THF(タワーホール船堀)の麓にある山岳喫茶「やまびこ」にいったら、山岳ガイドのスティーブに会った。
ス「やあ、つねさんぽ。元気かい? 昨日は大変なことがあったんだ」
つ「どうしたんだい?」
ス「ジャン・アリマが登頂して、ジョアンナを泣かせてしまったんだ」
つ「ジョアンナを!?どうしてだい?」
ス「THFのタワーの名前はないのか?と聞いたらしくて、あれに名前なんかなかったので困ったジョアンナが泣いてしまったらしいんだ」
つ「確かにあれに名前はないよね。『船堀タワー』とか言ってるけど正式名じゃないみたいだし・・・。それにしてもジャンめ。よくもジョアンナを」
ジャン・ピエール・アリマ・・・。
ジャン・アレジとは遠い遠い親戚とか親戚じゃないとか。
僕のライバルと目される男。
同じ12月19日が誕生日で、同じ時期に企画委員、広報委員、35周年委員を勤め、同じスタンド使いでもあり、僕が横書きだったら彼は縦書きを好む。
ジャンは昨日、誕生日にTHFに誕生登山をしていたのだ。
さすがライバル。
つ「スティーブ!!お茶なんて飲んでる場合じゃないよ!!僕も誕生日翌日登山をしてくるよ」
ス「グッドラック つねさんぽ!!」
ということで、7合目まで階段でのぼった。ジャンめ、まさか階段で7合目まで行くとは思いもしないだろう。
7合目につくとジョアンナが立っていた。
つ「おお、ジョアンナ。昨日は辛かったかい?」
ジョ「なんでもないわ・・・・。」
すぐさまジョアンナは仕事にかかったが、目が赤くなっていた。ジャンに受けた屈辱に枕を濡らしたことを裏付けていた。
やがて頂上に着くと、冬の澄んだ空がきれいだった。
今回の登頂で6回目。690mになって、とうとう東京スカイツリーを超えた。
行きのエレベーターでジョアンナ僕に背を向けつぶやいていた。
「タワーホール船堀は高さ115m。船のマストをイメージしております」
と。
そうだよジョアンナ。塔に名前なんかないよ!!そう!!マストなんだよ。
さあ、はるかなる海原へ船を出すんだ!!
気付いた時にはジョアンナは下へ戻ってしまっていた。
早くこのことを伝えたくて僕は下山した。
7合目に付くとジョアンナがいたので告げることにした。
つ「タワーホール船堀のタワーの部分って名前があるんですか?」
ジョアンナは言った。
「めんどくせぇのが2日続けてきやがった」
2ne