徳永写真美術研究所 Column


徳永写真美術研究所(TIPA)の日常コラムです。

人を呼び寄せる場所*静原

2011-05-26 | 日常生活のお話


縁あって
自然観察を目的とする会に
15年程前より参加しています。
持ち回りで幹事を務め
年に3回のペースで例会を開催。

今回、私に幹事が廻ってきました。
計画した行き先は京都の金毘羅山
高い山ではありませんが
途中、岩場があり
少しスリリングなコースです。
山頂には
魅惑的な石柱が存在。
それから
なんといっても
眺望が素晴らしい山です。



ところが
当日は、あいにくの雨。



傘をさしながらの道中
色鮮やかな緑が美しかったものの
頂上付近の岩場では
足を滑らさないかと心配なため
中間地点の江文琴平新宮社で折り返しました。



新宮社で雨宿りをしながら小休憩。
そして下山・・・。

ザンネン


しかし
山を登るだけの企画ではありません。
むしろ
登山後の企画の方が
私を含め皆さんにとっては楽しみだったかも知れません。

その後の企画とは





CAFE MILLETでランチをいただく事。

心のこもったオーガニック料理をいただける場所です。
そして
食するだけでなく
この場所には
五感を開放させる環境があります。



敷地には小川があり



ヤギの親子もいて



ツリーハウスもあります。

三角形のツリーハウスは
お茶室としても機能する事があるそうです。
ツリーハウスのお茶室って素敵過ぎますね。





コチラが今日のランチです。
穀物中心のお料理で
どれも素材のエネルギーが詰まっています。
料理に心を込めるというのは
こういう事なのだと感じる品々です。



ここまで
CAFE MILLETについて他人行儀に記しましたが
私はこの場所を
25年も前から度々訪れています。

このお料理を作る隅岡樹里さんの
子供の頃のお料理から知っているのです。

実はこの場所は大学時代の先生宅。
先生の娘さんが樹里さん。

私がよく訪れていた頃は
ツリーハウスの横にあるバーベキューコーナーで
安いお肉を大量に買い込み
アートを通して集まった面々と
ワイワイ・・・ガヤガヤ・・・やっていました。





CAFE MILLETには
樹里さんの父・鈴鹿芳康作品や鈴鹿コレクションが
常に多数展示されていて
美術鑑賞を兼ねる楽しみもあります。



昔も今も多くの人が集う場所。
きっと
この静原の家は
人を呼び寄せる場所なのだろうと思います。



Yoshie


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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。
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42年間の歴史を閉じる展覧会 “臨在の海”

2011-05-18 | 展覧会案内

先月
京都の老舗画廊・立体ギャラリー射手座より
閉廊の挨拶と最後の展覧会の案内が入った封書が届きました。



立体ギャラリー射手座は
京都の繁華街に位置しながらも
地下にあるため街の喧騒は遮断され
心静かに作品と接する事ができるスペースです。

学生の頃
日本画を専攻していた友人の個展に
訪れたのが始めての訪問でした。

その後
10数年前から仕事仲間だった友人が
運営を担当することになり
写真関係の作品展が多く開催されるようになりました。
Takayukiも1999年に個展をさせて頂きました。

ギャラリーの歴史は長く
1969年4月にオープン。

42年間の画廊運営を締めくくる
展覧会のタイトルは
“臨在の海”
とても意味深そうな言葉です。

先週
この最後の展覧会を訪れました。

展示内容は
菊の花のインスタレーションです。
花の数は1000本。

作品に対する感想の言葉はありません。
必要としないのかもしれません。
地下の暗い密室にて
どこまでも続く空間が広がっていました。

作者は
福島県いわき市出身。
被災された中での展示です。
被災者としての立場から
制作された作品のように見えますが
この作品展示は
7ヶ月前に決まっていたそうです。

立体ギャラリー射手座のラストショウは
その運営を閉じる今と時世とが共鳴し
鑑賞者に深く記憶される展示だったと思います。



この階段を下りる最後の機会です。
ぜひ、ご高覧下さい。



Yoshie


吉田重信展
“臨在の海”
2011年5月10日ー22日
立体ギャラリー射手座


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自身を投影させて見る写真展

2011-05-12 | 展覧会案内


唐突ですが、幼い頃の私です。



この写真、とても気に入っています。
(撮影は父親です。)

写真の説明をすると



親が家の隅に作ってくれた砂場でのスナップ写真です。

砂遊びに熱中している最中に
父が私に声をかけたので驚いているんですね。
きっと。

私は季節や天候を問わず
いつも日が暮れるまで、日が暮れても(?)
家の砂場で遊んでいました。

こどもの頃は
自分の世界にどっぷり入り込み
大人が暮らす日常とは異なる時間が流れていたように記憶しています。

この写真には
その
こども特有の時間が写っていると思います。



ここまでは前置きです。



昨年末に発売された雑誌・ブルータスの表紙を見て
目が釘付けになりました。

自分とそっくりな女の子に驚いたのです。


下は私のアルバムです。

この表紙は
川島小鳥さんという写真家さんによる作品でした。

ブルータスで初めて川島さんの存在を知ったのですが
以来、この写真家さんが気になっていました。

先月に写真集「未来ちゃん」を出版し
今月は大阪で写真展を開催するという情報を聞きつけ
さっそく初日に展覧会へ行ってきました。




会場にはパネル貼りの写真がランダムに設置されていました。
パネルのフチには桃色のテープが巻かれており
展示壁面の一部も桃色。
会場全体を使って
未来ちゃんの世界を表現した展覧会でした。

小一時間ほど会場に滞在するなか
来場者の会話に耳を傾けると
女性の感想に
自身の幼少期を未来ちゃんに
投影する言葉が何度もありました。

実は私もそうだったのです。

最初は
私と未来ちゃんの姿が似ている点が気になっていましたが
写真作品として拝見しているうちに
姿が似ているというよりも
自身の幼少期の時間が写っている事に気付きました。

大人になるに連れて忘れていた
こども特有の時間を見つける事ができる写真展なのだと思います。

不意に感情の奥深い部分を
刺激されたような気持ちになりました。



Yoshie


川島小鳥写真展
「未来ちゃん」
2011年5月10日-17日
梅田・HEP HALL


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