本日はルチルです崎谷はるひさん『静かにことばは揺れている』
リラクゼーション系サービス会社の社長である攻様は、仕事相手の音叉セラピスト
から突然キスされる。息子の為の女装を誤解されていると思った攻様はあわてるが
彼は勘違いを詫びてくれ、息子も交えて友情を育むようになるのだが?!
『心臓がふかく爆ぜている』のスピンオフ、
前作の受様の親友の恋物語になります
攻様はリラクゼーション系の
総合サービス会社の会社を経営しています。
幼馴染と妻と三人で雑貨店から始めた会社でしたが
総合プロデューサーの幼馴染が顔を出す事を渋り続けた為
攻様は妻亡きあとに始めた女装のまま社長として奮闘してきました
しかし恋人を得た幼馴染はアロマセラピストとして
表舞台にも積極的に出るようになり、
母を慕った息子を落ち着かせる為と
話題づくりの感のある女装の機会は減りつつあり
今評判のアロマテラピー講座や講習会以外にも
攻様は更に目新しいモノが欲しいと思います。
そんな時、
幼馴染から知人だという音叉セラピーなるモノを紹介され、
まずは社内での講習となります。
このセラピストこそ今回の受様になります
受様は幼馴染の元同僚で真面目で誠実そうな印象ですが、
講師としての態度は堂々としたもので、
受様の施術に懐疑的らしい攻様を実験台にするほど
したたかな面も見せてくれます。
こういう相手との仕事も意外におもしろいかと思った攻様ですが、
慰労を兼ねた懇親会で積極的に迫られて困惑してしまいます
どうも幼馴染のゲイ友らしい受様は
攻様の女装をご同類ゆえと思ったらしく
誤解が解けてからは改めて仕事相手として頭を下げられます。
仕事のみでの付合いをしようと思っていた攻様でしたが
息子と行ったデパ地下で偶然はち合わせした事をきっかけに
息子が受様に妙に懐いてしまい私的にも付合いを始める事に
やがて攻様は受様を本気で欲しいと思いはじめますが
受様は全てを委ねてはくれなくてません。
受様の隠している過去には何が有るのか
前作も受様が過去におったトラウマでウダウダでしたが
本作の受様は生立ちから既に
トラウマ満載のクダクダな過去持ちです
攻様と出会う事で全ての原因となった弟との関係に
完全に終止符が打たれてるまで
次々と問題が現れてどうなる事かとハラハラの連続
受様が幸せな暮らしを手に入れられて
ホントに良かったです
攻様視点な為に受様の追った傷の
本当の重さは判りませんが
傷つけられても
その原因となった人物を疎まずその状況を受入れ
前向きに進んできた受様が優しくあれる事に
彼の強さを感じましたね
ちょっと読み難いかもですが、
厚さによる食わず嫌いは勿体ないですよ。
やっと本作のレビューがかけて良かった