走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

頑(かたく)なに守るべきもの

2009年12月29日 23時55分50秒 | ちょっといい話
 今日、学生時代から通っているお店に行った。
 学生時代からだから、35年くらいの付き合いになる。

 その店の店主は年齢的に近いせいもあって、若い頃からよく可愛がってくれた。
 最初の店が家の近くということもあって、結婚後もよく通った。
 悪さもいっしょにした。
 なぜか気がよくあった。

 そして、家から真反対の所に店が移り、少し足が遠のいた。
 年に数回しか通えなくなった。
 それでも途切れることはなかった。
 今日は色々な話をしてくれ、若かった頃とはまたちがった話をしてくれた。

 お店の生命線であるレシピまで話し出す。
 そして、経営手法や価格戦略、商品構成などなど。
 内心、「どうしたの?」と思ってしまった。

 業界がちがうとはいえ、私がしゃべらないと思っているのか。
 それとも私ではまねできないと思っているのか。
 どちらにしても、「油断しすぎですよ」と思うくらい...

 印象に残ったのは、次の話である。

 「食い物屋が、なぜ失敗するか、わかるか?」
 「お客さんが味に飽きるからですか?」
 「味はずっと進化している限り飽きられん」
 「じゃあ何故ですか?」
 「おいしいものはヒットする。ヒットすると素材の原価を下げ始める。
  それにお客さんが敏感に反応し、廃れていく」
 「そういうケースは多いですよね」
 「お客さんの舌を高めておきながら、素材を下げるとその舌が反応する
  のは当たり前やろ」
 「なるほど」
 「ええか、ヒットすればするほど素材に金をかけないかん」
 「でも、お客さんに飽きられんために、もうけたお金で店舗を拡張したり、
  改装したりするじゃないですか。すると、その負担を価格か素材に
  影響出るのは仕方ないことないですか」
 「だからいかんのよ。味を落とすくらいなら、事業なんて大きくせんでも
  ええんよ」
 「それで大丈夫なんですか」
 「食い物屋の生命線である『味』をおろそかにする。そのこと自体が
  おかしいと思わんか」

 奥の深い話だと思った。
 この商品を私たちの仕事のサービスに置き換えてみると、サービスのクオリティをあげるために一定の努力を行うが、ある程度の目標が達成されるとその努力をやめてしまうことが多い。
 私たちの仕事の根底にあるのは、「サービス」である。
 でも、なんとなくそのサービスが軽んじられているような気がする。

 若い頃、出張の時に自分のポケットマネーを足して高いホテルに泊まった。
 そして、(宿泊ホテルの)ランクを上げていった。
 すると、見えてきたのは高いホテルには「コンシェルジェ」がいるということ。
 そして、より高いホテルほど複数のコンシェルジェがいるということ。
 さらに、ホテルではこのコンシェルジェをキャリアの中で経験していないと幹部になれないということ。

 サービスは目に見えない。
 その分、どうしても軽んじられるが、そうだからといって手を抜くと、とんでもないしっぺ返しがまっている。

 今一度、自分の足下を見返さなくっちゃと、つい思ってしまった。

 


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2 コメント

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Unknown (アヒル)
2010-01-07 08:12:00
初めまして。

グスタフさんについて、少し興味があって調べていたらたどり着きました。

ワタシは食品業なので、とても納得出来る話です。
企業の成長はマストですが、何を持って成長とするのかという指針を失うことは、最終的には大きな崩壊につながる、その線引きは大変難しいことだと思います。

お客様が求めるのは、常に支払いの代償としての満足感です。媒体は何にせよ、そういう考え方が企業にもお客様にも広まって欲しいものです。

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お客様第一 (作者)
2010-01-10 21:11:20
そうはわかっていても実践は難しいものです。
そのためには、そのことを常に意識することだと思います。
でも、私などはいい加減な人間ですから、時々忘れそうになります。
そういう時、このようにアドバイスしてくれる人たちがまわりにいる、そのことが本当に幸せだと思うことがあります。
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