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さらば、マリーンズのスター

2005-09-19 19:30:46 | 野球
ロッテの初芝が現役引退
(Yahoo!スポーツより)

秋のプロ野球と言えば、優勝争いや日本シリーズ、オフのドラフトやストーブリーグなど、色々と動きのある時期である。好きだった選手の引退にガックリと肩を落とすこともしばしばだが、とうとう、この人もバットを置くというニュースがやってきた。正直、大魔神佐々木の引退よりもはるかにショックである。

どういうわけか、この人に関しては1989年にプロ野球の世界に入ってきた時から心を惹かれるものがあった。プレーを全く見ていないにもかかわらずである。選手名鑑で彼の欄を見た途端に「あ、この選手は活躍するんじゃないか?」という直感が走ったのである。理由は未だにわからないが、そのころから「初芝オーラ」が出ていたということなのだろうか。まさかその6年後、私が彼の母校の系列の大学に行くことになろうとは、予想もしなかった。
果たして彼は1年目から一軍の戦力として立派に働いた。打っても守っても豪快そのもの。三振やエラーをしても、なぜか憎めない。フライが上がって初芝が捕るとスタンドから大歓声が起こったものだ。凡フライを処理して大歓声が上がるのは、初芝の他には鈴木尚典古木克明(ともに横浜)ぐらいなものだろう。
ある本で、広島の名スカウト・渡辺秀武氏が、思い出に残る選手として真っ先に彼の名を挙げた。

「高校ではレフトをやりながら大会ではピッチャーもやっていたんです。しょっちゅうケガばかりしていて、目も悪かったんでフライはすぐ落としちゃうし、こんなに(主力選手に)なるなんて思いもしませんでしたよ(笑)」

高校時代から、やっぱり「初芝さん」だったらしい。

「調査には行ってたんだけど、西武が3位で指名するというのでボクはやめたんです。でも結局西武が指名しなかったんで東芝府中に入ったんですけど、キャンプなんか行くとボクもかわいがってね…」

当時の西武といえば、黄金時代直前の時期である。もし入っていたら、彼のような守りに不安のあるタイプは西武の首脳陣には恐らく好まれなかったろう。芽が出ないまま辞めていたのではないか。そう考えると、野球選手は生きるも死ぬも入る球団次第だなぁという、恐ろしい気分になる…これは何も野球に限ったことじゃないな。

「でも、知りすぎるとかえって取れないんです。目が悪いとか知ってるから。それが打点王は獲るは、1億円プレーヤーになるわけだから、醍醐(当時のロッテスカウト・醍醐猛夫氏のこと)さんは見る目があったんですね」

広島に入っていたらどうなっていただろうか。当時の広島は、守り主体のチームだったから、やはり使いどころは限定されただろう。西武に入るよりは出番もあっただろうが、やはりロッテで正解だったのだ。指名を見送った西武も広島も正しかったし、最後まで見捨てなかった醍醐スカウトと、指名に踏み切ったロッテもえらかった。

今年のロッテは、プレーオフ次第では優勝の可能性がある。ぜひ、ぜひ、初芝を日本シリーズで見たい!最高の晴れ舞台で最後の胴上げを見たい!頑張れ初芝、頑張れロッテ!!

初芝清選手、17年間お疲れ様でした。