日本最大級の吹き抜け木造架構
国登録有形文化財の明治時代の古民家造り酒屋で
素敵なご家族とお会いしました。
来春高校を卒業し
新たな旅立ちをするお孫さんのために
ご先祖のお墓参りをしながらこの旧酒屋の見学をしたいと
いらしたご家族です。
そのお孫さんが
なんと庭師を目指して
秋田から
京都の庭師のもとへ修行に行くとのことです。
それも
かの有名な「孤高の庭師」と呼ばれている
北山安夫さんの北山造園へ行くというのです。
北山さんといえば
NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」
『己を出さず、自分を出す~庭師・北山安夫~』に登場した
国内外で高い評価を受ける庭師さんです。
北山さんの代表作の一つに
この日本最古の禅寺・建仁寺の潮音庭があります。
中心に据えられた3つの石が
四方からどこから見ても正面に見えるように計算された
枯山水の庭です。
この三尊石と紅葉の位置関係が絶妙な風景を目当てに
多くの観光客が訪れるようです。
テレビに出た時の北山さんの言葉が
とても印象的でした。
「弟子は師匠に従う義務がある。
師匠が白を黒と言ったら、
それは黒。
自分が独り立ちしたと き、そのことの意味がわかる。」
「師匠は最後まで弟子を守る義務がある」
北山の世界は・・・
徒党を組んではいけない。
一匹狼になってつぶれる ようなら仕方がない。
これは闘いや。
誰と闘うのかと言えば
最終的には自分と闘うことになるんやけど
そこに自分の生き様を置いてみたいと思っているんで す。
と語る庭師・北山安夫さんの言葉には含蓄があります。
建仁寺は
建仁2(1202)年に
栄西禅師によって開山された日本最古の禅寺です。
10年ほど前
私は仕事のついでに
ここ建仁寺の紅葉を楽しみ
江戸時代を代表する絵師・俵屋宗達が描いた
『風神雷神図屏風(国宝)』や
法堂の天井に小泉淳作画伯によって描かれた「双龍図」など
レプリカを見てきました。
建仁寺の方丈庭園は
有名な七代目小川治兵衛の作庭で
白砂に緑苔と巨石を配した枯山水庭園です。
植治の作品として枯山水は非常に珍しい作庭ですが
あまりに素晴らしくて
感動したことを思い出します。
この建仁寺の東陽坊茶席の路地を
実は癒しの庭の玄関前の敷石のデザインに
使わせてもらっているんですよ。
二人で長いこと時間をかけて
考えに考えたあげく作ってもらった敷石です。
中国の琥珀石を使って
弘前の石のむろじさんに作ってもらったこだわりの敷石です。
建仁寺の路地の敷石は
千利休の高弟であった「東陽坊長盛」が作った露地で
千利休の「渡り六分に景四分」の考えで作られていますが
我が家では
まだ元気だったおばあちゃんも
歩きやすいように高さを同じにしてもらいました。
渡り十分かな・・・?
さらに高低差が感じられるように工夫を凝らし
建仁寺の気分を楽しめるようにしてもらったんですよ
今日いらした青年は
これからどんな庭を作る庭師さんになるのでしょうね。
小川治兵衛(植治)作庭の
無鄰菴(むりんあん)のことを話したら
青年は笑顔いっぱいの優しい顔を見せてくれました
すばらしい庭師になれるように応援したいです。
温かいご家族の愛情に育まれた
優しそうな青年の未来が輝くように・・・
青年のおばあちゃんは
京都へ旅立つかわいいお孫さんのためにと
茜染をお買い求めになりました
青年よ!
厳しい修行に負けずにね
遠くこの地からエールをおくり続けます
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