去年は、京極夏彦を沢山よんだ。今昔百鬼拾遺『鬼』、『河童』、『天狗』がそれぞれ講談社、角川、新潮から発売され、『稲生物怪録』(京極訳、東雅夫編)と続き、極め付けは、京極夏彦史上最厚文庫『虚実妖怪百物語』(あえて分冊を選ばずっ!!でも重すぎて寝転んで読むのに苦労した)。さらには『書楼弔堂 炎昼』も読んだし。ほとんど妖怪がらみ。
西洋のドラキュラ、フランケン、ゾンビといった怪物とは違い、日本の妖怪たちはどこか可愛いのである。水木しげる大先生が亡くなられて久しいが、彼が見て(!)書き表したから、僕らにも子供の頃から見える(!)けれど、日本の妖怪はそもそも実態のないものも多いし、信じなければ現われないのである。
で、ヌリカベ。大先生には大きな灰色の壁として見えたのだが、元々は九州北部の妖怪である。福岡県遠賀郡では 夜道を歩いていると急に前へ進めなくなり、壁のようだと伝えられる。大分県では動物が起こすとされ、狸の塗り壁(臼杵)、イタチの塗り壁(豊後高田)と呼ばれている。さらに南海部郡では七曲りという坂に小豆とぎと現れる狸の仕業とされる。
今回僕は、人への想いをヌリカベと考えた。愛する人への想いが自分に起こすこと、想いゆえ自分が起こすことをヌリカベと。
西洋のドラキュラ、フランケン、ゾンビといった怪物とは違い、日本の妖怪たちはどこか可愛いのである。水木しげる大先生が亡くなられて久しいが、彼が見て(!)書き表したから、僕らにも子供の頃から見える(!)けれど、日本の妖怪はそもそも実態のないものも多いし、信じなければ現われないのである。
で、ヌリカベ。大先生には大きな灰色の壁として見えたのだが、元々は九州北部の妖怪である。福岡県遠賀郡では 夜道を歩いていると急に前へ進めなくなり、壁のようだと伝えられる。大分県では動物が起こすとされ、狸の塗り壁(臼杵)、イタチの塗り壁(豊後高田)と呼ばれている。さらに南海部郡では七曲りという坂に小豆とぎと現れる狸の仕業とされる。
今回僕は、人への想いをヌリカベと考えた。愛する人への想いが自分に起こすこと、想いゆえ自分が起こすことをヌリカベと。
ヌリカベ
いつも近づけない 想いが嵩じてドキドキして
あの娘に近づけない 足がすくんで前へ出ない
気持ち落ち着かせても 机に足ぶつける
きっとあの娘は守られてる 彼女のいう『ヌリカベ』に
ヌリカベ それがお前の想いなら
ヌリカベ それは僕も認めよう
ヌリカベ いくら僕を拒否しても
笑顔で知らずにかかった魔法
お前ごと愛してもいい
今でも近づけない 手を握っても力が抜ける
あの娘の心に近づけない 想いと違うことばかり
目の前にある唇も 心が居場所探すほど
あの娘のセキュリティは完璧 彼女のいう『ヌリカベ』で
ヌリカベ それは僕の愛の証
ヌリカベ いや それは僕自身
ヌリカベ いつかそれに僕がなる
言の葉でかけた儚い呪
死んでもなおあの娘を守るため
あの娘が居なくなった日 いつもは積もらない雪を
いつまでも僕は眺めていた あの娘が空に昇って行けるよに
そんな僕の耳元である日囁きが
「前を向いて、あなたらしく生きて欲しい」
僕のなれなかったヌリカベに
あの娘が僕のヌリカベになったんだ
いつも近づけない 想いが嵩じてドキドキして
あの娘に近づけない 足がすくんで前へ出ない
気持ち落ち着かせても 机に足ぶつける
きっとあの娘は守られてる 彼女のいう『ヌリカベ』に
ヌリカベ それがお前の想いなら
ヌリカベ それは僕も認めよう
ヌリカベ いくら僕を拒否しても
笑顔で知らずにかかった魔法
お前ごと愛してもいい
今でも近づけない 手を握っても力が抜ける
あの娘の心に近づけない 想いと違うことばかり
目の前にある唇も 心が居場所探すほど
あの娘のセキュリティは完璧 彼女のいう『ヌリカベ』で
ヌリカベ それは僕の愛の証
ヌリカベ いや それは僕自身
ヌリカベ いつかそれに僕がなる
言の葉でかけた儚い呪
死んでもなおあの娘を守るため
あの娘が居なくなった日 いつもは積もらない雪を
いつまでも僕は眺めていた あの娘が空に昇って行けるよに
そんな僕の耳元である日囁きが
「前を向いて、あなたらしく生きて欲しい」
僕のなれなかったヌリカベに
あの娘が僕のヌリカベになったんだ