さぁ、行こうか・・・
今年もこの鞄に御衣・御袈裟・お経本を納めて移動させていただきます。
お勤めの間中、ずっと私の横に・・・
今日のご縁をいただいたお家も温かいご家庭です。
お念仏を大切に、仏さまを大切に、そんなお家であり村です。
お婆ちゃんは少し認知症を患っておられますが、穏やかな人柄は昔のままです。
久しぶりにお会いしたのですが安心したことです。
「お育て」というものは有難いことですね。
昨日今日、手を合わしたということでなく、お念仏の薫りの中でお育てをいただくことの勿体なさ・・・
私の背中に聞かせていただくお念仏の声、そう、このお婆ちゃんのお念仏。
私と一緒に大きなお声で申されます。
「あ~、なんて有難いんだろう・・・」
忘れて下さらん親心を聞かせていただいたことです。
「大丈夫、ここにいるから・・・」
「あっ」という間に時が流れ長居をしてしまいました。
もうすぐ旅立つ娘のことを法話で味わせていただいたのですが、
「ご院さん、大丈夫!慣れるから・・・恋しがられるのも半年ほどよ!」
二人のお嬢さんを出された御主人のお言葉・・・
でも辛くて・・・
「では、そろそろ失礼しま~す。」
人生の先輩がこの鞄を持って下さいます、いや御袈裟を運んでくださいます。
お念仏を受け継がれるお姿です。
基本、私は人に鞄を持っていただくことはないのですが、人生の先輩から鞄を受け取ると、
住職、大切にしなさいよ!って背中を叩かれたようでした。