反政府デモが続くタイでは2日、議会選挙の投票が行われますが、
バンコク郊外では1日もデモ隊と政権支持派が衝突して7人がけがをし、
これを受けて周辺の投票所の閉鎖が決まるなど、
投票を前に混乱が広がっています。
タイでは首都バンコクなどで去年から反政府デモが続くなか、
インラック首相が民意を問うとして議会選挙の実施を決めましたが、
デモ隊側は選挙への参加を拒否して抗議行動を続けています。
投票は全国9万余りの投票所で、日本時間の2日午前10時から始まる予定ですが、
デモ隊が各地の投票所で投票の妨害に出ることが懸念されています。
1日もバンコク郊外にある主に国内線が発着する空港の付近で、
デモ隊と政権支持派が衝突して7人がけがをし、これを受けてタイの選挙管理委員会
は周辺の複数の投票所を閉鎖することを決めました。
タイ政府は選挙を前に先月、非常事態を宣言して警戒を強めていますが、
現地からの映像には、男が銃やライフルを発砲する姿が映っており、
治安が一段と悪化していることが分かります。
選挙を巡っては、最大野党・民主党がボイコットしていることから、
与党の勝利が確実視されていますが、デモ隊が立候補の受け付けを妨害したことから、
28の小選挙区で候補者が1人もいない事態となっています。
こうしたことから選挙が行われても議会召集に必要な数の議員を選出できないのは確実で、
新政権の発足には数か月はかかるとみられ混乱が続きそうです。
議会選挙の仕組みと課題
タイの下院議会選挙は、500の議席を争い、このうち、小選挙区が375議席、
比例代表が125議席となっています。
今回の選挙では、最大野党の民主党が選挙をボイコットしたため、
農村部に強固な支持基盤を持つ与党のタイ貢献党の勝利が確実視されています。
タイ貢献党は、インラック首相を比例代表の名簿順位の1位にしていて、
首相の続投を目指しています。
しかし、反政府デモ隊が去年12月から先月にかけての立候補の受け付けを
妨害したため南部の28の選挙区で候補者が1人もいない事態になっています。
このため、憲法の規定で議会の召集に必要な全体の95%以上に当たる475人
の議員の定数に達せず、無事に選挙が実施されても、
すぐには議会を召集できない状況です。
ただ、定数を満たすための再選挙の具体的なめどなどは立っておらず、
選挙管理委員会は、少なくとも3か月から4か月は議会が召集できない
との見通しを示しています。
新たな政権の発足に向けて議会で首相を選出できない状態が続き、
政治的な混乱がさらに深まることも予想されます。
今日はここまで・・・・・。
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