バウスシアターでは、「話の話」以外にも、たくさんの印象に残る映画を観た。
アルメニアの神秘思想家、グルジェフの自伝を、ピーターブルックが映画化した「注目すべき人々との出会い」
この作品にもとても影響を受けた・・ 25年ほど前のことだ。
冒頭、アルメニアの谷で、語り部達を集め、20年に一度のコンテストが開かれる。
様々な楽器を持った語り部達が集まり、その、特別な谷を共鳴させることが出来たものが勝ちとなる。
たっぷり時間をかけ、様々な楽器や歌が演奏されるのだが、1979年の作品なのに、今のエスニックサウンドブームの
先端をいっている。
僕の「光のように 波のように」の1曲目、「道~マールガ」は、この冒頭シーンへのオマージュだ。
イントロの、フルートで奏でられる音色は、谷を振るわそうとする旋律で、その後に続く主旋は、
「光のように 波のように」の映画では、釈迦のたどった道であり、その後に現在まで続く僧侶達の歩みであると同時に、
グルジェフのたどった生涯、そして、この「注目すべき人々との出会い」を作った、
ピーターブルックへのへのオマージュも込められている。
当時、同名の自叙伝や、著書を、何冊か手に入れ、彼が作曲したと言うピアノ曲集のCDを探し出し、
と、自分でも驚くほどハマった。
だが、そのどれよりも、ピーターブルックの映像と、そこに流れていた音楽、さらに、最後にたどり着く密教寺院での
舞踏が忘れがたく、もう一度この映画を観たい、と思い、ビデオを15年ほど前から捜し始めたのだが、全く見つからない・・
さんざん捜しても見つからない日々が、5年ほど続いた頃、ケンブリッジの大学院にいた友人が、日本に来た時に、
もしかして、と思い、ケンブリッジで捜してもらうことにした。
そうしたら、あったのだ・・
ケンブリッジの図書館に。
当然購入できるはずもなく、調べてもらった版元にも品切れ・・
さらに貸し出し禁止で、図書館内で観ることしか出来ないらしく、「面白かったよ・・」というメールが
申し訳なさそうに、おそるおそる来ただけだった。
それが!
最近また思い出し、ダメ元でネット検索してみたら、DVDで発売されているのだった!
即アマゾンで購入!
残念ながら、映像は悪い・・
もはや25年たった今、当時映像がどうだったかまでは覚えていないが、
もう少し良かった気がするなあ・・・
どう言う元フィルムを使っているのだろう・・
雨はたくさん降っているし、妙な映像の揺れがある・・・
でも谷を震わせる冒頭シーンから、最後の舞踏シーンまで・・・懐かしかった・・