ツルノリヒロの生活と推理

アーティスト、ツルノリヒロの気ままな発信基地。

注目すべき人々との出会い

2011-12-06 22:31:47 | 映画

バウスシアターでは、「話の話」以外にも、たくさんの印象に残る映画を観た。

アルメニアの神秘思想家、グルジェフの自伝を、ピーターブルックが映画化した「注目すべき人々との出会い」

この作品にもとても影響を受けた・・ 25年ほど前のことだ。

冒頭、アルメニアの谷で、語り部達を集め、20年に一度のコンテストが開かれる。

様々な楽器を持った語り部達が集まり、その、特別な谷を共鳴させることが出来たものが勝ちとなる。

たっぷり時間をかけ、様々な楽器や歌が演奏されるのだが、1979年の作品なのに、今のエスニックサウンドブームの

先端をいっている。


僕の「光のように 波のように」の1曲目、「道~マールガ」は、この冒頭シーンへのオマージュだ。

イントロの、フルートで奏でられる音色は、谷を振るわそうとする旋律で、その後に続く主旋は、

「光のように 波のように」の映画では、釈迦のたどった道であり、その後に現在まで続く僧侶達の歩みであると同時に、

グルジェフのたどった生涯、そして、この「注目すべき人々との出会い」を作った、

ピーターブルックへのへのオマージュも込められている。


当時、同名の自叙伝や、著書を、何冊か手に入れ、彼が作曲したと言うピアノ曲集のCDを探し出し、

と、自分でも驚くほどハマった。

だが、そのどれよりも、ピーターブルックの映像と、そこに流れていた音楽、さらに、最後にたどり着く密教寺院での

舞踏が忘れがたく、もう一度この映画を観たい、と思い、ビデオを15年ほど前から捜し始めたのだが、全く見つからない・・

さんざん捜しても見つからない日々が、5年ほど続いた頃、ケンブリッジの大学院にいた友人が、日本に来た時に、

もしかして、と思い、ケンブリッジで捜してもらうことにした。

そうしたら、あったのだ・・

ケンブリッジの図書館に。

当然購入できるはずもなく、調べてもらった版元にも品切れ・・

さらに貸し出し禁止で、図書館内で観ることしか出来ないらしく、「面白かったよ・・」というメールが

申し訳なさそうに、おそるおそる来ただけだった。


それが!

最近また思い出し、ダメ元でネット検索してみたら、DVDで発売されているのだった!

即アマゾンで購入!

残念ながら、映像は悪い・・

もはや25年たった今、当時映像がどうだったかまでは覚えていないが、

もう少し良かった気がするなあ・・・

どう言う元フィルムを使っているのだろう・・

雨はたくさん降っているし、妙な映像の揺れがある・・・


でも谷を震わせる冒頭シーンから、最後の舞踏シーンまで・・・懐かしかった・・



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映画館の役割

2011-12-05 22:19:34 | 映画

かつて、中央線沿線には、各駅に映画館があった。

僕が行ったことがあるのは、前にも書いた中野の「武蔵野推理」

南口駅前にも小さな映画館があったなあ・・『中野名画座」と言ったか・・

今の三菱東京UFJ銀行の隣の地下、変な形で、柱が邪魔だった・・

そこでタクシードライバーを、朝から三回続けて観たことがある。

面白かった、と言うよりは、ストーリーの、どうしても分からない部分があり、理解のために観たのだけど。


高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪、西荻、にも、それぞれ1~2館映画館があった。

僕は阿佐ヶ谷で生まれ育ったから、阿佐ヶ谷オデオン座にはずいぶん連れて行ってもらった。

他にも七夕祭りで今でも有名な、パールセンターの中頃に映画館があり、

ここではゴジラものなど、怪獣ものを多くやっていた。

僕は両親から、禁止されていて、そういった怪獣ものはほとんど観ていないが、

バイオリンを弾く少年が、父を捜すためソ連を旅する(かなり強引なあらすじ・・)

「小さい逃亡者」は見ることを許され、(結構面白い映画だった。今でもいくつかのシーンを覚えている)

同時上映だった「ガメラ対ギャオス」で、初めての怪獣もの体験!

