季節は春、夏以来の福井、桜は満開をやや過ぎ、ひとつふたつ花びらがチラリと舞う中の食事は、話も弾み楽しく美味しく頂い た。
今回ははなきち二人様のお宅に泊めて頂き、二日間付きっきりでお世話になり、この辺りの山に掛けての花については 、並ぶ人のいない友人にも案内して頂き望外の幸せだった。
出発前夜は19時ころまで雪がチラつき、早朝は温度も下がり小谷 温泉まで氷点下の山道を走るには随分緊張を強いられた。
福井市郊外のカタクリの小道をたどれば、白い粉をま ぶした様な浅黄色の孟宗竹が日差しに映えていた。
孟宗竹は北安曇野には見当たらず、こんなに美しいとは思ったこともな かった。
トキワイカリソウの白い花の中に、花弁の先だけ紅を差した株があった。
山陰地方には赤いトキワイカリソウが 咲き福井嶺北地方以北は白花となり、中間点のこの辺りは花色に変化が多くなる。
坂井平野の里山には細い葉をしたシュン ランが頼りなげに咲き、藪椿が濃厚な色を散りばめていた。
その雪解け水が滴り落ちる斜面には、ナガハシスミレやスミレ サイシンが咲き乱れている。
この里山も御多分に洩れず、イノシシ対策のフェンスが張り巡らされ、気軽には散策出来なく なってしまったようだ。
越前海岸の山には、ユキツバキ、簪のようなキブシの花が下がり、雪国独特の大きなキクザキイチゲ、 ミヤマカタバミが咲き、鋭いとげ状の針をもったオオイワカガミの照葉が輝き、ピンクの蕾を抱いていた。
長年探していた キンキマメザクラの花にも会う事が叶った。
二日間お天気にも恵まれ、目的の花にも会え、お二方様には心から感謝しても し尽くせない日々だった。