源太郎のブログ

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

2009年02月11日 | エッセイ

マリファナが喧しい。力士やスポーツ選手・大学生が挙げられている。マスコミを賑わすのは氷山の一角だから、世の中には相当蔓延しているのだろう。

マリファナは簡単に言って仕舞えば大麻草を乾燥したものである。Marijuana と書く。スペイン語で「安い煙草」を意味する。これは大麻草が野草として自生し安く手に入れる事が出来たため、メキシコで一般的となり、必然的に隣のアメリカを経由して「マリファナ」が世界に広まったと言う。ただ単に「くさ」、「グラス」とも言われ、インドなどでは「ガンジャ」とも呼ばれる。マリファナと聞くと「麻薬」と言うイメージが強いが、その薬理作用の為医療薬としても使われている。乾燥大麻を圧縮し樹脂状に固めたものが所謂「ハッシーシ」である。

 昔、ザックを背負って「放浪」していた頃のモロッコ。安宿で知り合った日本人の若者。しきりにぼやいている。こっそり手に入れようとした「ハッシーシ」の代わりにカレールーを掴まされた、と言うのだ。思わず笑ってしまった。何しろ、「取引」は路上で、こっそり、素早く行われる。値段の交渉が成立すると、現金と「ぶつ」を手早く交換する。当然、「超」緊張してドキドキものだ。だから、「ぶつ」をその場で確かめる等と言う事は出来ない。ニセモノを掴まされたと判ったのは相手の居なくなったずっと後の事だ。相手が一枚も二枚も上手だったのだ。勿論、被害を届ける事も出来ず、ぼやくしかなかった、と言う訳だ。

 ある時、東北のある県でヒッチハイクをしていたら、道端でアメリカ人と一緒になった。互いに「お仲間」だから、情報交換等をしていたら、彼は楊枝の頭ほどの褐色のかけらを取り出し、火のついたタバコの先に乗せて吸い出した。ははー、やってるな、と思ったが何ら悪びれる様子も無く、「一服」していた。彼にとっては「日常茶飯事」の事の様だった。

 私は常々、タバコが合法でマリファナが非合法である理由が判らない事がある。なぜ、タバコが良く、マリファナはダメなのだろうか? その間に一線を引く、合理的な理由(わけ)はあるのだろうか? タバコが合法であればマリファナも合法化するか、マリファナが非合法ならタバコも非合法にすべきだと考える。因みにオランダではマリファナを吸引する事は合法なのだ。タバコの「害」が叫ばれ禁煙を促進する為「値上げ」をと言われても、税収の落ち込みを心配する政府は及び腰だ。人の健康より税収が大事、と言う訳である。そう言う考え方であれば、将来、禁煙する人が増えて税収が減ったら、税収を上げる為、マリファナを合法化する事だってあり、なのだろうか?

 悪い事をしていなくたって、税関を通る時は緊張する。税関の検査官の任務の一つは禁制品の摘発である。検査官は「物」を見ているが、それ以上に人の「挙動」を観察している。何か「禁制品」が見つかった時はもとより、挙動不審な人物は「別室」と呼ばれる小部屋に連れて行かれ、洗いざらい取り調べを受ける。ある時、一人の外国人男性が「別室」に連れて行かれた。そして、マリファナが見つかった。当然のことならが「おとがめ」が待っている。が、彼の取った行動は意表を突くものだった。検査官が席をはずした一瞬の隙に机の上にあったマリファナに火をつけた。証拠の隠滅をはかったのだ。税関内からそう遠くないその部屋からは、もうもうとしたマリファナの煙が漏れ出し、暫くすると広い税関内は酸っぱい匂いのするマリファナの煙で充満した。たまたま、税関内に私は居て、当たり前のことだがその煙を嫌と言うほど吸い込んだ。はたしてこれは、私が「マリファナ」を吸引した事になってしまうのだろうか?