ツルノリヒロの生活と推理

アーティスト、ツルノリヒロの気ままな発信基地。

ふるさと?

2013-04-29 23:52:16 | 今日一日

友人で詩人の城戸朱理、そして奥様の桂子さんと久しぶりに会う。

去年12月の城戸朱理「資生堂・花椿賞」受賞パーティー以来になる。

その前は7月の、僕らの韓国公演を観に来てくれた時だから、半年に一度のペース・・

二十年前には阿佐ヶ谷の焼き鳥屋バードランドで、毎週のように会っていたのだが、

城戸朱理は当時住んでいた荻窪から鎌倉に、僕は石神井から中落合に引っ越してしまい、あまり会えなくなってしまった。

 

バードランドも、銀座は「すきやばし次郎」の向かいへと店を移したのだが、

今は阿佐ヶ谷の、以前と同じ場所に、和田さんの元で修行をした千野さんが「阿佐ヶ谷バードランド」として、独立した店を構えている。

桂子さんが、阿佐ヶ谷バードには行った事が無いと言うので、阿佐ヶ谷で会う事にした。

城戸朱理も、阿佐ヶ谷は久しぶりらしく、すっかり変わってしまった姿に驚いていた。

 

かつて僕らが通った阿佐ヶ谷バードは、細かい所はかなり変わっているのだが、

全体的な雰囲気は当時のままで、とてもリラックス出来る。

千野さんの焼く焼き鳥もとても美味しく、阿佐ヶ谷時代の常連は銀座ではなく、懐かしい阿佐ヶ谷バードにやって来るそうだ。

 

城戸朱理と、桂子さんと、昔話に花が咲く。

 

たっぷり美味しい焼き鳥と、日本酒をいただき、ほろ酔いの身体に春の夜風が気持ちよく、久しぶりの阿佐ヶ谷を歩きたい、と言う城戸朱理に一同賛成。

僕にとっては生まれ育った町でもあるので、ことさら嬉しい。

 

昔風な・・今に残ったものをうまく利用したお店。

昔バードの和田さんや朱理庵と行った「のっぺ」、今は無くなってしまったが、その隣りにはこんな店ができていた。

 

最近有名(?)なスターロード。

僕は幼稚園の頃、母に連れられ毎日のようにここを通り、二件あった貸しピアノ屋でソロフェージや聴音の手ほどきを受けた。

貸しピアノ屋があったって事も凄いし、アップライトピアノがやっと入っている狭い部屋が5~6部屋ある、そんな営業をしていることも、

今思えば凄いなと思う・・

 

今は飲み屋ばかりだけどね。

昔からあるアルポラン

ここと、元茶屋、ぐらいしか残ってる店は無いな・・

と朱理庵がつぶやく。

 

そのまま駅の方へ、僕の中学時代の担任の先生で、とても仲良くさせていただいた貝瀬弘子先生が、オーナーをしていた、「あずさ」や、

とても好きで良く通ったが、今は無くなってしまったビートルズ専門バー、「ストロベリーフィールズ」を抜け、北口アーケードを中杉通りへ。

ますます僕が中学生の頃住んでいた辺りへ近づいて行く。

昔住んでいた頃、良く買い物に行ったスーパー(と言ってもとても古い感じの)後に、古本屋が出来ていた。

もちろん城戸朱理は入って行く。

 

昔はこの店の二件程隣りに、小さな古本屋があって、お金などない子供の頃、良く入浸ってレコード芸術とか、音楽の友を立ち読みしていたことがある。

店主のおじいさんは、僕がバイオリンをやっている事は、店先をケースを持って通り過ぎる姿を見ていて知っていたのだろう、

時折、言葉少なな、偏屈な態度を取りつつも、・・誰それの(演奏家)何は素晴らしいから聴くように・・といった会話にもならない言葉を良く聞いた。

 

僕がCDを出したとき、もう阿佐ヶ谷を離れて10年以上が過ぎていたが、そのお店を訪ねたことがある。

おじいさんはまだ奥に座っていた。

ただ、声も弱く、僕の事など全く分からない様子で・・僕はCDを取り出し、渡したのだが、分かってはもらえなかった。

 

