泉麻人 著
箱根駅伝を歩く
平凡社
を読みました。
僕も一度でいいから箱根路を歩いてみたい。
ほんの前半部は箱根の伝統校らしく、日大の話題も出てきました。
近道を得意(!?)とする大学。
人力車夫を選手にしてしまう大学。
(太字、本書より抜粋)
「日大は大正十四年の第六回大会に人力車夫を起用した。そのころ、東京中の車夫仲間でも足が速いことで有名であった大山という男で、二区の前田喜太平から襷を受けとると、たちまち明大、慶大、日本歯科、東京高師の四選手を血祭りにあげ、トップの中央大学に肉薄した」
思わず笑ったのは次の描写
「四区を走る会川源三選手は『選手が来たぞ!日大だ』という観衆の叫び声を聞いても、信じなかったという。同僚の吉田正雄選手が来るものとばかり思っていたところ、顔も見たこともない男が襷を持っていたので二度びっくり」
結局、替え玉がバレて、日大は翌年出場停止になったそうな。
また、日比谷交叉点で警備に当たっていた交通巡査は大のマラソン好きで、警備をほったらかして一緒に走っていってしまった。そのことでその巡査はクビになってしまったのだが、そこから駅伝をするために大学に入学。
見事、駅伝でも活躍するのであったが、その男の名前が前田喜太平。
前述の人力車夫に襷を渡した選手である。
「初期の日大はすごい」
と、泉さんも書いてありました。
笑い事ではない。
今の日大にこれほどまでの勝ちへの貪欲さがあるのか?
ズルはいかんが、「勝ちたい」という気持ちは当時の学生や学校のが強いのではなかろうか?
本書を読んで笑いながらもそう感じました。
箱根の継走まであと2週間くらいですが、しばらくは駅伝で楽しめると思います。
2ne