本日はルチルで黒崎あつしさん『花嫁いりませんか?』
イベント会社社長の受様は学生時代に恩のある友人にはなぜか逆らえない。
ある日、彼から掃除洗濯料理運転手となんでも出来る器用な攻様を嫁だと思
って使ってやってくれと押し付けられる。最初は戸惑う受様だったが・・・
既刊『旦那さまなんていらない』に続く花嫁シリーズ第三弾は
前作の攻様(本作の受様の先輩)宅の使用人が攻様となって登場
受様はやんごとなき血筋の名家の宗主の庶子でしたが
正妻に男子が生まれると本家から追い出された為、
大学卒業後に起業したイベント会社が軌道に乗ると
受様は養育費を一括返済して一方的に縁を切ります。
しかし受様の会社がマスコミにも注目され始めると
衰退の一途の本家から受様を取り込もうとする誘いがかかり、
受様もいい加減辟易していました。
そんな受様に救いの手を差し伸べてくれたのは
受様の本家同様名門の嫡子で
転入先の名門校でも一目置かれた先輩でした。
先輩は愛情や義理人情に解さない人でしたが
なぜか彼の親友として出席させられたお茶会で
婚約者だという男子高校生の傍らに立つ彼は
びっくりするくらい優しい笑顔をみせた上
借りと思われないようにと彼がよこした土産に
言葉も無くなってしまいます
手土産は車一台…運転手付
この運転手が今回の攻様になります
親戚筋とのトラブルを知られていたらしく
攻様はボディーガードも兼ねていて
トラブル解決までは返品不可と
受様の都合は一切受け付けられません
強引な先輩に負けて攻様を連れ帰る受様ですが、
攻様の会社にまで着いてきて
受様は気が休まる暇が有りません
こんな状況で攻様は
本当にトラブル解決の助けになるの
受様は生立ち故に常に孤独に生きてきた為
ソレを当然と思っているところが有り
攻様の存在に徐々に慣れていっても
借りものだからとなかなか懐きませんが
攻様の存在と今回のトラブルをきっかけに
自分の周りにいる人の違った面が見えてきて、
ある種閉鎖的だった受様の世界に
大きな変化をもたらす事になります。
黒川さんのお話の主人公は
一見変わった性格の人が多いですが
人と関わる事で変わっていく様が
とても自然に描ける作家さんなので
最後に受様が攻様とまとまるまで
大人なわりに天然で鈍いうけさまの言動に
ハラハラしながら楽しく読めました