東京高検検事長だった黒川弘務氏が賭けマージャンで辞職する直前、安倍首相の重大疑惑「桜を見る会」に関する市民の告発が、検察庁によって「不受理」とされた。その日、1月31日は、黒川氏の定年延長が閣議決定された当日。(ここまでは日刊ゲンダイDIGITALより引用)モリカケといい、桜といい、今回の件といい、安倍内閣は国政私物化内閣と言っていいだろう。そこで武田砂鉄の登場だ。
武田砂鉄
彼はある新聞のコラムを担当している。内閣支持率についてこう述べる。「支持する理由のトップは『他の内閣より良さそうだから』、支持しない理由は『人柄が信頼できないから』。もしこのコラム欄(武田砂鉄氏のコラム)についてどう思うかと読者アンケートを取り、支持する理由のトップが『他の書き手よりも良さそうだから』で、支持しない理由のトップが『人柄が信頼できないから』だったら・・・編集局長に留守電をかけて『今回限りでやめさせてください』と言い残し、近くの河原で体育座りをしながら小石を川に投げるなどして落ち込むと思うのだが・・・内閣のトップはそういう感じはしない」。
さらに「スピード感」について言及。
「感」って? 東京新聞に投稿された男性の記事を引用してこういう。「安倍首相をはじめ政治指導者が最近好んで使うが『感』はイメージ操作のための付け足し」。「私は卸売業の会社を経営しているが納品の約束の遅滞があったとしても決して『スピード感に欠けていました』とは取引先には言わない。不手際で遅くなった事実をわびるのみだ』と付け加える。鋭い指摘である。
安倍内閣の都合で法をゆがめ、黒川氏の定年延長。それを法的に裏付けるために検察庁法を改正(悪)しようとしてごり押ししようとする政府の行いにうんざりしていた中で、心にストンと落ちるコラムであった。