僕の学生時代の写真はほとんどない。あの頃の『今』は唾棄すべきもので、すぐに忘れ去ろうとさえしていた気がする。容姿も知識も劣っていた。カメラなんて持ってなかったから物珍しいと言い訳のように、撮る側に回っていた。詩を小説を書きたかったけど、所詮手の届かぬ夢だったと思い知った。時間はだらだらとゆっくり過ぎて、僕を蝕んだ。
そんな学生時代の最後に、この時間は永遠に続かないことに気付いた。いつもたむろしていた友とも散りじりになり、永遠の別れになることにも。誰ともなしに僕らは海へ向かい、帰らぬ青春の総括をした。
そんな学生時代の最後に、この時間は永遠に続かないことに気付いた。いつもたむろしていた友とも散りじりになり、永遠の別れになることにも。誰ともなしに僕らは海へ向かい、帰らぬ青春の総括をした。
テトラポッドの上で
酷い週末 金はわずかしかなくて
時間は有り余るほどあって
僕らはポンコツ車で海へ向かった
誰もいない埋立地の海へ
照りつける陽射しの下 みんなで
まだ新しいテトラポッドの上 寝転んで
叶わなかったたくさんの夢を語った
叶うかもしれない明日を呪った
『あの娘があいつを裏切ったって』
『やっぱそうか そんなやつ』
『可愛い綺麗な娘なのにね』
『俺、好きだな』
『...』寝たふり
何も持ってないことには焦っていた
でも持ちたいモノがなんだかわからなかった
いつも いつも 叫んでた
内なる何かに向かって
卒業旅行 誰もいなくなったキャンパス
僕らだけ仲間はずれみたいな気分
今あるものといえばタダ同然で
妄想だけタダ膨らんで逃げ出した
テトラポッドの下泳ぐ魚の群れ
時に規則正しく 時に乱れながら
テトラポッドの上寝転ぶ僕ら腹ペコだけど
その夢は深くそれぞれあったはず
『卒業したら新車買おう』
『奨学金返済が使命』
『今付き合ってる娘はどうするの?』
『勉強一からやり直し』
何も知らないことにはすでに気づいてた
手当たり次第 見るもの全て 知りたがった
いつも いつも 叫んでた
まだ見ぬ 愛に向かって
まだ見ぬ 苦しみに向かって
まだ見ぬ 叡智に向かって
まだ見ぬ 終末に向かって
あの酷い週末 僕らは海へ向かった
見上げる空は違ってゆく 覚悟を決めて
テトラポッドの上で 覚悟を決めて
酷い週末 金はわずかしかなくて
時間は有り余るほどあって
僕らはポンコツ車で海へ向かった
誰もいない埋立地の海へ
照りつける陽射しの下 みんなで
まだ新しいテトラポッドの上 寝転んで
叶わなかったたくさんの夢を語った
叶うかもしれない明日を呪った
『あの娘があいつを裏切ったって』
『やっぱそうか そんなやつ』
『可愛い綺麗な娘なのにね』
『俺、好きだな』
『...』寝たふり
何も持ってないことには焦っていた
でも持ちたいモノがなんだかわからなかった
いつも いつも 叫んでた
内なる何かに向かって
卒業旅行 誰もいなくなったキャンパス
僕らだけ仲間はずれみたいな気分
今あるものといえばタダ同然で
妄想だけタダ膨らんで逃げ出した
テトラポッドの下泳ぐ魚の群れ
時に規則正しく 時に乱れながら
テトラポッドの上寝転ぶ僕ら腹ペコだけど
その夢は深くそれぞれあったはず
『卒業したら新車買おう』
『奨学金返済が使命』
『今付き合ってる娘はどうするの?』
『勉強一からやり直し』
何も知らないことにはすでに気づいてた
手当たり次第 見るもの全て 知りたがった
いつも いつも 叫んでた
まだ見ぬ 愛に向かって
まだ見ぬ 苦しみに向かって
まだ見ぬ 叡智に向かって
まだ見ぬ 終末に向かって
あの酷い週末 僕らは海へ向かった
見上げる空は違ってゆく 覚悟を決めて
テトラポッドの上で 覚悟を決めて