仕事が終わり家に帰り着く頃には陽は沈み真っ暗です。まめは元気に夜の闇へ駆け出してゆきます。12月初旬にまめと見上げた空には三日月が。太陽が沈み、現れたかと思うと数時間で三日月は沈んでしまいます。その間、西の空で宵の明星とのランデブーを見ることが出来ました。今日見れるはずだった、双子座流星群は、なんと雨...。ピークが昼間で、満月と重なり、条件は悪かったのですがまさか雨とは。みなさん 夜空見上げてますか?まめのおかげで子供の頃のように夜空と友達になれた気がします。
晴れた日は、寒さに負けないように、出来るだけ自転車通勤と心がけています。夏頃から滝尾橋近辺でいつもすれ違う女の娘がいます。いつも下向いて、手にはスマートフォン。足取り重く下郡工業団地へ消えてゆきます。ある日ふとその娘が顔を上げた瞬間にすれ違いました。その整った顔立ちに似合わない眉間の皺と、沈んだ眼差しに驚きました。夕方イアフォンの紐だらしなくぶら下げ歩いていたり、イアフォンしたまま自転車漕いでノリノリの若者は(うわー年寄りくさっ!)は一様に、僕が追い越す時に刺すような視線を投げ掛けてきます。
『俺たちの詩』は、そんな彼らへのメッセージソングとして、5年以上前から構想はあったのですが、説教臭いのがイヤでほったらかしになっていました。父から人の生き方を説かれたことも、あからさまにスポーツや勉強で「頑張れ」と尻叩かれたことも記憶にありません。子供達にも言った覚えがありません。そんなこと口に出さなければならないと考えたこともありませんでした。だからいまだに人に「頑張れ」なんて言うことがイヤで、気恥ずかしく... つい昨日まで推敲しちゃ消し、メロディーへの乗せ方変えちゃ元に戻し、の繰り返し。こんな苦労した詩は初めてです。で、説教親父になってみました。
俺たちの詩
アスファルトひび割れた道 スマホ片手に歩いてる 下向いてね
何かに躓いたりしないからって理屈 地面に吐いて
朝の街 冷たく饐えた空気 真っ黒な肺に吸い込みながら
昨日の夜の自分 踏んづけたりしないように 抜き足で
勇気出して少し顔あげてごらん 君が思い込んでる 色褪せた街でも
移り行く季節の色や匂いさえ そこかしこ感じれるはずさ
黄昏の街 帰り急ぐ人並み避けて 彷徨ってるイアフォンぶら下げ
自分の噂 聞かなくてすむからって 人への回線は今OFF
無遠慮なヘッドライトに照らし出されて 怯えよろめいても
クラクションさえ聞こえない 自分の城に閉じ籠って
勇気出して片方外してごらん 君が「醜い」って諦めてる世界にも
人の言葉って優しかったりするよ 案外捨てたもんじゃないよ
低く重い雲でまだ明けぬ空見上げ走ってる 何かに苛立って
光を吸い込んでしまう闇が 広がっているようで不安になる
いつの間にか黙って隣りに座ってる奴の顔が「メチャ暗い」
でも窓に映っていたのは いつもの冴えない自分のしかめっ面
気分変えてスピード緩めてごらん 未だ先も見えぬ暗い未来でさえ
遠く山の頂きで明るい日が昇る きっと何か見つけられるはずさ
みんなとじゃ嫌だと投げ出さずに 独りじゃ無理だと逃げ出さずに
世界中のもの なんだって自分次第 いつだってそう強く想ってなよ
勇気出して扉押してごらん アタマ・ミミ 余計な物全て捨てれば
俺たちの詩聞こえるから 俺たちの言葉届くから