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森吉山荘の本当の泉質は?

2007年02月26日 | Weblog

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  上記は、「北東北日帰り温泉-P95-」に掲載されている「国民宿舎森吉山荘」の泉質等につての記述です。

  昨日この「森吉山荘」に出かけました。

   「含硫黄-ナトリウム・カルシウム・塩化物・硫酸塩泉(硫化水素型)」という泉質に魅力を感じ、途中のたくさん温泉には寄らず、マロンさんと私たちの3人で出かけました。
 
   「含硫黄・・・(硫化水素型)」という泉質は、日景温泉や須川温泉、谷地温泉と同じ泉質です。濁り湯の泉質です。楽しみに出かけました。

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   しかし、そこにあった森吉山荘の温泉は、 「含硫黄-ナトリウム・カルシウム・塩化物・硫酸塩泉(硫化水素型)」とは書いてありません。

   杣(そま)温泉の温泉成分と書いてあり、「ナトリウム・カルシウム・塩化物・硫酸塩泉(旧泉質名;含石膏-食塩泉)」とあり、「含硫黄と(硫化水素型)」が書いてありません。

   お湯の色は無色透明、無味、塩素の臭いがします。

 何故、この温泉に「杣温泉」の温泉成分が書いてあるのでしょうか。

  実は、私たち3人は、「杣温泉」に寄って入浴し、そして、ここ「森吉山荘」に来たのです。

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   こちらが杣温泉の浴室に掲示されていた温泉成分表です。

   「森吉山荘」と「杣温泉」は、両者とも源泉名が「杣温泉」、泉質も「ナトリウム・カルシウム・塩化物・硫酸塩泉」と同じ、泉温も53.7度と同じです。

  そうです。 「森吉山荘」は「杣温泉」のお湯を使っているのです。

  「北日本・日帰り温泉」という本には、

    「森吉山荘」・・・・・・含硫黄-ナトリウム・カルシウム・塩化物・硫                  酸塩泉(硫化水素型)
    「杣温泉」・・・・・・・・ナトリウム・カルシウム・塩化物・硫酸塩泉

       と、同じお湯でも泉質名が違うように書いています。
 
   私は、「含硫黄-ナトリウム・カルシウム・塩化物・硫酸塩泉(硫化水素型) 」の温泉、白く濁った・硫化水素の臭いのする温泉に入りたかったのです・・・!

  「ナトリウム・カルシウム・塩化物・硫酸塩泉」はいつも行く大葛温泉と同じです。この泉質は、旧泉質名は「含石膏-食塩泉」です。ここ森吉山荘の温泉成分表には、上記写真のように(旧泉質名;含石膏-食塩泉)とはっきり書いてあります。

   フロントの方に確認しました。本には泉質名を「含硫黄-ナトリウム・カルシウム・塩化物・硫酸塩泉(硫化水素型) 」と書いてありますが、それは間違いですかと聞くと、本に書いていることが間違いですというお話でした。

  私は「杣温泉からパイプでお湯を運び、水を加えて、ボイラーで沸かし、塩素を加えているんですね」と聞くと、「そうです」という返事でした。

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  平成17年2月24日施行の「温泉法改正に伴う追加掲示」をここ森吉山荘は行っていますす。先ほどの温泉成分表の隣に小さくこの表示がありました。

   内容は、加水・加温・循環・塩素消毒を行っているという表示です。
   フロントの方が話した通りの表示です。

   大きなホテルや新しくできた立派な温泉のほとんどはこのスタイルです。大きな浴槽に、水道水を加えて湧かしザーザーと大量の塩素臭いお湯が落ちている温泉、一応温泉と名乗っている所です。

   ここ森吉山荘もそうした所でした。しかし、森吉山荘は全く悪くありません。源泉は杣温泉のお湯でそれをどう使っているかを、法律に従って表示をしているからです。

   杣温泉のライオンの口にたくさん付いていた石膏は、この森吉山荘の内湯では全く見つけることはできませんでした。露天風呂の床のはじっこに、かすかに結晶を見つけることができました。源泉は大量に薄められているようです。
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   ちなみに、杣温泉は本当に質の良い石膏泉です。大葛温泉の成分濃度は 0.8g/L、杣温泉は 1.2g/Lと濃く、温度もかなり高く、入った時の満足度はとても高い温泉です。

    加えて、釣りの好きな方は玄関前を流れる阿仁川(たぶん)では大きい魚が釣れるようで、玄関には杣正則さん(この温泉の経営者は杣さんです)の釣果が飾られていました。

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   この地は山深く、さぞかし新緑や紅葉のきれいな所だと思います。
   我が市からの冬期間の直通道路は閉鎖になっていますが、やがて開通になったら、紅葉の頃に、もう一度訪ねて見たい温泉でした。

   森吉山荘が、硫化水素型の硫黄泉で無かったことについては、「北東北・日帰り温泉」という記事に間違いがあったか、私の温泉に対する知識が不足しているかのどちらかです。

   温泉成分にどれ位硫化水素や硫黄の成分が含まれていると、そういう表示できるか、私には調べても分からなかったからです。
  もしかしたら、杣温泉の源泉にはごく僅かの硫化水素や硫黄の成分が含まれており、杣温泉はそれを表示せず、森吉山荘はそれを表示しているのかもしれません(森吉山荘のフロントの方は本が間違っているといっていましたが・・・)。

  真偽は「「北東北・日帰り温泉」の出版者に確かめるしかありません。
  調べることを仕事 (?) にしている私は、明日電話して確かめようか、「どうでもいいですよ~~」としようか、今迷っているのです               


-参考資料-

 「硫黄泉」
   全国各地にある温泉の中でも、最も温泉らしい泉質は硫黄泉でしょう。少量でも非常に個性を発揮する硫化水素の作用で、白濁や緑色になったり、ゆでたまごのような、特有の臭い硫化水素臭がしたり、様々な個性を発揮します。
  硫化水素は温泉法では1mg/kgから温泉として規定され、倍の2mg/kg以上であれば療養泉として硫黄泉と記されます。 硫黄泉は大きく2種類に分けられ一つは遊離硫化水素を含むもの(硫化水素型)、もう一つは硫化水素イオンを含むもの(硫黄型)です。この2つは表現される色や匂いが大きく違います。

 「硫化水素型」
   硫化水素型の特徴は真っ白に白濁して焦げたような強い硫化水素臭がし、味覚は酸味や苦味があります。硫化水素型の温泉は火山性の温泉が多く、噴気や火口 の近くで湧出しています。真っ白に濁った美しい湯と、濃い硫化水素の匂いで、温泉としての印象が強い温泉がほとんどです。酸味があることが多く、草津や蔵 王、雲仙などの酸性泉に分類される温泉でも遊離硫化水素を5から10mg/kg含有し、白濁していて存在感を高めています。

「硫黄型」
  次の硫黄型は緑色透明になり、バスクリン(ツムラ)を入れたような綺麗な色になります。匂いは甘い硫黄臭で、味覚的にはたまごのようなまったりした感じです。 硫黄型は、硫化水素イオンとして湯の中に溶けこんでいるもので、全国に数多くある単純硫黄泉というのにはこの型が多く見られます。 仄かに香る硫黄臭と別成分のためですが、つるつるの感触があることが多く、戸倉上山田温泉や層雲峡温泉、二日市温泉など少量の硫黄分が溶けこんでいて風味を増している温泉地が数多くあります。                             (ツムラ温泉科学プロジェクトHPより)
     
                         ツムラ温泉科学プロジェクト
                       硫化水素について


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