早春賦

真夏日のニュースが流れたと思えば、西高東低の冬型気圧配置に戻り真冬日だとか、今年の春はめっきり寒さに弱くなった僕をいたぶります。
一方、我が家の新参者『まめ』は、やってきたときの２倍（体長も体重も）に成長し、その生命力で僕を勇気づけています。
しかし別れの季節、どこか心にすきま風を感じるようになってきました。いくら『まめ』でも、去ってゆく誰かの、無くなってしまう何かの、かわりにはなれません。去ってゆく者たちも別れを惜しんではくれますが、新たな旅立ちであり、彼らには新しい希望や未来が待っているのです。僕らは、ただ立ち尽くし、まぶしそうにそれを見送ることしかできません。

早春賦

あと少しのエピローグ　寂しくはないかい
僕ら出会えたこと　後悔してないかい
企みの末に別れることは簡単に出来ても
計画的に出会うのは　空想だけでも難しいよ
だからこの出会いが必然だったなんて
今さら言うつもりもないけど
小さくても花は　もう咲いたのかな？
どうせ短い命なら　どこかでまた咲き乱れよう

溢れ来る想いを　整理すれば気付く
燃え尽きる寸前の　予定調和だったと
そんなモノのために　大切な今を犠牲にして
日々楽しめないのは　心折れる　辛いね
だから今だけ楽しければなんて
かっこつけても空しく響く
遅い春は　まだ来ないのかな？
散り行く花の後ろには　緑の葉を隠しているんだろう

土曜のけだるい午後　突然信号が変わる
週明けには新しい『日常』が待ってる
頬さす寒空に　思い出舞い上がる
下向いてる場合じゃないだろう
小さくても花は　もう咲いたのかな？
どうせ短い命なら　どこかでまた咲き乱れよう
遅い春は　まだ来ないのかな？
散り行く花の後ろには　輝く明日の君が　霞んで見える