吐露と旅する

きっと明日はいい天気♪

お城のおはなし

2013-05-01 23:01:23 | インポート
私が、海があるまちに住んでいた、小学校の1、2年生の頃のおはなしです。

私が住んでいたのは、道路を1本超えると、そこは直ぐに海という場所で
でも、その道路は、車通りの多い大きな道路でしたし
海は、遊泳禁止の場所だったので
私たち子供は、子供たちだけで海に行ってはいけないことになっていました。

でも、子供というのは、やってはいけないことをやりたくなる生き物です。
私たちは、ドキドキしながら、車通りの多い道路を渡り
大人に見付からないかと、緊張しながら海へ行っていました。

浜に流れ着いた木の枝を集めて遊んだり
(集めて何をしたかは覚えていません)
何ヶ月も、何年もかけて、波で白く丸く削られたガラスを集めたり
(集めてどうしたのかは、やっぱり覚えていません)
こっそり家から持ち出したおやつを持ち寄って食べたりして
いつも楽しく遊んでいました。

ある日、海沿いの空き地に、大きな建物が建てられました。
それは、まるで絵本に出てくるお城の様な、とても素敵な建物で
私たちは、その建物が出来上がるのを、ワクワクしながら待っていました。

どんな素敵な人が住むんだろう。
どんな素敵なお洋服を着ているんだろう。

私たちは、ドレスを着た美しい女の子を想像し
その女の子に会えるのを、毎日心待ちにしていました。

なのに、お城だ出来てからのことを、私は何故か覚えていません。
あんなに楽しみにしていたはずなのに、覚えていないのです。
多分、知っているはずなのに…。

その後、私は3年生になる前に引越しをして
札幌の小学校に転校しました。

当時のお友だちとも、それっきりになってしまいました。

そして、そのお城が、大人の男性と女性のためのお城だと知ったのは
私が、もう少し大きくなってからのことでした。


こんなことを、なんのキッカケもないのに、なぜ急に思いだすんだろう…。