ああ、遅かったな、と思った。

残念だなと思った・・

 

その時奥から、やはり昔から知っていたお孫さんが現れた。

僕が中学生の頃、大学生ぐらい。

時々しか会わなかったけれど、顔は憶えていた。

僕の方は子供から大人へ、大きく変化したのだから、かなり変わっていたとは思うが、話しをしていたら憶えてくれていて、

CDを発売出来た事をとても喜んでくれた。

おじいさんにも説明をしてくれて、おじいさんも、懸命に理解しようと聴いてくれていたから・・なんだか僕は涙が出た。

 

その後、一度その店に行った事がある。

おじいさんは、存命だったそうだが、もう店にはいなかった。

お孫さんのご主人が座っていて、僕はひと言ふた言、会話を交わし店を後にした。

 

そのお店の後が、ここ。

あれ、こっちだったかな・・

10年一昔と言うが、40年前の事である。

 

 

 

 

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出雲で

2013-04-21 23:46:27 | 日本神話読みがたり

本殿の前八足門は閉ざされていて、正面から本殿を伺う事は出来なかった。

やむなく脇の扉の格子状になっている隙間から本殿の写真を撮る。

右から

左から

合成してみたけど・・だめだね

これは10年前の八足門。

この時は正式参拝をさせてもらったから、右側の入り口から本殿まで行く事が出来た。

今は御仮殿と庁舎の間に仮拝殿が出来ているが、10年前はここのスペースで、よみ語りをおこなった。

これが御仮殿。

左の部分が客席となったスペース。

横から本殿を

神楽殿のしめ縄は、とてつもなく大きい。

高橋君と大石君

ね、でかいでしょ。

10年前はこんな。

下から硬貨を投げ上げしめ縄に食い込ませるのがはやったのだろうか、

いっぱい小銭が刺さっていたのだが、今回行ったら針金で、カバーされていた。

参道を歩いて帰路へ。

いつものオレンジ色じゃないけど、後ろ姿はミキサーの高橋君。

本当に今日は凍えた一日だった・・

また当分来る事は無いんだろうな・・

またね、振り返りつぶやいた。

 

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出雲へ

2013-04-20 23:29:35 | 日本神話読みがたり

三年間毎年続けてきた遷宮記念シンポジウム、東京、名古屋、と演って来て、今回はまさにその舞台、出雲でおこなわれる。

今日は浅野温子さんとのリハは無いが、明日の本番が早いため、会館で楽器をセッティングし、音楽だけのリハまでは軽くやっておきたかったので、

夕方に着く便で向かう事にした。

今日は天気が良くないようだ、飛び立っても、空一面の雲・・・

途中富士山の先だけが、雲海を突き抜けて見えているのを発見。

雲が低い?

後は一面の雲に覆われている・・と思ったら、

今度は日本アルプスの山並みが、雲をせき止めているのを発見。

ぎりぎりの堤防となっているようだ。

 

やがて機体は日本海側に抜け、夕焼けに向かって飛ぶ事となった。

出雲空港から会館へはタクシーで15分ほど。

会館ではスタッフの方々が、すでに準備を終え、待ってくれていた。

楽器も無事届いている。

今回は新作で、オープニング、エンディング以外はすべて新しく作曲し、必要な打ち込みを準備して来たが、

幾つもの音源は、スタジオで聴く音量と、ステージ聴く音量で、微妙に違う。

また、それらの音源、SEなどは、MIDIの足鍵盤にアサインをしてあって、足で踏んで音を出すのだが、

その確認や、作ったデータにミスが無いかのチェックもしなければならない。

案の定、音源がループしない曲があった。

パーカッションの大石君と台本件楽譜をチェックしながら、音楽だけのリハーサルを1時間ほど。

神社でやる場合には風で飛ばないよう、台本をつなげ巻物化する。

今回はホールなので、巻物にはしていない。

無事終了、ホテルへと向かいチェックイン。

早速食事に出たのだが、それほど賑やかではない出雲駅前、お店自体は何軒もあるのだが、どこも一杯・・金曜の夜だからか・・

ようやく全国的チェーン居酒屋にもぐり込む。

「エビのバケツ盛り」ってのがあった。

エビはバケツの下までは入っていない。(入っていたら怖いけどね・・)

