うえぽんの「たぬき鍋」

日々のつれづれ、野球ネタ、バカ話など、何でもありの闇鍋的世界?

汝、ゲテモノを愛せ。

2005-01-19 00:58:36 | 雑記
友人GALLEON氏のブログ「Fly high」で「やられた!」と称し、ちょっと怪しげな食べ物の紹介をしていた。ここで紹介された「虎屋」は広島県福山市にあるという。たまたま、大学時代にアオチューゼミでゼミ長・副ゼミ長(私)として迷コンビを組んでいた、おミヤさんという女性が福山在住なので、メールで聞いてみたら5分で返事が返ってきた。

「知っとるで。中高通り道じゃもん。行ったことはにゃあけど。通りガかったら入ってみるわ。よおわからんでごめんね。(福山弁風でした)」(原文ママ)

…福山弁は広島弁と若干違うようだ…いや、そこに関心を持っている場合ではない。残念ながら食べたことはないそうだ。近所なのに、惜しい。

私の周りは変わった飲食物を探すのが趣味の人間が結構いる。初めてそんな人間と知り合ったのは、高校時代の友人T氏であった。彼は高校2年の途中までは全くフツーの男であったが、修学旅行で運命の遭遇をしてから、その喜びに目覚めてしまった。新幹線ホームで売っていた、インカ帝国の天然樹木茶・「タヒボ・ベビーダ」(以下「タヒボ」)が、彼の人生を変えてしまったのである。
最初は、みんなで自販機で飲み物を購入しようとして、コーヒーと間違えて買ったのだという。確かに、リンク先の写真を見ていただいてもわかるように、かなり紛らわしい。一口飲んだ彼は、あまりの独特な味に、狂ってしまった。その後、修学旅行先の関西で、彼は何かに取り憑かれたかのように珍妙な味の飲料を探し続ける。その結果、行き着いたのが「関西三大飲料」であった。前述の「タヒボ」、「あめゆ(ひやしあめ)」、「ニッキ水」の三種類である。あめゆ(ひやしあめ)とニッキ水は、地元では割とポピュラーな飲み物であるようだが、東京育ちで関西の味など全く知らなかった彼にとって、大変な衝撃を受けたことは想像に難くない。
高校の卒業式の日、T氏と、彼と志を同じくするA氏が、私に卒業の記念に渡したいものがあるという。なんと、あの修学旅行の日に余計に買い込んでいた「タヒボ」であった。目の前で飲めと言う。あの「タヒボ」を、しかも、購入して1年半は経っているシロモノを飲めというのか…?しかし、ここで拒めば友情にヒビが入りかねない(笑)。私は、意を決してプルトップを開け、ひと思いに口の中へ「タヒボ」を流し込んだ。

「こ、これは…学校のうがい薬…!?…ゲホゲホッ…、クェー!!(自我崩壊)」

小・中学校の頃、こんなうがい器が学校に設置されていたことを思い出した。あそこから出る水にはうがい薬が混ぜてあり、口に入ると変な甘ったるさが広がって、何ともイヤな気分になったものだった。変な薬臭さといいあの味といい、そっくりだ。
半泣き状態で全部飲んだ。これでもう私も彼らの一員である(歓迎儀式かこれは)。それから我々はさらにメンバーを集め、「タヒボ・ツアー」と称して毎年のようにあらゆる地方に赴き、奇妙な飲料を探し歩いたのだった。最初のタヒボがあまりに劇的すぎて、なかなか「これは!」というような飲料に巡り会わなかったのだが、千葉の館山で見つけた「カフェ・ガラナ」はタヒボに勝るとも劣らぬもの凄い味で、一口だけ飲んで挫折した覚えがある。

今では全員すっかり落ち着いてしまい「タヒボ・ツアー」もやらなくなったが、去年私が台湾に旅行した際、向こうの怪しげな飲食物を目にする度、ちょっぴり血が騒いだ。さすがに試す度胸は消え失せていたが「あの時の妙な探求心はまだ健在なのだな」と、そんな自分がちょっと嬉しかった。