TIBと仲間たち

TIB(トロピカルインモラルボーイズ)と素敵な仲間たちのブログです。

2018-05-10 13:52:36 | 日記
 小学校は3回転校した。つまり4つの小学校に行った。いつも僕はエトランゼであった。学校や友人に馴染む事もだが、その地域の風習にも馴染んだと思ったら転校である。頑張ってとけ込もうとすればするだけ、疎外感は増す。人にとっても僕はエトランゼであり、理解しがたい人なのだから。だから僕には故郷がない。帰るべき心の拠り所がない。そのうち人と交わるのが億劫になる。独りで居ても寂しくないように努力した。殻を作り必要以上に人と交わらずにすむように。
 なのに大人になり、気を抜く度に外の世界と深く関わってしまう。結果は・・・



殻を作るために生きてきた
人と異なる環境のせいにして
どんどん殻を厚く堅くした

遠くで聞こえる祭り囃子に 心躍ったあの頃
親からは『祭りに行くな』と何故か止められた
金銭的問題か 風紀の教育か わからないまま
宗教的問題でないことだけは 子供心にもわかった
友に行けない理由 言い出せずに
部屋に籠って 祭り嫌いになろうとした

何となく心通じる友と 怪獣クラブを作った
たった二人だけの秘密の放課後パラダイス
マニアックな快楽 退廃的陶酔 濃密な時間の澱
皆参加できないならと 学級会で解散迫られた
友は教室の片隅にひっそり消え
僕はやけくそに叫び 声帯を潰した

殻を作るために生きてきた
人と交わらぬ感性を武器にして
どんどん殻は醜くなった

突然近所の空き地に芝居小屋が立った
謎めく転校生は一座の子供
めくるめく快感 禁断の空間 夢のような時間
異邦人認めないクラスのいじめ 倒れゆく細い身体
友を助けに行けないまま
彼は夏の終わりに風のように消えた

布団被って泣いたのに 今では祭りは大嫌いな喧騒
オタク嫌いを装って そこら中に闇を貯め込んだ
いじめのニュース聞く度に スローモーションで
僕らの笑い声こだまする
チョークの音で倒れる友が滲む

殻を作るために生きてきた
酷い言葉や暴力や 理不尽な世の中にも
耐えて行けるようにと強くした

殻で中身は見えないけれど
皮膜の内側は弱い心のまま
歪な心はまだ動いているでしょうか
殻の隅で後悔でもしているのでしょう

 
コメント
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