 

翌日、本番の日は午後から雨だった。

とても寒い。

朝10時30分から浅野温子さんを交えてのリハ。

ここで始めて彼女がどう読むかを知る事になる。

想像とあまりにかけ離れている時には、曲を作り直す必要もあるのだが、本番当日だとそれも間に合わない。

10年に渡ってやって来たから、最近はそうかけ離れる事も無くなっているので、大きな直しは無くて済んでいる。

最初の伊勢神宮や出雲大社での公演の頃は、前日リハだったから、リハが終わるとキーボードをホテルの部屋に持ち込み、

夜を徹して手直しをした事もあった。

 

公演無事終了。

機材を片付け終わって時計を見たらまだ4時。

最終便の東京行きに間に合う時間だった。

「帰れたねえ・・」とミキサーの高橋君と話しながらホテルへ。

 

雨だし、とても寒いのだが、まだ時間も早い、大石君が一度も出雲大社を訪れた事が無いと言うので、タクシーに乗り、一路出雲大社へ向かう。

途中大社前駅を通る。

今はきれいだ。(これは昨年の写真)

10年前はこんなだった。

今は、ホーム脇にガラス張りの、素敵なカフェテリアとショップが出来ている。

ちなみに旧大社駅は記念館として残っている。(これは10年前、出雲大社で公演をした際の写真)

久しぶりの出雲大社、細かい所で変わっている所はあったが、基本変わらぬ姿で迎えてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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Cafe Gallery Kaoru

2013-04-17 23:03:32 | 今日一日

何度も写真展をやらせていただいた、表参道のギャラリーカオルが、とても好きな下町、谷根千(谷中・根津・千駄木)の根津で「Cafe Gallery Kaoru」として再スタートを切った。

オープニングには、たびたび色々な場面でコラボレーションさせていただいている、画家の玉神輝美さんが個展を開かれているので、チェロのAyakoと挨拶がてら訪れる事にした。

日暮里から歩いて谷中へ・・最近どの場所に行っても、前に訪れたときよりも新しく、きれいな街並となっている所が増えている。

それはそれで、良いと思う反面、昔のあたたかなぬくもりを感じられる街並が少なくなり、どこかよそよそしいクールさを感じてしまい、

昔を懐かしむ気持ちになってしまう事がよくある。

この谷中の商店街は、そんな中、在り方を工夫しながら、昔のたたずまいを維持する数少ない場所だろう。

・・昔はこの階段の右側は空き地で、猫がたくさんいたなあ・・

などと思い出しながら降りる。

いました、今でも。

 

昔はこんな感じのお店がたくさんあった。


お店の感じは昔のままでも、看板を一工夫。

木彫りの猫も楽しいけど、生きてる猫は通る時どう思うのだろう・・

 

 

谷中銀座から夜店通りへと抜け、根津の方へ向かう。

途中にあった、何屋だか良くわからなかった、お店?・・

そして着きました「Cafe Gallery Kaoru」小さいけれど、とても落ち着いていて、雰囲気のいい素敵なギャラリー。

中に入ると、玉神さんのアトリエを再現した、画家の部屋が出来上がっていて、とても楽しい。

僕も近いうちに、個展を開かせてもらいたいと思った。

それとは別に、7月に「谷根千(ヤネセン)水族館」と銘打たれた公募展がおこなわれるのだが、(7月15日(月) ~ 7月28日(日))

僕も参加させていただく事になった。

そして、その時に近くのホールでコンサートをやろう、と話しがトントン拍子に決まる。

まだ詳しい事は決まっていないが、多分7月の20日(土)になる予定。

 

お昼は下町近所で、と思っていたら、かおるさんから紹介していただいたお店も、美味しそうなお店も何故か軒並み休み・・

BIKAと言う中華料理のお店で、人気のニラそばを食べた。

優しい味で、美味しい!

