宝の使い手になってしまったので
評判が良ければ続きそうですね~
ぜひシリーズ化して欲しいです