帰宅するために、JRに乗っていたときのこと。
前を走っていた電車が、ブレーキの異常が発生したとかで
点検のために、ひとつ向こうの駅で停まってしまったらしい。
そのせいで、私の乗っていた後続の列車が、駅の手前の中途半端な位置で停車してしまいました。
週末の夕方の、混み合う電車の中は、乗客たちの無言の苛立ちが充満しています。
乗客に状況を告げる車内アナウンスが、数分おきに繰り返されるのですが
どうやら、無言の苛立ちを察して、焦っているのか
「お急ぎのところを、誠に恐れ入ります
前の電車がブレーキ異常のため、現在、駅構内にて停車して点検をしております
お急ぎのところを申し訳ありませんが、発車まで暫くお待ちください
大変ご迷惑をしております」
ええ!?
私は、自分の耳を疑いました。
迷惑してるの、いったい誰!?
乗客の苛立ちを感じて、焦る気持ちは分からないわけではないけれど
間違っちゃいけないとこ間違ってるでしょ!
何分かして、また車内アナウンスが流れました。
「お急ぎのところを、誠に恐れ入ります、
前の電車がブレーキ異常のため、現在駅構内に停車して点検をしております
お急ぎのところを申し訳ありませんが、発車まで暫くお待ちください
大変ご迷惑をしております」
ええ!?またっ!?
最初のは焦って早口になってしまったための言い間違いだったとしても
2回目は有り得ないのでは!?
しかし、車内の乗客たちは、なかなか発車しないことへの苛立ちと
この時間の遅れをどうしようということで一杯なのか
誰も、アナウンスに突っ込む様子がありません。
むしろ、誰かが気付いて
「今のアナウンス、おかしくない?」
と、突っ込んだ方が、車内の空気も多少は緩むだろうに。
だからと言って、私が1人で
「今のアナウンス、おかしくない?」
などと呟いては、おかしいのは私の方になってしまう。
いや、おかしいを通り越して、アヤシイ?アブナイ?人にされかねない。
そんなことを暫く考えていると、また車内アナウンスが。
「お急ぎのところを、誠に恐れ入ります
前の電車がブレーキ異常のため、現在、駅構内に停車して点検をしております
お急ぎのところを申し訳ありませんが、発車まで暫くお待ちください
大変ご迷惑をしております」
「おそらく」と、いうより、「きっと」
こういった事態が発生したときのために
その時の状況に合わせた、アナウンスのマニュアルが用意されていていると思うのだけど
読むのが得意な人、不得意な人がいるのだろう。
そして、今日の担当者は、後者。
彼が今後、もっと落ち着いて、ゆっくりと間違えないようにアナウンスが出来ますように。
私がそんなことを考えながらぼんやりしていると、また再び車内アナウンスが流れました。
「大変お待たせいたしました
先程、前の電車のブレーキの点検が終了いたしました
前の電車が駅を出次第、この電車が発車いたしますので、今暫くお待ちください」
よし、大丈夫 (アナウンスがね)
車内のあちこちに、疲れの混じった溜息がこぼれました。
更にその数分後
「皆さま、大変お待たせを致しました
只今、前の電車の電車が出発致しました
間もなく、この電車が出発いたしますので、お近くの手摺やつり革におつかまりください
お急ぎのところをお待たせして、誠に申し訳ありませんでした」
もう、アナウンスの方が気になってしまって、待ち時間なんか気にならなかったよ、私は。
そして、電車は、「ごとん」という音と共に、ゆっくりと動き出したのでした。
前を走っていた電車が、ブレーキの異常が発生したとかで
点検のために、ひとつ向こうの駅で停まってしまったらしい。
そのせいで、私の乗っていた後続の列車が、駅の手前の中途半端な位置で停車してしまいました。
週末の夕方の、混み合う電車の中は、乗客たちの無言の苛立ちが充満しています。
乗客に状況を告げる車内アナウンスが、数分おきに繰り返されるのですが
どうやら、無言の苛立ちを察して、焦っているのか
「お急ぎのところを、誠に恐れ入ります
前の電車がブレーキ異常のため、現在、駅構内にて停車して点検をしております
お急ぎのところを申し訳ありませんが、発車まで暫くお待ちください
大変ご迷惑をしております」
ええ!?
私は、自分の耳を疑いました。
迷惑してるの、いったい誰!?
乗客の苛立ちを感じて、焦る気持ちは分からないわけではないけれど
間違っちゃいけないとこ間違ってるでしょ!
何分かして、また車内アナウンスが流れました。
「お急ぎのところを、誠に恐れ入ります、
前の電車がブレーキ異常のため、現在駅構内に停車して点検をしております
お急ぎのところを申し訳ありませんが、発車まで暫くお待ちください
大変ご迷惑をしております」
ええ!?またっ!?
最初のは焦って早口になってしまったための言い間違いだったとしても
2回目は有り得ないのでは!?
しかし、車内の乗客たちは、なかなか発車しないことへの苛立ちと
この時間の遅れをどうしようということで一杯なのか
誰も、アナウンスに突っ込む様子がありません。
むしろ、誰かが気付いて
「今のアナウンス、おかしくない?」
と、突っ込んだ方が、車内の空気も多少は緩むだろうに。
だからと言って、私が1人で
「今のアナウンス、おかしくない?」
などと呟いては、おかしいのは私の方になってしまう。
いや、おかしいを通り越して、アヤシイ?アブナイ?人にされかねない。
そんなことを暫く考えていると、また車内アナウンスが。
「お急ぎのところを、誠に恐れ入ります
前の電車がブレーキ異常のため、現在、駅構内に停車して点検をしております
お急ぎのところを申し訳ありませんが、発車まで暫くお待ちください
大変ご迷惑をしております」
「おそらく」と、いうより、「きっと」
こういった事態が発生したときのために
その時の状況に合わせた、アナウンスのマニュアルが用意されていていると思うのだけど
読むのが得意な人、不得意な人がいるのだろう。
そして、今日の担当者は、後者。
彼が今後、もっと落ち着いて、ゆっくりと間違えないようにアナウンスが出来ますように。
私がそんなことを考えながらぼんやりしていると、また再び車内アナウンスが流れました。
「大変お待たせいたしました
先程、前の電車のブレーキの点検が終了いたしました
前の電車が駅を出次第、この電車が発車いたしますので、今暫くお待ちください」
よし、大丈夫 (アナウンスがね)
車内のあちこちに、疲れの混じった溜息がこぼれました。
更にその数分後
「皆さま、大変お待たせを致しました
只今、前の電車の電車が出発致しました
間もなく、この電車が出発いたしますので、お近くの手摺やつり革におつかまりください
お急ぎのところをお待たせして、誠に申し訳ありませんでした」
もう、アナウンスの方が気になってしまって、待ち時間なんか気にならなかったよ、私は。
そして、電車は、「ごとん」という音と共に、ゆっくりと動き出したのでした。