帰りは別ルート、坂の上の方から日暮里駅へと向かう。

またもや好きな感じの場所を発見。

諏訪にもこんな感じの小さなアーケードがあったなあ・・・

スタジオに戻ったのが4時頃。

これから明後日、出雲での、神話かたり舞台用の機材を発送しなければならない。

近場の場合は機材を積んで車で行くのだが、さすがに出雲は遠い。

7個口の往復宅急便の伝票は厚く、かなり力を入れねばならないので大変・・さらに機材はどれも重く、重労働である。

19時にヤマト運輸まで持ち込み発送。

この後は渋谷で日体大の荒木教授の元、ギターの永島さんや、落語家の金原亭世之介さんらとライブの打ち合わせだ。

休む間もなく出発。

待ち合わせたお店は、東急文化会館の裏の方、アップリンクそばの世界のビールを飲ませるお店。

これは色々頼んでしまうなあ・・・ベルギーベルギーチェコベルギー・・・

こうして今日も夜は更けて行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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英語能力ゼロ・・・

2013-04-12 22:19:15 | 今日一日

朝、チェリストのAyakoから、友達がイギリスから日本に帰国していて、今日会う約束をしているのだけれど、付き合ってくれないか、と連絡がある。

イギリスで、フランス系ポルトガル人の男性と結婚し、一児をもうけたAyakoの友達は、

一昨年一家そろって帰国した際、饗応離宮で僕らのコンサートを聴いてくれていたから、面識もあるのだが、

詳しく訊いてみたら、どこに行こうか、と言う話しになって、明治神宮や、しながわ水族館など色々候補があがったあげく、

お台場にある大江戸温泉に行こうと言う事になり、そうなると男性女性でお風呂が別れてしまうため、

ご主人のヨセ一人でお風呂場に放り出すのも心配で、さらに、Ayakoの運転で飯田橋のホテルに迎えに行き、大江戸温泉まで連れて行くのも少々自信が無かったようで、

僕に白羽の矢が立ったらしかった。

僕も大江戸温泉は何度か行った事があり、暫く行っていなかったし、たまにはリラックスも良いだろう、と思い、付き合う事にした。

 

飯田橋の駅から外堀通りに出た所でAyakoの車に拾ってもらい、ホテルに向かう。

曲がらなければならない道をやり過ごし、先の道を入って、住宅街の中から向かおうとしたらとんでもなく、神楽坂の狭い通りをさんざん苦労しながらホテルへと近付いてゆく・・

とても素敵なホテルにようやくたどり着き、友達一家と再会を果たした。

そこから僕は、iPhone片手にナビゲーターとなる。

途中混んでいる所もあったが、無事レインボープリッジを渡りお台場は大江戸温泉へ到着。

早速浴衣に着替え、テーマパークのような内部へ。

まずはひと風呂、と男女で分かれ、浴室へ。

子供はお母さんについて行ってしまったから、こちらはご主人のヨセと僕二人だけ、ここに来て不安が沸き起こる。

身体を洗い、二人して並んで温泉へと浸かってみたものの、彼の話す事がさっぱり分からないのだ。

元々外国語は学生の時から苦手だったが、ここに来てますます分からない・・・・

ヨセは粘り強く、ゆっくり話しかけてくれるのだが・・

ようやく何を言ってるか大体分かっても、今度は単語が出て来ない・・

これでは一人で放り出されたのと同じ事ではないか・・・・・

 

それでもヨセはお風呂好きらしく、話しの通じないナビゲーターにもかかわらず、満足してお風呂をあがった。

女性陣もやって来て、食事をとる。

僕とヨセは生ビールを飲み、女性陣はデザートにかき氷・・・の図。

 この後は足湯のある庭に出て、足裏のツボを刺激するように石を埋め込んである足湯の通路を端から端まで制覇する。

大人は、少し尖った場所にさしかかると、絶叫。

怪しい足取りとなる。

子供は柔らかいし、大丈夫かと思ったら、サシャも痛がってたなあ・・

ほんの3時間ほどだったけれど、久々リラックス出来た一日、

でも、あまりの英語力の無さに、危機感を感じた本日でした・・・・

 

 

 

 

