この日は不思議な一日でした。
11時前に定点に着くと、見上げる尾根の辺りで、主役幼鳥の特徴ある啼き声が数回、幸先の佳さを感じました。
気になっている7DⅡ系のフォーカス微調整のデータを撮り終わって、13時を過ぎたころ、下流側で、凄まじい鉄砲音が連続3発。距離100メートル前後でしょうか、あまり遠くないところらしい。前に久慈河畔で、数十メートルの距離で発砲されたことが有りますが、そこは開けた地形でしたが、曲がりくねった川を挟む山塊の谷間、音の響きに心底驚きました。それと前後して、川向いの斜面を縫うように、猟犬の吠え声と、猟師の声が下流側へ走って行きます。更にもう一人の猟師が、銃を片手にこちらの岸を下流へ移動。
禁猟区域ではないか、と質すと、若くもない猟師は、「禁猟区は下流のダム周辺だけだ」と自信たっぷり。しかし、後で下流域まで足を延ばすと、「鳥獣保護区域」の目立つ赤い看板が見えます。数名の猟師が揃って過去の曖昧な知識のまま行動しているのか、恐ろしいことです。
我々や立ち寄った紅葉期待客の身も心配ですし、主役が飛び去ることも気遣われました。
加えてこの日は、電話会社が多くの作業車を繰り出して、電線沿いの枝葉や、蔦類を撤去する作業が気忙しく行われていたのも不利な条件でした。
しかしそれは杞憂で、発砲音から数十分も過ぎたころ、幼鳥の啼き声がし、その10分後、尾根上空に突然大小三つの鳥影が舞い上がりました。大きいひとつが主役、小さい二つはモビングするカラスのようです。カラスの相手をしたクマタカは、成鳥で、3分足らずでカラスを従えて消え去っていきました。
その様子は恰も、幼鳥を守るために親鳥がカラスを遠くに連れ去った親心のようでした。
結局この日は普段と違って、幼鳥は声だけで姿は見えませんでしたが、親子の絆を見せられたような気分にさせられました。
撮影条件は、7DⅡ+64x2、でカメラは”δf(Focus Micro Adjustment)をいじるな”というメーカーの指示に逆らって、-12に設定。
なお11月分は3日分の撮影記録が有りますが、使用した機材が何れも R7+RF100-400x2 で結果の調子が悪く、報告は差し控えます。
メーカーがこの系の修理にかかっています。
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