どこにかえる・・・
「お母さん、オレは土にかえりたいんや」
「あなたの好きにしたらいい・・・」
都会の方では墓地どころの話ではないのでしょう。
ちゃんと墓地を構えてってことになると遠いところまで行かなくてはなりません。
そんな遠くに墓地を構えるのではなく寺に納骨してってことになった。
ご縁をいただいたのが大阪の別院、
ことあるごとに、
何もなくてもふっと行きたくなります・・・
きれいな御堂で暫く独り言言って帰るんです。
辛く悲しいご縁ではありましたが
お育てをいただいていいですねってよろこばせていただいたことです。
しかし、息子さんにはその母の姿がピンと来ないのでしょう、
「オレは土かえりたい・・・」と言ってオーソドックスなお墓を希望してるのだそうだ。
そりゃ、お母さんがおっしゃる通り、
息子さんには息子さんの思いがあるのでしょうから好きにさせてあげればいいことです。
「でも、お母さん・・・
我が浄土真宗は土にかえる教えではありませんから・・・
この亡骸は土になろうとも
私は御浄土に往生させていただき仏のおはたらきにならせていただきます。
ここは大事なところですからちゃんとしときたいですよね。
土でもなく、海でもなく、星でもない・・・
御浄土なんです。
そして自らが感じ喜ばせていただくところを子や孫に伝えておきたいですね。」
帰るところがある・・・
なんとこのことのありがたいことか。
南無阿弥陀仏。