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韓国ツアーレビュー2013.02

2013-04-08 02:38:51 | 今日一日

2月の韓国ツアーのレビューが届いた。

いつもとてもきれいな装丁をしてくれ、すべて日本語に訳して、分厚いブック仕立てで送ってくれている。

 

こんな感じ

ソウル公演だけでなく、テジョンやチンジュでの公演の感想も入っている。

いつもこのレビューを読ませていただくたび、韓国のファンの方々の、真摯な、そして感受性豊かな感想に、心を打たれ、

感動し、時には涙し、もっともっと頑張ろうと励まされるのだ・・

僕らのピアノトリオ編成のコンサートで、絶叫とか、スタンディングオベーションなんて信じられます?

でも、実際それを受けると、身も心も震えるのです・・

そう言った、感動を伝える表現って、僕もそうだけど、日本人は苦手だもんね・・

大切な人と映画を観に行って、終わった後「どうだった?」と言われて、とっても理性的な答えしか出来ない自分に落ち込むのです・・

 

今回は、アートアンドカルチャーと言う月刊誌も送ってもらった。

しかし、写真はそろそろ更新せねばね・・・・

 

 

 

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肩、その後

2013-04-04 22:41:21 | 今日一日

肩の関節に注射を打ってもらって、少し楽になっていたのだが、二日ほど経つうちにまた痛みがぶり返して来た・・

やはりMRIか・・と思いながら病院へ。

結果、もう一度注射を打ち、様子を見る事に。

 

実は、僕はかなり強度の閉所恐怖症で、叔母からも、MRIは無理じゃないかな・・と言われていたので、内心ほっとした・・

閉所恐怖症の気は、思い起こせば幼い頃からあったようなのだが、完全に意識したのはパリでレコーディングをしていた時。

一月近く居て、レコーディングスタジオも一ヶ所ではなかったので、ホテルも幾つか泊まり歩いた。

その中の一つ、ホテルイビス、(新宿にもあるホテルチェーンだが、元はフランスボルドーらしい)ここに泊まった時に、

レコーディングから帰って来て、エレベーターに閉じ込められて発覚した。

 

それほど狭いエレベーターではなかったのだが、4人で乗って、ロビー階に到着しても扉が開かない・・

開くのボタンを押しても、別な階のボタンを押しても全く反応してくれない・・

今の日本のエレベーターと違って、緊急連絡のボタンなどないのでどうする事も出来ない。

僕以外の乗客は、やれやれ、と言った調子でおとなしく対処を待っていたのだが、

僕はしだいに息苦しくなって来て、心拍数は上がり、呼吸は速くなり、頭に血がのぼり、くらくらして来た・・

貧血状態!

目の前が暗くなって来た・・

始めての事で、どうしたら良いのか分からない。

どうやらロビー階に着いてはいるようなので、力まかせに扉を開こうとしてみたが、10センチほどしか扉は開かない。

それでも、目の前に視界が広がり、空気の流通が出来た。

僕はその隙間に口を突っ込むようにして、「Help me」と叫んでいた。

そのまま深呼吸を繰り返す。

少し楽になったが、手を離し、扉が閉まるとまた苦しくなって来る・・

何分位扉の隙間から叫び、呼吸していたか・・

やがて気がついたフロントの人間が、別にあわてた風も無くやってきて、エレベーターの扉、上の方をバンと平手で叩き、

その瞬間すっと扉は開いた・・・

 

しょっちゅう有る事なのだろう、フロントマンの態度を見ると、そう思える。

扉が開き、僕らが出て来た時には、彼はすでに僕らに背を向け戻って行こうとしていたから。

文句を言おうにもフランス語は出来ないし・・

と思ったら、つたない英語で悪口が口をついて出ていた。

彼も分かったらしい、血相を変えて振り向いたから。

 

そんな訳で、MRIは受けたいのだが、その閉塞感に耐えられないのでは、と思っていたから、ほっとしたのだ。

二本目の注射はかなり保っている。

でも、相変わらず肩を回すと、壊れた機械のように、グギグギばきばき音がするのだ・・・・

 

写真はレコーディングで訪れた時のパリ。

ベルリオーズ通りの近くかな・・

 

 

 

 

 

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