月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

念仏之道

2010年12月27日 19時37分22秒 | 仏々相念(住職日記)

ガンバレ・・・

 

家族で京都に上がってきました。

京都は大好きなところです。

別に観光するということでもないのですが故郷に帰る感覚・・・

 

「いいなぁ~、もう一度暮らしてみたいな~・・・

 大学も今の胸の思いで講義を聴講させていただくといいだろうなぁ~」

 

ほんのひと時、家族で京都の風を感じ帰路に・・・

いい調子で帰っていたのですが、愛媛の小松で雪による通行止めが・・・

ショックです。

ここで下りるとまず桜三里という大きな山が待ち構えます。

今治方面に迂回するという考えも無く、雪が無いことをただひたすらに思い登って行きます。

登って行くにつれどんどん雪が降り積もり、辺りは白銀に・・・

前の車がスリップし後輪を右に左に・・・

「お~っ、すべっとる!危な~い!」・・・家族中で声が出ます。

 

どのくらい登ったのでしょうか、渋滞して動かなくなりました。

「チェーン着けよう!絶対着けた方がいいよ!」

坊守の言葉に後ろ押しされて不慣れで嫌だったのですがチェーン装着・・・

試行錯誤しやっと完成、皆ホッとして笑顔になります。

 

ピクリとも動かない車の列、シンシンと積もる雪。

このままではいけん!引き返そう!今治方面で帰ろう!と家族で決めUターン。

怖い思いをしながら登ってきた道を下ります。

間には壁にぶつかっている車、溝に落ち込んでいる車、放置され雪が積もっている車・・・

右に左に見ながら、家族で愛車を励まします。

「寒いのにゴメンよ。ガンバレ!・・・」

皆怖くて・・・でも一人でなく皆一緒にいることの力強さを感じながら過ごしたことです。

 

結局は、今治から北条、松山、長浜、大洲と海岸線を帰ってきました。

どうしても宇和を越えないといけないため、もう一度チェーンを装着すると心に決めて臨んだのですが

峠のトンネルを抜けても雪が無く力が抜けたことです。

思わず助手席でずっと寝ることも無く伽をしてくれていた息子と握手しました。

 

6時間もあれば余裕で帰れる旅が、10時間以上に・・・朝の4時過ぎに到着。

皆それぞれに車にお礼を言うのです、

「ありがとう!」「よくガンバッたね!」「しんどかったろ!」・・・ドアやダッシュボードを擦りながら・・・

私もハンドル握りしめながら、「怖かったな~ごめんよ~・・・支えてくれてありがとう!ゆっくり休んで・・・」

三門から振り返ってみる車はドロドロに汚れています・・・

愛おしくてたまりません!

 

私はこんな家族が大好きです。

力の無い一人一人が一台一台が寄り添いながら生かさせていただいています。