タバコを吸い始めたころ、火をつけるのはマッチだった。もっぱら喫茶店で無料でもらったマッチである。タバコを吸う前から「ZIPPO」は知っていたが、金欠の学生には高嶺の花だった。初ZIPPOは卒業祝いにもらった先輩の使い古しのやつ。
1930年代から、機能もデザインも変わらぬ不思議な男グッズ。オイルをインサイドユニットの綿に注入、ウィックが吸い上げ、気化させ、フリントで火をつける。いたってシンプルな構造である。インサイドユニットにはカムがついており、蓋を開閉すると独特の金属音がする。この音、感触が好きなのである。蓋の開け方には皆それぞれ一家言あり、僕は蓋の上面を親指でこすって開けるのが好みであった(蓋の角を指で弾くのはNG)。この開け方、ちょっとコツがいる。蓋のヒンジ中心に弧を描くようにこするのである。こうすればそんなに強くこすらなくても蓋は『キン』と開くのである。
病気の後、あんなに吸っていたタバコを受け付けない体になり、あっさり禁煙に成功する。たくさんあったZIPPOは、人にもらわれていった。、、と思っていたが、MARLBOROのノベルティの真鍮製(ZIPPO社は当初からこの戦略に目をつけていたらしい)、円谷プロとのコラボモノなど数点が出てきた。オイルを入れフリントホイールひねると、ジッと音がして、懐かしい匂いと、オレンジの炎が。その炎の中、一つの物語が生まれた。
1930年代から、機能もデザインも変わらぬ不思議な男グッズ。オイルをインサイドユニットの綿に注入、ウィックが吸い上げ、気化させ、フリントで火をつける。いたってシンプルな構造である。インサイドユニットにはカムがついており、蓋を開閉すると独特の金属音がする。この音、感触が好きなのである。蓋の開け方には皆それぞれ一家言あり、僕は蓋の上面を親指でこすって開けるのが好みであった(蓋の角を指で弾くのはNG)。この開け方、ちょっとコツがいる。蓋のヒンジ中心に弧を描くようにこするのである。こうすればそんなに強くこすらなくても蓋は『キン』と開くのである。
病気の後、あんなに吸っていたタバコを受け付けない体になり、あっさり禁煙に成功する。たくさんあったZIPPOは、人にもらわれていった。、、と思っていたが、MARLBOROのノベルティの真鍮製(ZIPPO社は当初からこの戦略に目をつけていたらしい)、円谷プロとのコラボモノなど数点が出てきた。オイルを入れフリントホイールひねると、ジッと音がして、懐かしい匂いと、オレンジの炎が。その炎の中、一つの物語が生まれた。
ZIPPO
一張羅 バーシティジャケット ポケットに手を突っ込んで
蓋をカチャカチャいわせてた 使い古しのZIPPO
所構わずタバコふかし 心に火を点けあった
あの頃思い出して なんか笑ってしまう
病気の後 禁煙して 捨ててしまったと思ってた
引越しの準備 ベッドの下 転がってた銀のZIPPO
黒くくすんでしまったが ボディに文字が彫ってある
ハートに挟まれた " Je pense toujours a toi "
明日僕はこの部屋を出てゆく 君を残して
君がくれたZIPPOは 置いてゆくよ
君の胸のキスマーク 「あなたがつけたのよ」
さっき携帯出なかったよね 「急ぎの用事じゃないから」
冬の公園 寄り添って ZIPPO捻った二人
その炎より暖かだったはずの君の手はどこ
「ありふれた容姿」の君が 知らぬ誰かと 知らぬ街で
「流行遅れだから」って 買い直した服やバッグ
そんな高価そうなやつ 僕らには不釣り合い
記念日にくれたZIPPO 値段じゃなかった
明日僕はこの部屋を出てゆく 君を残して
君がくれたZIPPOは 置いてゆくよ
人の心 実は 体の外にあるらしい
人とコミュニケーションとるために
目も覗きこめなくなり 言葉という
下等な手段でしか 触れ合えない今の二人
君の胸のキスマーク ZIPPOで焦がして
君のアドレス ZIPPOで燃やそう
明日僕はこの部屋を出てゆく 君を残して
君がくれたZIPPOは 心と 置いてゆくよ
一張羅 バーシティジャケット ポケットに手を突っ込んで
蓋をカチャカチャいわせてた 使い古しのZIPPO
所構わずタバコふかし 心に火を点けあった
あの頃思い出して なんか笑ってしまう
病気の後 禁煙して 捨ててしまったと思ってた
引越しの準備 ベッドの下 転がってた銀のZIPPO
黒くくすんでしまったが ボディに文字が彫ってある
ハートに挟まれた " Je pense toujours a toi "
明日僕はこの部屋を出てゆく 君を残して
君がくれたZIPPOは 置いてゆくよ
君の胸のキスマーク 「あなたがつけたのよ」
さっき携帯出なかったよね 「急ぎの用事じゃないから」
冬の公園 寄り添って ZIPPO捻った二人
その炎より暖かだったはずの君の手はどこ
「ありふれた容姿」の君が 知らぬ誰かと 知らぬ街で
「流行遅れだから」って 買い直した服やバッグ
そんな高価そうなやつ 僕らには不釣り合い
記念日にくれたZIPPO 値段じゃなかった
明日僕はこの部屋を出てゆく 君を残して
君がくれたZIPPOは 置いてゆくよ
人の心 実は 体の外にあるらしい
人とコミュニケーションとるために
目も覗きこめなくなり 言葉という
下等な手段でしか 触れ合えない今の二人
君の胸のキスマーク ZIPPOで焦がして
君のアドレス ZIPPOで燃やそう
明日僕はこの部屋を出てゆく 君を残して
君がくれたZIPPOは 心と 置いてゆくよ