大地は呟きも喜びも白一色に包み込まれ
無限大の可能性を秘めた白い画用紙になりました
その中で
老いは老いなりに
密かに生きる為の
日々の計画を描いてみる
三月旅立ちの
裏庭の青写真
孫達にも期待と希望のミントの匂う制服に
それぞれの校門を潜る嬉しさ
思えば懐かしい
仰げば尊し
下の孫が貰って来た
学校の大きな朝顔の種
振ってみればカサカサと音がする
茶封筒の中
あやされながら来春の発芽の時期を
楽しみに語り合っている
雪やこんこん
あられやこんこん降っても降っても
地球の軸が傾くお彼岸迄
雪国の暮らしは続きます
その間年が明ければ冬の向こう側迄
春へと繋ぐ行事で心の穴を埋めて行きます
その頃の母さんは
手袋も靴下もセーターマフラーも編み終わり
毛玉も残り少なくなっています
寒から温へと変わって行く
雨垂れが地面を叩きつけ
大地は冬眠から目覚めて行く季の移り
雪国の長い暮らしが今始まった