西天竜幹線水路の取水口に管理棟があり、その脇に水神様が祀られている。この水神様はそれほど古いものではなく、平成になってから祀られたもの。見るからに石祠は新しく見える。一昨年までは、通水前にここで水神祭が行われていたが、昨年は祠の神様を西天竜土地改良区の事務所に移動して、耕地整理組合時代から利用されている事務所の2階で水神祭が行われた。今年も昨年同様に事務所で水神祭がおこなわれたが、なぜ祀られているところから移して水神祭を行うようになったかというと、水神祭を行う日は毎年のように肌寒い日で、そこに参加される方たちにはけっこうつらい状況だったということが理由だと言う。今日も予報に反して朝方から曇り始めて、「寒い」というほどではないものの、外で行事を行うには「肌寒い」日であった。祭事を司った改良区のおひざ元である南宮神社の神主さんも、神事後のお話の中で西天竜の水神祭は毎年のように肌寒い日になることを口にされ、「あらためて身を引き締めて取り組むように」という戒めではないかと説明された。
平成になって建立された水神様であるが、これほど大きな水路でありながら、それまで水神様がなかったのか、という疑問がわく。昭和3年に通水の始まった幹線水路であるが、現在のような水神祭になったのはそれほど古いことではなく、前理事長時代のことという。したがってまだ10年余のこと。現在の水神様が祀られてからこじんまり水神祭は実施されていたというが、10年ほど前から関係機関の来賓も招いて水神祭を行うようになった。そして、その水神様が祀られる以前のことは定かではない。あまたの水路には必ずといってよいほど水神様が祀られている。昭和になって開設されたからといって水神様が祀られないことはない。しかし、西天竜の水路にはどことなく神の存在感が希薄という印象がある。もともと頭首工は現在地よりも上流にあったのだが、もしかしたらそのころには別に水神様があったのかもしれない。以前から気にはなっていたことだが、水神祭に参加して、あらためてかつての水神様はどうだったのか、と思ったしだいである。
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