TIBと仲間たち

TIB(トロピカルインモラルボーイズ)と素敵な仲間たちのブログです。

バベルの塔

2017-10-16 16:31:18 | 日記
 ブリューゲルを見た。16世紀のブラバント公国の画家である。ボイマンス美術館所蔵の『小バベル』といわれる傑作である。住む人や、今まさにレンガを積み上げている様子が細密に画かれている。歪んだローマのコロッセオも思わせるバベルの塔である。大友克洋ならずとも想像力を刺激される何か力を感じる。
 旧約聖書のお話である。世界三大宗教の唯一神と人間のお話である。
 神は人を己に似せて作るも、悪魔にそそのかされ知恵をえた人間を楽園から追放した。さらに己をないがしろにし、意に添わない人間を洪水でリセットした。生き残った人々は力を合わせ、知恵を絞り、天高く聳える塔を作ろうとする。ノアの子孫達である。これがバベルの塔である。この行為は、神への憧れか?それとも反逆か? 神は知恵をえて、高い塔を作ろうとする人間をよしとせずに、一つの言語で統一されていた人々の言語を乱し、意思疎通を図れなくした。
 聖書に出てくる神様は時々ご無体をする。世界各地の各民族の神話に出てくる神様も自由奔放である事が多い。僕らが手を合わせる神様と少し趣が異なる?いえいえ、日本の神様にも祟り神もいれば、仏教として入ってきたインドの怒れる神もいて、普通に拝んでいる。聖書の神にだって、結婚式やお祭りごとに利用して手を合わせている。
 かくいう僕も無神論者と言う名の『神様大好き』人間である。神でも悪魔でも僕に言葉を操れる能力を少しでもいいから与えて欲しい。代償は左の腎臓でいいでしょう?
・・・何て言う物語をちゃっかり手に入れたりしているのだ。


悪魔とカウントダウン

悪魔に僕の魂売ってまで 手に入れたいモノがある
悪魔に僕の魂売ってまで 醜くもがくのか
神さえ信じないくせに

果たしてジフィリスは かのハイネの脳をスパークさせ
才能を昇華させ得たのか

昨日までの平穏で幸せな日々の暮らしが
突然何かを境に変わってしまう
モノの見方 見え方 優劣 優先順位
カウントダウンの中 警報が鳴り響く

ある方向にしか自然淘汰 進化出来なかった
第三のチンパンジーの脳が作り出した
ヒトの在り方 生き方 付加価値 多様な人生観
カウントダウンを不幸な僕らは楽しめるのか

悪魔に僕の魂売ってまで 何を残そうというのか
神さえ信じないくせに


僕の命を僕の超越者に それって神それとも悪魔
君の情熱を君の超越者に それって神イコール悪魔
委ねられたらどんなにどんなに楽でしょう
蔓バラに絡まれ自由意志奪われたまま

僕の大切なモノはひとつ減ったけど それを補う能力は
未だに生まれてこやしない

救ってくれない 無能装う神の優しさは
一体僕に何をもたらすのでしょう
たとえ救いがあるとして 誰かが噂してた
それは来世 それともあの世ですか

何かと引き換えの 小賢しい悪魔の囁きは
さらに僕に何を差し出せというのか
それでも不幸な僕らにこそ物語は必要だ
カウントダウンはもう誰にも止められない

悪魔に僕の魂売ってまで 見てみたい僕らのその先を
悪魔に僕の魂売ってまで 地の底を這いずり回って
悪魔に僕の魂売ってまで 生きてやる
物語を作るんだ



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観月

2017-10-02 16:09:30 | 日記
 今年も中秋の名月がやってきます。10月4日水曜日です!しかし国立天文台によるとその二日後が満月だそうです。『名月必ずしも満月ならず』ですか。名月すなわち旧暦の15日が、必ずしも月と太陽が地球を挟んで反対側に来るとは限らない事からこうなるのですが・・・そんな暦と天体の運行の微妙な計算上のズレなど気にせずに、お団子食べましょうよ。ダイエット中の僕は、宇田法皇をきどって詩歌、管弦を楽しみつつ酒を酌みませう。晴れるといいな。
 太陽系の惑星は地球以外は『○星』と名付けられています。そこに住む異星人達は、三島由紀夫の『美しい星』の家族のように『○星人(せいじん)』と呼ばれます。地球は異星人からは『地星』よよばれ、われわれは地球人ではなく、『地星人』と呼ばれてもよさそうなのに、今年50周年を迎えるウルトラセブンでも地球人と呼ばれています。
 さて月は地球の衛星なので、〜星はつきません。するとかぐや姫姉さんに端を発する、我々月の住人は地球人や異星人からなんと呼ばれているのでしょう?月の人、月人、星はつかないけど月星人?月星人はなんと読むの?つきほしびと、つきせいじん‥‥ 僕は自分を『げっせいじん』と称しております。何時の頃からかこう呼び倣わしてきたのです。ウルトラマンエースの南隊員は、月を滅ぼしたルナチクス打倒を目的に地球へ送り込まれた月星人であり、それを突然知らされた北斗隊員は「君はげっせいじん!」と叫んでおります。ちなみに28話『さよなら夕子よ、月の妹よ』の冒頭、中秋の名月にパトロールするTACのバックにはドビュッシーの月の光が流れておりました。


月光の詩

僕の中に 月がある
空の上から 見下ろすのではなく
僕の身体の ど真ん中
ポッカリと浮かんでいるのです

その満ち欠けで 心が満ち欠ける
想いや 憂いや 興味や 恐怖が
波のように 打ち寄せて
心のテトラポットを削ってゆく

月星人の僕は独り 誰にも見せない闇を持ち
ススキに隠れるフリをして  お月見してる


僕の中に 月がある
1969 覚えてるけど
そんなこととは関係もなく
臍の辺りかすかに輝いてる

誰も着陸していない 君には覗いて欲しい
恋や 悪意や 優しさや 寂しさが
隕石のように 打ち当たり
心の静かな海に 穴を穿つ

月星人の僕は独り 地球人に嵌り込んで
毒団子 喉につまらせて  お月見してる

月星人の僕は独り 日々の一歩は小さくて
月光の詩書きたくて とぼとぼ夜を歩いてる

僕の中に 月がある
月光の詩書きたくて・・・

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