小学校5年だったか・・


オデオン座は、洋画を中心に上映していて、3歳の時に母に連れられて「南太平洋」で映画デビュー。

当時はレンタルDVDなんてものはないし、僕の家にはまだテレビもなかったから、この圧倒的な映像は衝撃で、

2時間以上の作品なのに、見終わっても動こうとしなかったらしい。(若干覚えている)

で、二回続けて観て、翌日今度は父にせがんで観に行き、今度も二回続けて観たらしい。

(実は最初に連れて行ってもらったのが母だったか父だったか、良く覚えていないのだが)

父も母も他界してしまった最近、叔母から、当時父が「いやあ参ったよ・・動こうとしないから・・」

と、迷惑だったと、とっても嬉しそうに語っていたことを聞き、なんだかジンときた。


今はインターネットでも映画を見ることが出来、映画館の役割は、ずいぶんと変わって来ている。

昔お世話になった二番館、三番館は、どんどんなくなり、どこの映画館でも、同じような大作を上映する。

そして、あっという間に上映は終わり、後はDVDやネットで観るしかなくなってしまう。

でも、出来れば、どんな映画でも、銀幕で観たい、と僕は思う。

だからこそ心に残っている作品が、数多くある。



 

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「話の話」

2011-12-04 23:15:05 | 映画

「話の話」を初めて見たのは、吉祥寺のバウスシアターだった。

今もある西友の前に、元々は「ムサシノ映画劇場」(小さな頃、親に連れられて何度か行った覚えがある)

としてあった映画館が改装されて、今のミニシアターの走りとして出来た映画館。

バウスシアターとジャヴ50と言う、2つのスクリーンがあった。

(今は3館に増え、バウスシアターの1.2.3と言う呼び名になっていて、ジャヴ50は今のバウスシアター2となっているらしい)


バウスシアターもジャヴ50も、こだわった作品を上映していて、ずいぶんと通った。

「話の話」はバウスシアターの方で上映され、あまりの衝撃で、そんなに長くない上映期間中、3度も見に行った。

二十代の中頃のことだ。


僕にとって、アートアニメーションの洗礼は、この作品と言って良いだろう、

それ以来、数多くのアートアニメーションを見、自分の感性に、とてもたくさんの影響を受けている。


もともと映像から受けるものが多く、それは一度行った場所は忘れない、とか、

行った場所の周りの風景も、見たことがなくても、その一環として認識できる、というような事に繋がっているようだ。

(初めて行った場所で、この道を行くと、どこどこに出るのでは、という、土地勘のような感覚、鳥の帰巣本能に近いか・・)


昔、カウアイ島をバスで廻った時に、ある海岸で、突然ミュージカル映画の「南太平洋」のシーンをを思い出し、

帰ってから調べたら、まさにその海岸で「南太平洋」のロケを行っていたことがわかったこともある。


この一種特技は、「ふきのとう」のサポートをしていた時代、

ある日の夜、「ふきのとう」のリーダー山木さんから電話があり、

今、「ふきのとう」の二人で松本に来ているのだけれど、

一年前のコンサートの時に行ったお店に行きたいのだが、分からないか? と問われ、

電話で、一度行っただけの店を、その時二人がいると言う駅前から、説明をして無事ナビゲートしたことで、

当時コンサートのMCネタに使われ、知られるようになった。

その時は、なんと記憶力の良い! と言う風に言われたのだが、記憶力と言うか・・、その場所の風景を

映像として、それも細かい所ではなく、全体を漠然と覚えていると言うことで、

間違っても頭が良いと言う方向には行かないなあ・・


写真は太平洋を横断し、たどり着いたカウアイ島。



まさに南太平洋!





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パイレーツ・オブ・カリビアン

2011-07-04 23:23:28 | 映画

明日から最後の細坪さん野音トラックダウンだ。
まだリンゴ病の影響か、手足がむくみまくっている、メールを打つのが一苦労・・
主治医に訊きに行ってみたが、やはりなす術は無いそうだ・・

久しぶりに映画を見る。
パイレーツ・オブ・カリビアン4
前作で終わるかと思っていたら、ほとんどの出演者を替えて、新たな展開に・・
こうなったら、ずっと続けて欲しいと思う。
アリス、ツーリスト、そしてパイレーツ・オブ・カリビアン、と
ジョニーデップを続けて観ているが、素晴らしいし、変な人だとつくづく思う。
僕が好きなのは「スリーピー・ホロウ」
美しい映画だった。

