参院外防委 山添氏、制度是正迫る
日本共産党の山添拓議員は19日の参院外交防衛委員会で、米軍関係者による「公務外」の犯罪に対する被害者への補償制度の不備を追及しました。
日米地位協定18条は「公務外」の犯罪で日本人が被害を受けた場合、米側の支払い額・支払いの有無を含めて米側の判断に委ねるという、圧倒的に米側有利な規定を定めています。このため、1996年12月のSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)最終報告で、裁判で確定した賠償額との差額を日本政府が肩代わりする「SACO見舞金」が創設されました。
しかし、2008年に沖縄県沖縄市でタクシー運転手の宇良宗一さんが米兵2人に殴られ重傷を負った事件の訴訟で確定した金額のうち、日本政府は遅延損害金900万円を除外。その後亡くなった宇良さんの遺族が遅延損害金の支払いを求めた訴訟の上告審で最高裁は16日、被害者の上告を棄却する判決を出しました。
山添氏が遅延損害金を除外する根拠をただしたのに対し、防衛省の田中利則地方協力局長は「(遅延損害金は)直接の被害にあたらない」と答弁。山添氏はSACO最終報告や同報告に関する18年の閣議決定を示し、「遅延損害金を見舞金から除外するとの文言はあるか」とただすと田中氏は明示的な規定がないことを認めました。山添氏はあらためて、遅延損害金の支払いを求めました。
さらに、96~2023年の27年間で米軍人・軍属による刑法犯検挙件数は全国で2132件に対し、SACO見舞金の支払いは23件にとどまっていることが答弁で分かりました。山添氏は、被害者が泣き寝入りを余儀なくされる不合理を是正する必要があると強調。「制度と日米地位協定の抜本的な改定が必要だ」と求めました。
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