☆☆☆ 娘、18歳の誕生日
今日は、娘の菜衣(なえ)の誕生日です。
今月1日に高校を卒業し、あと半月くらいで私たちのもとを巣立っていきます。
娘ができたのは、結婚して7年目でありました。
待ちに待ってできた娘が、まもなく私たちから離れ、東京住まいを始めます。
思えば、私が娘と同い年の時には、すでに父が死んでいました。
ちょうど1年くらいしかたっていない時期ですから、まだまだ親父の死を引きずっていたような気がします。
そして、岡山ですが大学に行くために親元を離れなければならないことに対して、迷っていました。
お袋の身体が丈夫でなく、またお袋も親父の死を引きずっていることをわかっていたからであります。
お袋の方も私のそのような迷いがわかっていたようです。
☆☆★ たった1回の「さようなら」
そして、とうとう明日、家を出て行くという日、お袋は私に自分の前に正座するように命じました。
「なにを仰々しい」と思いながら、あまりにも真面目なお袋の顔に、正座をせざるをえなくなりました。
「なに?」
「明日、お前は出て行く。その時に『さようなら』を言う。そして、大学卒業時にこちらに帰ってこない時、やはり『さようなら』を言う。それから、嫁さんをもらう時、やはり『さようなら』を言う。そして、順番では私が先に死ぬから、やはり『さようなら』を言う。面倒くさいから、まとめて『さようなら』を言っていけ。」
最初は笑っていた私も、お袋のあまりの神妙な顔に、「さようなら。」と言ってしまいました。
でも不思議と背負っていたものが、フーとどこかに飛んでいき、気持ちが軽くなったのを覚えています。
私も娘に、このときのお袋の覚悟のような気持ちになり、「さようなら」が言えるだろうかとずっと考えてきました。
しかし、なんとなくですが、最近、言えるような気がしてきました。
今日は、娘の菜衣(なえ)の誕生日です。
今月1日に高校を卒業し、あと半月くらいで私たちのもとを巣立っていきます。
娘ができたのは、結婚して7年目でありました。
待ちに待ってできた娘が、まもなく私たちから離れ、東京住まいを始めます。
思えば、私が娘と同い年の時には、すでに父が死んでいました。
ちょうど1年くらいしかたっていない時期ですから、まだまだ親父の死を引きずっていたような気がします。
そして、岡山ですが大学に行くために親元を離れなければならないことに対して、迷っていました。
お袋の身体が丈夫でなく、またお袋も親父の死を引きずっていることをわかっていたからであります。
お袋の方も私のそのような迷いがわかっていたようです。
☆☆★ たった1回の「さようなら」
そして、とうとう明日、家を出て行くという日、お袋は私に自分の前に正座するように命じました。
「なにを仰々しい」と思いながら、あまりにも真面目なお袋の顔に、正座をせざるをえなくなりました。
「なに?」
「明日、お前は出て行く。その時に『さようなら』を言う。そして、大学卒業時にこちらに帰ってこない時、やはり『さようなら』を言う。それから、嫁さんをもらう時、やはり『さようなら』を言う。そして、順番では私が先に死ぬから、やはり『さようなら』を言う。面倒くさいから、まとめて『さようなら』を言っていけ。」
最初は笑っていた私も、お袋のあまりの神妙な顔に、「さようなら。」と言ってしまいました。
でも不思議と背負っていたものが、フーとどこかに飛んでいき、気持ちが軽くなったのを覚えています。
私も娘に、このときのお袋の覚悟のような気持ちになり、「さようなら」が言えるだろうかとずっと考えてきました。
しかし、なんとなくですが、最近、言えるような気がしてきました。