帰ってきてからBSプレミアムでアクターズスタジオを観る。
好きな番組、今回はミッキーロークのインタビュー。

ミッキーロークは、人気があった頃、日本にやってきて、
コメディーのようなボクシングの試合を見せた時、同時にコンサートを開き、
友達がサポートミュージシャンを努めていたので、割と知っている。
その後、人気がなくなり、荒れた時代を過ごしていて、僕は「シンシティー」で久しぶりに観、
その復活、というか変貌に感動したことを良く覚えている。

「レスラー」は観なければ・・・

写真は、辻仁成のアルバムトラックダウンで訪れていた時のニューヨーク。
飲んで深夜にホテルへと歩いていたら、一件だけ開いていたアンティークショップと言うか
バラエティーショップ。
中ではテーブルに乗り、若い女の子がタバコを手に踊っていた(タバコだったのか?)
店の人は言い訳のように、こう見えても20歳過ぎ、と言っていた。

 

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サイレントヒル

2006-08-03 00:47:06 | 映画
夕方まで、7月22日、盛岡八幡宮でおこなわれた、「日本神話への誘い」のDATをProToolsに取り込み、マスターリング。終了後、新宿まで「サイレントヒル」を見にゆく。ホラー映画であるから、恐ろしかったり、気持ち悪かったり、はするのだが、ビジュアルの美しさに怖さを忘れる。現実とずれて存在する、別の世界、さらにそこが、奇怪なるものの現れる、魔の空間に変化する、その変容のビジュアル、CGが素晴らしい。技術的な話ではなく、いかに人間が想像力を駆使し、新たなものを作り出せるか、と言う話し。奇怪なるものも、その動きがダンサブルで、魅了させられた。終わってパンフレットを読んで納得、特殊メークを施された出演者は、ヒップホップのダンサーだったそうだ。
そして、主人公の女の子が素晴らしい。数日前に見た「ローズ・イン・タイドランド」の主演でもある「ジョデル・フェルランド」
全く違う役柄を、(しかもこの映画では一人三役)見事に演じきっていた。
僕はこの映画の方がはるかに好きだ。
終了後、ジムに行き泳ぐ。
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サマー・タイムマシン・ブルース

2006-07-31 11:49:10 | 映画
仕事の合間にテレビをつけたら、「サマー・タイムマシン・ブルース」をやっていた。
去年岡崎で「日本神話語り舞台」のリハーサル終了後、二つ三つ先の駅まで見に行った。
感動した。
僕の、去年、ナンバーワン邦画かも知れない。
帰京後、あらためて、新宿武蔵野館まで見に行った。
すべてがわかってから見ると、さらに痛快であった。

映画は、なるべく、映画館で見るようにしている。
かつて、長年の友人であり、尊敬する、映像プロデューサーの松元一郎さんに、
「どんな映画でも、スクリーンで見るべきだよ」と言われた、その時の松元さんの、愛おしむような、優しい目を忘れられない。
音楽もそうかも知れない。今はアーティストが作った音を圧縮し、どう見たっていい音は出ない、小さなプレーヤー、果ては、携帯電話で聞く時代だ。
「どんな楽曲でも、ちゃんとしたプレーヤーで聴くべきだよ」
映画にせよ、音楽にせよ、そう考える人は少ない。
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ローズ・イン・タイドランド

2006-07-29 11:08:26 | 映画
吉祥寺スターパインズカフェに、9月におこなうライブの詳細を決めにゆく。
詳しくはホームページにアップするのでそちらを。

帰りに思い立ち、テリー・ギリアムの「ローズ・イン・タイドランド」を見に行く。
グロテスク、露悪的・・・「ドニー・ダーコ」以来の後味の悪さに閉口する。
もっとも、テリー・ギリアムは、元々そう言う監督なのだから仕方ない。
モンティパイソン時代の「ホーリーグレイル」やその後の「バンデットQ」「12モンキーズ」などは好きな映画なのだが・・・
音楽が合っていなかったせいかもしれない、とふと思う。
音楽一つで、世界は一変する、テリーギリアムが描きたかった世界に、向かおうとする観客を、音楽が引っ張って引っ張って、「リアル」に引き戻してしまうのだ。

ツルノリヒロホームページはこちら
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